秋の森で出会ったのは…不思議な男の子!?『もりのかくれんぼう』
『もりのかくれんぼう』(偕成社)作/末吉 暁子 絵/林 明子
かくれんぼは好きですか? あの子ならここに隠れそうだなと探して、予想があたったときの嬉しさ。見つかるまで息をつめてドキドキしたこと。誰も見つけてくれなかったらどうしよう、なんて、急に不安になったりと、かくれんぼにはなつかしい思い出がいっぱい。この本では、そんなかくれんぼのドキドキを、体験できちゃうんです。
公園でお兄ちゃんと遊んだ帰り道、近道しようと生垣をくぐったけいこは、見たこともない大きな森の入口にたっていました。黄金色にかがやく秋の森で、けいこは枝や木の葉と同じ色をした不思議な男の子に出会います。
男の子に誘われて、森の動物たちと一緒に大好きなかくれんぼをすることに。最初はけいこがおにになりました。くまさん、きつねさん、いたちさん、とかげさん……みんないったいどこにかくれているのでしょう?
わくわくしながらページを開くと、森の木々や草むらの中に、動物たちがかくれています。ぱっと眺めただけでは、見つけるのが難しいので、じっくり、よ~く見てみてくださいね。わからなかったら、本をさかさまにして眺めてもいいかもしれません。じーっと見ていると、木の枝や葉っぱのあいだに、ほら! 上手に隠れている動物たちの姿が見えてきますよ。
美しい秋の森と動物が違和感なく一体化した、隠し絵のたくみさと素晴らしさもさることながら、動物たちの表情やポーズの豊かなことに驚かされます。まあるくなったり、体をのばしたり、笑いをかみ殺していたり、いたずらっぽい表情をしていたり。見つけるたびに「見いつけたっ!」と、思わず歓声をあげてしまいます。秋の空気を胸いっぱいに吸いこみながら、親子で一緒に夢あふれるかくれんぼを楽しんでください。
(光森優子 編集者・ライター)
※『絵本ナビ』より引用
【読者の声(『絵本ナビ』より)】
最高に楽しめます!!
3歳の娘は、隠し絵に夢中になり探していました。
本当によくできた絵で感心してしまいました。
絵自体も昭和的で懐かしい感じで、親の私が子どもの頃のことを思い出してしまうほどでした。
秋の森も美しくて素敵です!
子どもには外遊びが大切だな~とも改めて感じた絵本でもあります。
けいこが森の動物達やかくれんぼうと遊んだのは、夢か真か。
そこがまた絵本の醍醐味かも知れませんね。
親の私も童心にかえり、懐かしい気持ちで読むことができる絵本でした!
秋の季節に特におすすめです!!
(まゆみんみんさん 30代・ママ 女の子3歳)
【こちらも合わせておすすめ!】
秋って、どんな音? 『さわさわもみじ』
『さわさわもみじ』(くもん出版)作/ひがし なおこ 絵/きうち たつろう
例えば「秋の公園」というと、どんな音が聞こえてくるのでしょう。
目をつぶって皆さんも想像してみてください。
さわん さわん さわさわさわさわさわ
これは、風が吹いて金色やまっ赤に紅葉したもみじさんが、空に飛び出している音。
ぽとん ことん ぽとん ことん
これは、大きな木からどんぐりくんがおっこちている音。
ひゅるるるるるる
そのうち、冷たい風が吹いてきて……。
【読者の声(『絵本ナビ』より)】
絵本から風を感じる!
なんだか不思議な感覚に陥ってしまいます。 絵なのにとってもリアルに感じるんです。 絵本の中に秋の空気が漂っていて、いまにももみじが飛んできそうな感覚になります。不思議ですが、絵本を開いたとたん秋がそこにあるような。 すっかりこのシリーズにハマってしまいました! もみじさわさわは風の感じがすごくリアルに体感できるようでお気に入りです。 (えりこママさん 20代・ママ 女の子0歳)
長く寒い冬が来る前に、束の間に輝く「秋の森」。子どもたちにとっては宝物に満ちた場所でもありますよね。絵本を読んだ後はぜひ親子で外に出て、のんびりじっくりのお散歩に付き合ってあげてくださいね。
【参考】