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旬です!「キノコの和風マリネ」は「ヘベス」をたっぷり絞ってこんな風に【お米農家のヨメごはん】

こんにちは! 富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・15歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らす。そんな私たちの、食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載116回目。

今回は、宮崎からお取り寄せしたヘベスを添えたお料理と、まだまだ忙しい農作業の様子についてお伝えしたいと思います。

宮崎産の「ヘベス」をお取り寄せ!

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訳あり(皮の表面に傷あり)お徳用のヘベスをお取り寄せした。

徳島にはスダチ、大分にはカボスがあるように、宮崎にはヘベスがある。 香酸柑橘の一種で、柚子やシークヮーサー、レモンなどの仲間だ。 スダチより一回り大きく、カボスより一回り小さい。

皮が薄くて果汁が多く、何より種が(ほとんど)なくとても使いやすい。

酸味もまろやかなので、お料理はもちろんドリンクやお菓子にもぴったりで、 私は一番好きな香酸柑橘だ。 難点は、宮崎県以外ではほとんど見かけない事だろうか。

シロップを仕込んだりジャムを炊いたりパウンドケーキを焼いてもお勧め、万能選手のヘベスだが、 今回はお料理に添える使い方をご紹介。

脇役といえば脇役だが、お料理の味を引き締めてくれる存在感たっぷりの使い方だ。

まずは、キノコの和風マリネ。椎茸やシメジ、エリンギ、マイタケ等、お好みのキノコをオリーブオイルで炒める。塩胡椒をして、最後にお醤油をジュッと回し入れるだけ。

ヘベス果汁をたっぷり絞ったら出来上がり。スライスしたヘベスをのせれば見た目にも美しい。

種がないのでスライスも簡単、種を取り除く手間もない。

熱々も美味しいけれど、密封容器に入れて冷蔵庫で休ませてからもお勧め。

2品目はパスタ。

いつものクリームソース(私は牛乳と生クリームを半々)に、ヘベス果汁をたっぷり絞る。爽やかな香りが立ち込めて、重くなりがちなクリームソースが軽やかになる。

もちろんトッピングにも、薄くスライスしたヘベスをのせて。 見ているだけでテンションが上がる出来上がりに。

最後は、この時期ならではの鮭、のホイルの包み焼き。簡単で美味しくて、実家の母がよく作ってくれた一品。

鮭の切り身をホイルに載せて、しっかり目に塩胡椒(鮭の塩が強めであれば少なく)する。その上にたっぷり玉ねぎとキノコをのせ、バターを散らす。

ホイルできっちり包んだら、あとはオーブントースターで焼くだけ。 鮭の大きさにもよるけれど、15~20分くらい蒸し焼きに。 たっぷり入れた玉ねぎやキノコがクタッとなって、鮭に火が通れば出来上がり。

魚メインのご飯、できあがり。

ご飯と具沢山のお味噌汁、納豆・お漬物・梅干しと食卓に並べたら、 満足感の高い食事になった。

湯気に注意してホイルを開けると、フワッと美味しそうな香りが立ち込める。そこへたっぷりヘベスを絞る。酸味がまろやかなので、たっぷり絞っても酸っぱすぎないのがいい。

お醤油を回しかければご飯が進むおかずになる。

日本人でよかったと思える組み合わせに、家族3人が笑顔になる食卓だった。

雪が降る前に、堆肥の仕込み!

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まだまだ新米お届けの忙しい日々、と並行して、農作業の方もバタバタしている。

ここからは、雪が降る前に片付けておきたい事を、優先的に順序だててやらなくてはいけない。 雪なんてまだまだ先だろう……、と油断していると、ある日突然、雪が降り始める。 今のうちに、しっかりやっておきたい。

というわけでまずは、 乾燥調製で大量に出た籾殻(もみがら)を使って、堆肥を仕込む。「乾燥調整」とは、刈り取った籾(もみ)を乾燥して籾殻(もみがら)を取り除き、玄米にする作業のことを言います。

この籾殻に、米糠(こめぬか)や発酵を進めてくれる微生物を混ぜていく。

トラクターで攪拌して、あとは熟成を待つ。

堆肥は30日程で熟成されるが、間に2回程、この攪拌作業を挟む。そうすると完熟したさらっさらの堆肥になるのだ。

これを田んぼに散布する作業があるから、雪が降る前にと気持ちが焦る。

散布作業の様子はまた次回にでもお伝えしたいと思います!

濱田さん一家の『濱田ファーム』ホームページはこちらから。

濱田律子
濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係わらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。黒部の専業米農家『濱田ファーム』はこちら。

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