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復職の後押しに!「セブン-イレブンの保育園」に見る企業主導型保育所って?

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「保育園入れた!」「入りたかった保育園はダメだった……」。3月は保活の結果を受けて悲喜こもごもの光景が広がります。厚生労働省によれば認可保育所に入れない待機児童は、全国に2万6,081人(2017年4月)で、認可外保育所で入所を待っている児童も含めるとさらに膨らみます。

今回は、そんな待機児童を解消する切り札として注目を浴びている「企業主導型保育所」の現状を探りました。(上写真は『セブンなないろ保育園』にて)

子どもを2階に預けて1階のコンビニでパート勤務

「今日は納豆全部食べたよ!」

「ワタシも食べた!」

1歳・2歳児の子どもたちが競うように、空になった食器を保育士に見せています。朝の散歩から戻り、食欲旺盛な子どもたち。どこの保育所にもよくある光景です。

しかし、少しだけ違っているのはこの保育所が昨年10月に、セブン-イレブン・ジャパンが同社初となる、企業主導型保育所としてスタートした園ということ。

セブン-イレブン大田区池上8丁目店が入るビルの2階の『セブンなないろ保育園』(東京・大田区)は、対象児童が0~2歳児(4月入園する4月時点で)まで。定員は30人で平成28年度は全9人で開園しました。

園児の保護者たちは、階下のセブン-イレブンで働くパートの女性、別店舗の従業員、そして同地域に暮らす“働くママ”もいます。同社で働く女性ばかりでなく、定員の半数が、地域枠として、地元の地域に開放されています。

店の主力だった女性が育児で抜けていく現状に…

コンビニと保育所。一見結び付かないように思えますが……。

「以前のように若者が働いて店を支えていた頃とは違い、今やシニア世代、外国人、そして子育て世代の女性と、従業員も働き方も多様化しています。

特に子育て世代の女性たちは、店の主力として働いているのに、中には子育てで休まざるをえない、辞めなければいけない事態に陥って抜けていくのを、加盟店のオーナーさんは見てきました。

そこで従業員みんなが働きやすい職場環境を作ろうと、3年ほど前から保育所をつくることを思いついたのです。預かってくれる場所があれば、働きたいというニーズがあって、保育所誕生となりました」(セブン-イレブン・ジャパン広報)

同保育園は、午前7時から午後8時までの開所で、保育料は大田区の認可保育園の保育料に準じる形で、月額約5万円。セブン-イレブンの従業員は、3割程度安く利用できます。

園庭はないものの、子どもたちを積極的に外に連れ出して体を動かすことや、食育に力を入れていることもアピールしています。中には座禅の時間もあって、カリキュラムもユニーク!

実際の運営は保育事業会社が行っており、「定員の空きがあって、私たちの保育の方針に賛同してくださる方なら、どなたでも安心して預けてほしい」と園長は話します。

セブン-イレブンだけではなく、ローソンも北海道札幌市に「みるく保育園」を開園するなど、コンビニ業界でもその動きは広がりつつあります。

「認可外はレベルが落ちる」のイメージも変化

同保育園のような形態の「企業主導型保育所」は、待機児童解消のために政府が2016年に創設。認可保育所よりも基準を緩め、例えば保育士はすべて有資格者と規定されていたものを、職員の半数以上でもよい、などと開所のハ―ドルを低くし、一定の基準をクリアすれば、公的な補助が得られるようになりました。

企業は、優秀な従業員を確保したいという思惑もあって、起業主導型保育所の開設に積極的です。2017年度の募集には約7万人分の申請がされました。

待機児童の問題に詳しい日本総合研究所調査部主任研究員の池本美香さんは、「企業主導型保育所は、待機児童解消のためには有効」だと言います。

「認可外保育所である企業主導型保育所ですが、認可施設並みの補助を国から受けられるため、参入しやすいのです。また市町村の保育所の整備計画に左右されないため、柔軟な対応ができます。認可保育園は質が良く、認可外のレベルは落ちるという、以前のイメージとはかなり変化してきています」(池本さん)

元保育士が見た「セブン-イレブン」の保育所

昨秋の開園から「セブンなないろ保育園」に3歳、1歳の2人の娘たちを預けている関陽美さん(30歳・写真)は、元保育士。出産をきっかけに仕事を辞め、現在は階下にあるコンビニで、午前8時半から午後1時までパートをしています。

「小さい子どもを抱えて本格的に正社員で保育士復帰はできないけれど、子どもと3人で、家で一日中べったりいるのも限界と感じ、そろそろ働きたいと思っていました。勤務実績がない状態で入所を申し込んだものの認可保育所に落ち、待機児童になったのです。両親はまだ働いていて頼れず、どうしようかと考えているときに、たまたまチラシで開園を知り応募しました」

“保育士の目”で保育所の設備を見学し、園の方針も聞いて検討した。その結果、「認可園と比べて何ら変わらない」と判断して入園とパートを同時に決めたそう。

メリットは、職場と保育所が近いこと。発熱した、ケガをしたという万が一のときでも、すぐに駆け付けられること。

そして預かってもらう時間が、午後4時までとあって、数時間家で家事を済ませてから、お迎えに行けること。

一方でデメリットは?

「下の子が、私の姿を見つけると泣きだすので、散歩の行きかえりには、なるべく店頭での作業はしないで、見つからないようにしています(笑い)」(関さん)

長女は今春、幼稚園に入園する予定です。同園が2歳児までということで、やむなく決めたといいます。2園に分かれての登園は多少大変かもしれませんが、預けられるところがあって、仕事ができることで、「毎日が充実しています」と話していました。

 

次回は、多様化する保育所の現状と企業主導型保育所の課題について、「認可園が本当に最高なのか」を含めて、前出の池本美香さんにお聞きします。

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