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【ママに聞いた】「父子帰省」に賛成、反対?ひとり時間が確保できる、小さいと難しいとの声も

“妻”と“夫の実家”との物理的・心理的な距離感は多様化しています。

帰省についても各家庭ごとの特色が表れており、近年では父親と子どもだけで父親の実家に帰省する“父子帰省”が選択肢の1つとなっています。

『kufura』編集部は父親、母親、祖父母、それぞれの立場からの“父子帰省”に関する意見を収集しています。

今回は、父親と子どもを実家へと送り出す立場となる、母親からの声を紹介します。

「父子帰省」歓迎派の妻が多く、経験者からの満足度は高い

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今回『kufura』編集部は、【パパ編】に続き、子どもがいる女性に“父子帰省”についての意見を募りました。

アンケート協力者の119人のうち、夫の実家が遠方にあり、定期的に帰省しているのは39人。父子帰省の賛否や、経験の有無について聞いたところ、以下のような結果になりました。

【父子帰省に賛成?夫は実行したこと、ある?(アンケート対象者:子どもがいる女性)】

賛成。実行したことがある・・・17人

賛成。実行したことはないが今後やってほしい・・・12人

反対。実行したことがある・・・0人

反対。実行したことはなく、今後もやってほしくない・・・3人

賛成でも反対でもない・・・7人

今回のアンケートでは4人中3人の女性が父子帰省に賛成しています。実際に夫と子どもを父子帰省に送り出した経験がある女性の賛成率は100%と、経験者の満足度は非常に高くなっています。

妻が「父子帰省、歓迎」の理由は?

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父子帰省に“賛成”と回答した女性からは、以下のような理由が寄せられました。

(1)互いに気を遣わなくてよい

「夫の実家の方も息子と孫に会いたいと思うから。嫁が行くとお互いに気を使う」(52歳・主婦)

「夫と子ども2人のほうが、義理の親がいろいろと気をつかわないし、楽に感じるみたいだから」(41歳・主婦)

「おばあちゃんに会いたいのは孫と息子だから、行ってきてって心から思う」(50歳・主婦)

「義理の両親が気をつかわなくて良いから」(38歳・その他)

夫の実家に妻が訪問すると、祖父母は“客”としてもてなそうと気負い、妻は恐縮する……というケースは少なくないようです。それなら、夫と子どもだけで帰省してもらい、お互いの負担軽減にしたい、という声がありました。

(2)母親は毎回一緒に帰る必要はない

「旦那の家なので、毎回家族全員で帰る必要がないと思うから。お互い自分の実家に、子どもだけ連れて帰ることが多い(家族全員の予定を合わせるのも大変)」(47歳・その他)

「3人子どもがいて、上の子のスポーツの試合のため2人で残り、主人が下の子2人を連れて実家に帰省しました」(52歳・その他)

「遠いし、大変で、交通費もかかるので、父子で行ってほしい。でも、夫は嫌がる」(39歳・主婦)

1度の帰省ごとに柔軟に対応できる余地があると、帰省の予定が立てやすくなりそうですね。

(3)母親のひとりの時間が確保できる

「ひとりの時間を確保したいから」(48歳・総務・人事)

「とにかくひとりの時間がほしい」(42歳・その他)

「その間にわたしはゆっくりしたいから」(52歳・その他)

父子帰省の間に自分の時間を確保できる、という回答でした。ちなみに、父子帰省を経験した父親からは「妻の時間を作ってあげられた」という声が多く寄せられていました。

夫と子どもの帰省中、妻が何をしていたか聞いてみると、こんな回答が返ってきました。

「友達と久しぶりに温泉旅行にでかけて息抜きしました」(52歳・その他)

「ゆっくり友人と過ごしていた」(43歳・総務・人事)

「出張やたまっていた仕事をしていた」(55歳・その他)

「子どもがいたらできない家の掃除やたまった洗濯など」(36歳・総務・人事)

「たまった録画を一気に見る」(48歳・総務・人事)

「自分の実家に行っていた」(42歳・その他)

一次的に“家のこと”から解放され、自由時間や仕事にあてることができた、という声がありました。

まだ目が離せないから…。「父子帰省に反対」する妻の言い分

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一方、今回のアンケートで父子帰省に反対しているのは3人と少数派でしたが、20~30代の母親から、不安の声もあがっています。

「反対。ふだん子育ては全て私がやってるため、帰省時に適当なことをされたくない。また、夫の祖父母が勝手にお菓子をあげるのが困る。卵アレルギーがあるのに」(27歳・その他)

「賛成でも反対でもない。自分が行かなくていいというメリットはあるが、自分の見ていないところで子どもに対して余計なことをしでかす恐れがあるデメリットもあり、どちらとも言えない」(29歳・その他)

「子どもの年齢にもよる。子ども自身がある程度自分のことを自分でこなせて、食べられないもの、してはいけないことを自分で義理の両親に伝えられるなら、いいかなと思う。夫を信頼してはいるが、1人で子どもを見るのは大変。子どもの世話・見守りを普段から参加していない人には任せられない」(35歳・主婦)

子どもの手がかかる時期に、夫と義父母に全てを委ねることに不安を抱く人が見受けられます。食品アレルギーの対応や子どもの見守りなど、きめ細やかな配慮が期待できない場合は、父子帰省の不安につながりやすいのかもしれませんね。

 

今回は“父子帰省”に対する母親からの意見をご紹介しました。

夫が日常的に子どものケアに携わっていない場合には、小さい子どもとの父子帰省に不安の声がありました。

子どもの成長とともに、帰省の選択肢が増えると、帰省をめぐる母親の負担感は軽減されていくのかもしれませんね。

次回は、父子帰省を受け入れる側の“祖父母”からの声をお届けします。

歓迎?それとも反対? 受け入れる側ならではの声もありました。

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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