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大人気企画が本に!「おべんとう なにいれよう?」は子どもの食べ物への興味がどんどん広がる

こんにちは。『ぺぱぷんたす』という耳慣れない名前の本をつくっている、編集長の笠井です。『ぺぱぷんたす』は、紙をとことん体験する本です。

この連載では、この本を作るために集ってくれているたくさんの「プロ」たちの仕事、そして私たちがこの本に込めている思いなどを、ご紹介していきます。「紙ってすごい!」を一緒に感じてもらえたらうれしいです。

「手を動かして」ほしいから、このカタチに

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『おべんとう なにいれよう?』1,290円(税込)/小学館

今日は、『ぺぱぷんたす』から飛び出した『ぺぱぷんたすBOOK』シリーズ第3弾、『おべんとう なにいれよう?』についてお話ししたいと思います。

滋味溢れるリアルな食べ物の絵を描かせたら右に出る者はいない、マメイケダさんによるこの本は、4種類のお弁当箱が描かれた「ボードブック」と、85種類のおかずやごはん、のり、ふりかけ、ケチャップライスなどが描かれた「おかずシート」、切り取ったおかずや、ちぎったご飯を収納する「おかたづけふうとう」の3点がセットになったアクティビティブックです。

この本のもとになった、幼児誌『幼稚園』の誌面企画がこちら。

本の中でお弁当が作れるというこの企画は、2019年4月号『幼稚園』で当時連載していた「おあそびえほん」(5ページ)に掲載されたもの。発売当初も、「ハサミの練習になる!」「食育にピッタリ」ととっても人気がありましたが、コロナ禍でロックダウンになった時にウェブサイトでダウンロードできるようにしたところ、大きな反響があり、たくさんの方に喜んでいただけた、私にとって思い入れ深い企画です。

その時から「いつかは単行本に!」と思っていましたが、ようやく、4年の時を経て(こういうの、多いですね笑)、発売することができました!

「おやさいとさかながいっぱいの、ヘルシーべんとう」
「パンべんとう」
「やきとりべんとう」

マメイケダさんには、もともと描いていただいていた黄色いお弁当箱に加え、青い2段のお弁当箱、曲げわっぱ、そして竹皮(渋い!)を描いていただきました。おかずの数も、主食の種類(ケチャップライス、チャーハン)やご飯のお供(カレーやでんぶ)など、ぐーんと増えて、よりバラエティ豊かなお弁当が作れるようになりました。

「おかずシート」は85種類とたっぷり!

この本を作るにあたって、悩んだのはおかずシート。「ヌキ」という切り込みを入れて、ハサミを使わずに、手で抜き取れるようにしようか。その方が簡単だし、お母さんの手をあまり煩わせなくてすむんじゃなかろうか。

それともいっそのこと、シールにしようか。子どもはシールが大好きだし、ヌキよりもさらに手軽に遊べそう。それに、この食べ物のシールがあったらかわいいに違いないし、その方が売れるかも……!? いろいろな考えが頭をよぎります。

おかたづけふうとうも工作で作ります。切って、ノリではりあわせたら完成。切ったおかずやちぎったごはんを入れておきましょう。

悩みに悩みましたが、やはり『ぺぱぷんたすBOOK』は、手を動かすことを大事にしたい。いっぺんに切らなくたっていいし、その子のペースでおかずを切って増やしていくのもいいよね。……ということで、自分で切ってもらうドリル式のシートにすることになりました(1枚ずつピリピリはずして切ることができます)。

そこには親子時間を楽しんでもらいたいという気持ちも多いにありました。

余談ですが……私は子どもが幼い頃、「トイレが楽しみ」なくらい1人の時間が欲しかった記憶があります。でも、立場が逆転し、ほとんど子どもから相手にしてもらえなくなった今(笑)、「あの頃(家事などを)もっと手抜きしてもよかったな。そしてその分親子の時間を一緒に楽しめばよかったな。あんなにかわいかった時なのに!(あ、いまでもかわいいんですよ)」と思うのです。

そうは言っても、その頃の私にそう声をかけたら、「そんな余裕ありませんよ!」と睨まれちゃいそうですが。

お弁当の入れ方にも、こんなに個性が!

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さて、先日『おべんとう なにいれよう?』のモニター会を開催して、6人のお子さんに遊んでいただきました。さあ、どんな風に遊んでくれるのでしょう?

ビニールから本を取り出し、本をチェック。「おべんとばこだ!」「うわ、おかずがいっぱい」「おいしそう〜」「これ、ふうとうなの??」

ボードブックには遊び方が書かれたページもあるけれど、パッと見ただけで、早速おかずシートにハサミを入れはじめます。みんな、飲み込みが早い!

最初はハサミがおぼつかない子もたくさん切っているうちに、どんどん上手くなっていきます。

作りながら会話(独り言も……)も弾んでいます。「ブロッコリーが好き〜」「またたまご!」「これ、食べたことない……」「デザートにはリンゴを入れたらどう?」。中には「ねえねえ、これって絵描きさんの絵? どうやって描いたんだろう??」なんて、絵描きさんにまで思いを馳せる子も。

悩みながらつめていく子、「これはウサギの耳、これは顔」と想像力を発揮しながら作ってく子、栄養のバランスをとりながら詰めていく子、みんなそれぞれです。

お弁当のポイントや、好きなもの、誰と食べる?などと問いかけると、面白い答えがいっぱい返ってきます。

「これはみんなで食べる用。だっておかずがいっぱい入っているから。一人で食べるとお腹が痛くなって、腸炎になっちゃうの。だから6人くらい、あ、10人くらいかもしれない」

「いちばん最初に食べるのは、チョコレート!」

「上の段は私のお弁当、下の段はママべんとう」と言う子もいて、お母さんは「初めてお弁当作ってもらった!」と顔を綻ばせていました。

「うさぎさんべんとう」
「かほちゃんべんとうと、ママべんとう」

みんなそれぞれ、大人では思いつかないような個性豊かなお弁当が出来上がりました! どのお弁当も格別に美味しそうです。モニター会が終わる頃には……お腹が空いてきましたね(笑)。

この本の中で遊び尽くしていただくのも良いのですが、時には本を使ってお弁当のリクエストをしてみたり、次のお弁当の献立を一緒に考えたり、好き、嫌いなど親子の会話の一端にしていただいたり、さらには実際に一緒に作ってみたり……この本をきっかけに食べ物への興味や世界を広げていっていただけたら嬉しいです。


『おべんとう なにいれよう?』(小学館)

「おかずシート」からおかずをえらんで、はさみでチョキチョキ。ごはんやのりは手でビリビリやぶりましょう。準備ができたら、「ボードブック」から弁当箱を選んで、つめていきましょう。ハンバーグを入れる? それともからあげにしようか。白いご飯の上に、ふりかけをパラパラする?

さあ、どんなお弁当ができるかな?

マメイケダ さく/1,290円(税込)/発売中

笠井直子 
笠井直子 

息子ふたり、猫二匹、ウーパールーパーとのドタバタ暮らし。余裕のある生活に憧れるもゆっくりできない性分。20年ほど女性誌を編集した後、幼児誌の編集に携さわり、2017年『ぺぱぷんたす』を立ち上げ。帰宅後10分でつくる料理のマンネリ化が、今最大の悩み。

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