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「働き方」をこんな風に変えたら、娘(15歳)と一緒に台所に立つ時間ができました!【お米農家のヨメごはん#107】

こんにちは! 富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・15歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らす。そんな私たちの、食卓周りの日常を皆さんにお伝えする連載107回目。

今回は、この時期ならではの梅仕事と、久しぶりに受けた取材についてお伝えしたいと思います。

季節を感じながらの梅仕事

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私の周りでは皆さん、どうしたのだろうというくらい梅仕事にいそしむこの季節。それに刺激されて、私も数年前から梅仕事をするようになった。季節を感じながら手を動かす作業は、心をとても豊かにしてくれる。

そう気づいたのは、年齢の賜物かもしれない。丁寧な暮らしと言われるとハードルが高くて逃げ出したくなるけれど、気が向いた時だけやればいいと思うと気持ちが楽になる。

梅仕事の中でも、梅干しはとても手が出せない。 漬けて干してまた漬けてと工程が多い上に、天気と睨めっこしたりカビに怯えたりと心労も絶えない(大袈裟)。一度だけ試してみたが、これは私には無理だと悟った。

さらに梅農家さんがつける梅干しが本当に美味しくて、以前の記事で紹介したように、ここ数年はずっとお取り寄せさせてもらっている。 今年はちょうど、梅干しが切れるタイミングで青梅が出回る時期と重なった。 というわけで、青梅も一緒にお取り寄せ。

届いた梅にびっくり! 1粒1粒がとっても大きくて、ずっしりと重みがある。私が知っている梅とは、全くの別物。

あぁ、こんなにも1粒1粒が大事に育てられた梅だから、 今までいただいていた梅干しもあんなにふっくらと美味しかったのだと気づかされた。 加工される前の農産物を見る事の大切さを、改めて感じた。

早速、娘と一緒に梅仕事に取り掛かる。憧れ思い描いていた娘と一緒に台所に立つ光景は、私がしっかりと週末に休む決意をしたからこそだ。

保育園に通っていた頃はまだ、週末に休む勇気を持てなかった。朝から晩まで仕事をしていた。それを、小学校に上がるタイミングで土日・祝日は休むと決めた(直売関連のみ)。 そうすると、生活が面白いほど変わった。 時間的余裕に加えて、心にもゆとりが生まれて、ストレスを感じる事が少なくなったのだ。

娘と一緒に台所に立つ事ができるようになった。中学生になり、平日はほとんど一緒に過ごす時間がない娘との、貴重なひと時になった。

ヘタの取り方を教えると、面白いと夢中になる娘。そしてすぐに飽きた(笑)。正直でよろしい。

そこはまだまだ子どものようで。無理強いはしない。やりたくなったらまた一緒に作業しよう。 もしくは、大人になってからでも、梅仕事をした記憶を思い出してくれたら。 それで十分。

水で洗って、ザルの上でよく乾かす。 少しでも水分が残っていると、カビの原因になるようだ。

保存瓶の消毒も念入りに。梅仕事の中で、私にとって最も億劫なのはこの作業。熱湯を回しかけるのでさえ、熱っ!と大騒ぎしてしまう。よく乾かして、焼酎でさらに拭き上げる。

私の梅仕事は、毎年この梅シロップだけ。

梅干しは前述したようにハードルが高くて大変だし、梅酒はあまり飲まない。 氷砂糖と梅を同量で、交互に瓶に入れるだけ。あとは1日数回、瓶をゆすって置いておく。

10日くらいしたら梅は取り除き、ジャムにしたり醤油に漬けて薬味に再利用。シロップはもう少しだけおいて味をなじませてから、炭酸で割っていただく。 蒸し暑い時期は喉越しよく、真夏の本当に身体が疲れた時は甘さが染み入る。

今年は一部を、スパイスと一緒に漬けてみた。きび砂糖に、シナモンやカルダモン、クローブを入れて。レモンやローズマリーを入れても良さそう。

少しずつ表情が変わってくる瓶の中身を見るのも、毎日の楽しみだ。瓶をゆする作業を1日3回と決めて、娘と旦那さんにもやってもらう。

早く飲みたいなぁ、だいぶシロップが上がってきたなぁ。

毎日の生活の中で、ささやかな楽しみができるのも梅仕事のいいところ。今年もこれで、梅雨の季節を楽しみながら乗り切りたいと思う。

田んぼの取材を受けました!

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さて田んぼでは、何やら人がワラワラと大勢うごめいている。久しぶりに取材を受けているのだが、担当者さんにライターさん、カメラマンさん他、 たくさんの方に来ていただいた。

取材の主役は、濱田ファームの代表・濱田智和……、 ではなく、その後ろの田植え機。

「紙マルチ」という、土に返る特殊なシートを敷き詰めながら田植えができる、かなり特殊な田植え機だ。この「紙マルチ」が初期の段階で雑草を抑えてくれるので、 除草剤を使わずにお米を育てる際にかなり有効な手段となる。

5月初めに紙マルチ田植えをした田んぼ。 1ヵ月以上たち、マルチが土に返りつつある。苗もしっかりと根が張り、スクッと成長している様子がうかがえる。

事務所の前では、 米袋のパッケージ撮影も行われた。 取材を受けると、この後どういう風に報道されるのかも気になる。

楽しみに待ちたいと思います!

濱田さん一家の『濱田ファーム』ホームページはこちらから。

濱田律子
濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにも係わらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。黒部の専業米農家『濱田ファーム』はこちら。

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