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授業中に「フルーツタイム」も!学校に持参する2回分のおやつとランチ【シドニー教育移住レポート#17】

こんにちは。シドニー在住ライターの橋浦多美です。冬真っ只中のシドニーは、日中は陽が出ればまあまあ暖かいものの、朝晩はとっても寒い日々です。こちらに来て1年半が過ぎますが、まだまだ南半球の暮らしには慣れず、7月に寒いことに日々違和感を感じています。さて、今回は、子どもたちの学校で食べるものにまつわる話をお伝えします!

学校給食はなく、子どもたちは食べるものを「全て持参」

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オーストラリアの学校には、基本的に給食はありません。学校によってはCanteen(キャンティーン:購買部のようなもの)がありますが、これは事前オーダー制が多く、学校の規模によっては、週に2、3回しか頼めないところもあります。子どもたちは、学校に行く時には基本的にはお弁当を持っていくことになりますが、お弁当以外にも、お菓子やフルーツ、飲み物などたくさん持って登校します。なので、カバンの中身は食べ物がいっぱい! 教科書を持ち歩くことがないのでそれほど重くはありませんが、まあまあの量を持っていくことになります。

フルーツ大国オーストラリアならでは!? 朝の「フルーツタイム」

季節のフルーツをタッパーに入れて持参。冬に入ってイチゴが出回るように。オーストラリアのイチゴは、日本のものに比べてやや酸味があります。

現在、我が家の子どもたちが通っている学校の授業開始は9時です。1時間目の授業時間は1時間45分と長いのですが、その間、945分くらいに、朝のフルーツタイムがあります。これは驚いたことに、休み時間ではなく、授業の途中に先生が「じゃ、フルーツタイムね〜」という感じで、生徒は持ってきたフルーツをパクパクっと食べて、その後何事もなかったように普通に授業に戻るのだそうです。

これは「Crunch&Sip(クランチアンドシップ)」(※)と呼ばれ、学校によっては低学年が中心だったりするのですが、政府も推進する、れっきとした教育の一環です。研究によると、健康的な食生活は学校での成績向上にもつながるとのことで、しっかりとした栄養を摂ることが学業にもいい影響を与えるそうです。

ただ、私自身は、休み時間ではなく授業中に教室で食べるということに驚きを隠せませんでした。初めて聞いた時には、「え? 授業の途中に食べるの? 手は洗わないの?」と、とても違和感があったのですが、子どもたちに聞くと、「みんな普通に食べているよー」とのこと。お腹が空いてもお昼ご飯までは我慢、という日本の感覚からすると自由な感じもします。

子どもたちは「Free Fruits for Kids」コーナーから自由に好きなものを取って食べます。オーストラリアはフルーツの種類がとても豊富で、リンゴだけでも常時5~6種類は置いてあります!

また、オーストラリアは、とにかくフルーツをよく食べます。スーパーに行っても、野菜と同じくらいフルーツ売り場が広いし、いろいろな種類のフルーツがあります。そしてありがたいことに価格が安い! フルーツのストックは家には常時あるし、フルーツを食べない日はほぼありません。

また、大手スーパーでは、子どものための「Free Fruits for Kids」コーナーがあり、買い物中に自由にとって食べてもいい無料のフルーツや野菜が置いてあります。バナナやリンゴ、時には人参やきゅうりなど、子どもたちは、自分の好きなものを食べながら親の買い物に付き合っている光景をよく見かけます。

これは10年ほど前から始まったサービスだそうで、政府が推進する、「2&51日に2つの果物と5つの野菜を食べよう)」という取り組みの一環だそうです。ここも子どもへの食育の一環だそうで、国としては、体に悪いものよりも、フルーツや野菜を食べさせて健康促進に繋げたいという狙いがあるそうです。初めて見た時には、子どもを買い物中に静かにさせておくためのものだと思ったのですが、なるほど……恐れ入りました!

10時台の休憩時間(リセス)。今度はおやつを食べる

我が家は、手作りおやつや、個包装タイプのものを持っていくことが多いです。シドニーは物価が高いので、おやつ代も結構嵩みます……。

1時間目が終わると、「リセス」と呼ばれるおよそ25分の休憩時間があります。この時間は、最初の10分は持ってきたおやつを食べ、その後はプレイタイムで校庭で遊んだり、クラスで友達と遊んだり思い思いに過ごします。

多民族国家なオーストラリアは、持ってくるおやつも様々、大きめのランチボックスにランチやスナック、フルーツを全て入れてきてちょっとずつ食べる人もいれば、ランチとは別に持ってくる人や、個包装のスナックを持ってくるなど本当になんでもあり。我が家は個包装を持っていったり、小さなタッパーにおやつを分けて持っていったりしています。

午後1時15分、ようやくランチ!

