富山県の黒部で、美味しいお米を地道にコツコツと作っています!
nullまず簡単に自己紹介を。私は農業とは無縁の千葉県のサラリーマン家庭で育ち、大学卒業後カナダへ渡りました。10年間現地の旅行会社で働いて永住権まで取ったんですが、現地で出会った旦那が脱サラをして米農家を目指すと宣言、彼の夢を支える為カナダを離れました。
今は富山県黒部市の10ヘクタールの田んぼ『濱田ファーム』で、無農薬・減農薬で育てたお米をほぼ全量、HPや東京でのマルシェ出店を通してお客さまに直接販売をしています。
家族は、一見優しそうに見えて実はそうでもない(ようなそうでもあるような)旦那と、一見しっかりしてそうで実はそうでもない(これは本当にそうでもない)娘、そして私の3人暮らし。
娘にはいろんな経験をさせたいという思いと、私たちの欲望・大人の都合で、日本全国世界各国を連れまわしています。
娘と餃子を包みながら、母を思い出す
null学校の長期休みは恐怖でしかない
4月某日。
小学生には春休みというものがある。春だけでなく夏休みも冬休みもあるし、今年はこの後、ゴールデンウイーク10連休というものまであって、とにかく学校休みの娘と、どう折り合いをつけながら仕事をすればいいのかを考えると、それはもう恐怖でしかない。
何が恐怖って、娘がずっと家にいる事だ。
この地域は、午前中は家庭学習をしましょう、外で遊ぶのは午後からと指導がある。5年生になって手がかからなくなったとはいえ、ちょっとした事で「おかーさん」と声がかかる。その度に仕事の手を止めて、いちおう笑顔を作って「なあに?」と娘の気持ちを受け止める。
・・・ようにしているけれど、それがあまりにも頻繁だったり仕事が忙しさのピークだったりするともう、感情が抑えられない。「いま忙しいの!」という、言わない方がいいとはわかっているけれど、でもつい口から出てしまう言葉で、娘の気持ちをピシャリ!と断ち切ってしまう。
それが1日に何度も繰り返され、それが休みの間ずっと繰り返される。ストレス以外のなにものでもない。それはきっと、私にとっても娘にとっても、だ。
母との思い出、野菜たっぷり餃子
春休み中にココと餃子を作った。いつも冷凍餃子ばかりで罪悪感を感じていて、一念発起(→大げさ)して具を作った。さすがに皮は市販品だけど。
私の母がよく作っていた餃子はとにかく野菜たっぷりで椎茸まで入っていた。お肉は本当に少しで、それが何ともジューシーに仕上がるポイントだったと思う。
私の母はちょっと変わった人で、普段の食事作りはかなり手を抜くタイプ。おかずはハムだけ!以上!とか、お味噌汁はお腹がいっぱいになるから作らないとか。そのくせ、得意料理はパエリヤだったり、ケーキ屋さんでもないのにホールケーキを毎日作ったり、天然酵母のパンを焼いたり、食に関してはかなり破天荒な人だった。
そんな母の事を思い出して作った餃子は、キャベツとニラと椎茸をたっぷり刻んで、餃子の基本レシピを思いっきり無視して、適当に作った。
なかなか上手に餃子を包む娘。私に似て器用に育ったようだ。すぐに飽きて、星型とか春巻き型とかいろんな形の餃子を包んでたけど。それもまた、何事も常識にとらわれない、フリースタイルで無邪気な娘との、手づくり餃子の良さとか楽しみなのかもしれない。
焼きあがった餃子は本当に美味しかった。他のおかずを作る気力がまったくなくて、ご飯と餃子だけになっちゃったけど、それでも十分満足な夜ごはんになった。
今年の米作り、今は「育苗=いくびょう」で大忙し!
null今年の米作りも始まって、農作業は絶好調に忙しい。
農家になる前は、お米って田植えと稲刈りをすればできるって思ってたけれど、いやいや、いやいやいやいや。田植えと稲刈り以外の、日々の地道で地味な作業の積み重ねの上に、やっと田植えとか稲刈りがあるっていう事を知った。
今は育苗に追われている。育苗(いくびょう)、つまり稲の苗を育てる作業。
田植えの時に植える苗は、天から降ってくるわけでもなく、ホームセンターで売っているわけでもなく、当たり前だけど私たち自身で育てる。田植えの1カ月以上前から、種もみを水に漬けたり消毒したり温水で温めたりして、ようやく播種(はしゅ・種まき)だ。
作業所の中で、ベルトコンベアに苗を育てる長方形の箱を流して作業する様子はまるで、工場のラインのよう。土を入れて、種をまいて、水をかけて、また土を入れる。
種と土が入った長方形の箱は、積み重ねられてビニールハウスの中へ。数日して芽が少し出てきたら、ビニールハウス一面に箱を並べる作業と、その後の田植えまで、ひと時も休めない温度管理と水やりが待っている。
育苗は、田植えが終わるまで2カ月近く続く、神経を使う作業だ。そして、米作りの根幹でもある。
秋に美味しい新米をお届けできるよう、頑張ります!