クリスマスの世界が、気持ちが、盛り上がる!
……例えばクリスマスまでの1週間。毎日寝る前に親子で一緒に読むとしたら、どんな絵本がいいかな。
子どもの頃。クリスマスと聞いて思い出していたのは、部屋に飾ったモミの木。父と一緒に作ったオーナメント、暗い部屋でチカチカ光る小さな電飾。そして、なんとなく信じていたサンタクロースの気配と、何かが起こりそうな夜の雰囲気。断片的だけど、こうした好きなものやイメージが重なっていって、自分なりの“クリスマス”像が出来上がっていきます。
そこに、さらに豪華で具体的なイメージを加えてくれるのが“絵本”。知らない国のイブの夜、雪が降り積もった静かな景色、プレゼントや飾りがたくさん積み重なった暖炉のあるお部屋。会ったことのないはずのサンタクロース。実際に目の前になくたって、世界を広げながら気持ちを盛り上げてくれるのです。
そんな大事な小道具の1つとして活躍してくれそうなのがこの絵本。
ずうっと宝物!『しずかな しずかな クリスマス・イヴのひみつ』
『しずかな しずかな クリスマス・イヴのひみつ』詩/クレメント・クラーク・ムーア 絵/ アンジェラ・バレット 訳/ 石井 睦美(BL出版)
クリスマス・イヴは特別な日。
雪とクリスマスの飾りで覆われた街は買い物客であふれてにぎやか。
そして迎えるイヴの夜は家中が静まりかえっています。
子どもたちはベッドのなかで、ようせいたちがとびはねている夢をみています。
その時、外からカタカタと音が聞こえて……。
なんて静か、そしてなんて美しいクリスマスの絵本でしょう!
200年も前から語り継がれているムーアの「クリスマスのまえのばん」。
その詩にのせてアンジェラ・バレットが繊細で丁寧に特別な一晩を描き上げています。
家中に飾られているクリスマスを迎える為の装飾の数々。
柱の奥で眠るねずみや、子どもたちの夢に出てくる砂糖菓子の妖精たち。
そして、真っ白な雪景色の中そりにのってやって来るサンタクロースの姿!
ため息が出るようなシーンの連続です。
もっと画面を隅々まで見ていると、部屋の中の小物たちがみんな
サンタクロースを見つめて微笑んでいるのが発見できますよ。
クリスマスを迎える喜びにあふれたこの絵本は、
本当にこの日を楽しみにしている子どもたちのプレゼントとして間違いなくおすすめ。
静かで優しい語りくちと、何度見ても飽きることのない絵の世界。
そして何より絶対的なサンタクロースの存在感。
きっと宝物の絵本にしてくれるはずです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
※『絵本ナビ』より引用
【読者の声(『絵本ナビ』より)】
理想のサンタクロース、感動です。
子どもに「サンタクロースはこんな人なんだよ」と教えたくて、色々探しました。 サンタクロースにスポットを当てた絵本は沢山ありますが、キャラクター物や、コミカルなサンタクロースなど、私のイメージに合わない物が多く、迷っていました。 この絵本は、皆が寝静まってから、静かな雪景色の中、トナカイのソリに乗ったサンタクロースが、煙突から家の中に入り、靴下にプレゼントを入れて行く……理想通り、本来あるべき姿のサンタクロース、こんな絵本を探してました。 2歳の息子には、文章がちょっと難しく、絵も繊細過ぎるかな?とも思いましたが、何より私が気に入り「今年はあまり食い付かなくてもいいかな~!」くらいの気持ちで購入しました。 絵本棚に置いていたら、意外にも息子も気に入ったみたいで、何度も「これよんで!」と持ってきます。 1人で絵本を開きながら、絵をじっと見つめ「サンタさんが、トナカイのソリにのってる~」などと言っていて、微笑ましいです。 大人でも見入ってしまうほど綺麗な絵で、とても素敵な絵本に出会いました。 (たんたんたたんさん 40代・ママ 男の子2歳)
【こちらも合わせておすすめ!】
親子でにんまりしちゃう!『まどから おくりもの』
子どもたちにとって、クリスマスのメインイベントの一つと言えば、やっぱりプレゼント。サンタさんが色々な家にプレゼントを配る場面をメインにしたこの絵本が毎年大人気なのはうなずけます。でも、本当に嬉しいのは、ちょっとおっちょこちょいのサンタさんの様子が見られることなんですよね。
『まどから おくりもの』五味 太郎(偕成社)
サンタクロースさんがみんなのおうちへプレゼントを届けます。窓の外から見える様子で誰の家なのかを推測して窓からプレゼントを投げ入れます。ねずみさんにはしゃれたながぐつ、ねこさんにはかわいいリボン……。あれれ? でもなんだか変ですね。サンタさんに見えた様子と、家の中の様子はだいぶ違うようですよ……それでも最後はみんな大満足。よかったね。
今回おすすめしたこの2冊。気になった本がありましたら、ぜひ読んでみてくださいね。
【参考】