上はピザ弁当。冷凍食品も活用して簡単に。下はチャーハン弁当。保温ジャー弁当は温かいし、短時間で一気に食べられるのが楽チンだそうです。

朝からフルーツやスナックを食べているからランチが遅いのか、ランチが遅いからフルーツやスナックを午前に食べるのか、その理由はいろいろな人に聞いてもバラバラです。

子どもたちの学校でも午後1時15分、ようやくランチを食べる時間です。お昼休憩の時間は45分間ですが、その中でランチ時間は15分間、残りの30分はプレイタイムだそうで、早く食べ終わって遊びたい我が家の双子は、パパッと食べられるシンプルなお昼を好みます。

当初は日本式の弁当で、色とりどりに綺麗なおかずを入れて、栄養価も満点……と頑張っていました。しかし周りを見渡してみれば、簡単に家にあるものを持っていくスタイルが多いようでした。

ハムチーズサンドウィッチを毎日持ってくる人もいれば、スーパーで売っているパックのサラダをそのまま持ってくる子、パンだけの子というように、誰が何を持ってきても驚くこともなく、みんなそれぞれ楽しんでいるそうです。ですので、最近の我が家のお弁当もシンプルになりつつあります。郷にいれば郷に従えといったところでしょうか。

オーストラリアのキッチンは広くて快適!

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国土が広いので、家の作りも日本よりは広いところが多いと思いますが、シドニーは家賃がとても高いので、すごく広い物件に住めるというのは夢のまた夢ということになってしまいます。それでも、キッチン周りは日本よりも広くて、それなりに快適だと思います。

食べるものが便利じゃないからこそ、キッチンは便利にしたい

オーストラリアはとても物価が高い国です。とくに我々が住んでいるシドニーは本当に高いですね。国土が広い割には人口が少ないので、働いてくれる人がとても貴重なのでしょうか、とくに人件費が高いのです。つまり人がいないと成り立たない飲食業は自ずと金額が高くなり、気軽に外食することができません。さほど高くない軽食を食べられて便利なカフェ形態のお店は、朝がとても早く6時くらいから空いていますが、14時、15時くらいにはほとんどの店がクローズしてしまいます。

また、日本のようにコンビニエンスストアやファストフードも便利でなく、スーパーにお惣菜が売っているわけでもなく、デパートの地下で美味しそうなものが所狭しと並んでいるようなこともありません。基本、食べるものは自分で用意するということが多いです。その上、子どもたちが弁当やらスナックやら持っていくとなると、キッチンにいる時間が本当に長くなる……。便利ツールは使わない手はありません。

食洗機はマスト、オーブンや、エアフライヤーも便利!

食洗機もオーブンも大きくて使いやすいです。最近ゲットしたエアフライヤーは時短料理が簡単にできて助かっています。使った後はトレイ部分を食洗機に丸ごとIN! 楽ちんです〜。

オーストラリアの家にはほとんどの家に食器洗浄機が備わっています。また日本のものに比べて大きいので、大きな鍋類も入れられてとっても助かります。逆にこれを活用しないと、本当に大変です。

またほとんどの食材をスーパーで買いますが、気軽にオーブンやエアフライヤーでできるような冷凍食品も結構あるので、子どものお弁当やおやつの準備にも活用しています。とくにエアフライヤーは、絶対に買ったほうがいいと周りの友人に言われて購入しましたが、本当に便利ですね。気軽に使えて、使った後も食洗機にIN、とっても便利です。

食事はその国の文化の一つで、お国柄が出るところだと思うのですが、オーストラリアの食文化は日本とは大きく異なる点があるものの、比較的健康的で理にかなっている部分もあると感じています。子どもはこちらの生活に慣れてきて、日本に帰ったら学校でお昼まで何も食べられないのが耐えられないかもしれない……とも言っています。 

次回は815日に公開予定です。移住2年目も後半に突入。「学校生活の半年分の振り返り」をお届けします!

【参照】

Crunch&Sip(A NSW Government website

橋浦多美
橋浦多美

大学卒業後OLから25歳でアナウンサーへ転職。テレビ、ラジオ、司会等を中心に現在はフリーのアナウンサーとして活動中。得意分野は家計経済で、暮らしがよくなるお金との付き合い方を日々考えています。FP、宅建士、ビジネスマナー検定、食生活アドバイザーなどの資格を保有。双子男児の母。

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