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妻が我慢し続ける「夫婦関係」に子どもは気づいてる!夫婦に必要な「戦わないコミュニケーション」とは【コロナ禍育児/第3回】

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感染拡大の波を何度も繰り返し、私たちは新しい生活様式をアップデートしながらコロナ禍の日々を暮らしています。家族で一緒に過ごすことが増えた子育て世代にとっては、夫を交えた育児が貴重な機会になった家庭もあれば、“コロナ離婚”という言葉が生まれたように夫婦関係の悩みが深くなってしまった家庭も……。

そこで、コーチングをベースに“ママがイキイキすること”を大切にした子育てを、全国から海外での講演、著書やテレビ出演など様々なメディアで伝えている、コミュニケーションコーチの山崎洋実さんにオンラインで取材しました。子どもの世代別アドバイスに続く第3回目は、【夫婦関係編】です。

小学生の子育て中でリモートワークが増えたkufuraの副編集長と私が、今回も山崎さんにズバッと痛いところを突かれつつ、夫婦がうまくいくコミュニケーションの方法について教わりました。

見て見ぬフリをしていた夫婦関係を見直す時がやってきた!

山崎さん:夫婦共に家でリモートワークをしているのに、夫に当たり前のように“今日のお昼、何?”聞かれることにストレスを感じるという話を耳にします。コロナ禍前は土日だけなら“どうして私ばっかり?”と思いながらもこなしてきたけれど、これが毎日となると、我慢も限界!という状況なんでしょうね。

駿河:子どもを預けられない状況だったらなおさらですね。私はライターという仕事柄、“子どもがいても家で仕事ができるね”と言われてきたのですが、実際は小さい子どもがいたら仕事が進みません。なので、リモートワークを経験したお母さんたちの大変さがわかります。

山崎さん:専業主婦の方や育休中だったとしても、ちょっと外でママ友に会って息抜きしたいのに“こんな時に人と会うの⁉”と反対されてしまったり、ママの子育てのやり方に口出しされてしまったり、ワクチンを打つか打たないかに至るまで、夫婦の価値観の違いがはっきりわかるようになったのが、このコロナ禍だと思います。

男女の家事の平等化をうたう時代だといっても、まだまだ妻に家事の負担がかかっている家庭も多いのでは? 自分だけが我慢せず、家事の分担について話し合うチャンスが来た!と思って夫と向き合ってみてください。

妻が我慢している夫婦関係は子どもだって気づいてる!

副編集長:夫婦関係がよくないと、山崎さんが何度も教えてくれている“ご機嫌な自分”になれませんよね。やっぱり子どもにも影響しますか?

山崎さん:“お母さんがすごく我慢しているな~”というのは、子どもも気づいていますよ。自分を振り返っても、お父さんとお母さんのピリピリした空気感はわかりましたよね。

家族は人間関係の基本になる集団なのに、お父さんとお母さんがお互いを受け入れていないという状況は、子どもにとっても受け入れもらった経験が乏しくなってしまうので、将来絶対にひずみが出てしまいます。

私の講座の受講生に幼稚園の先生がいて、月曜日に子どもが荒れている様子で、“夫婦喧嘩のとばっちりを受けたな”と週末の夫婦関係がわかるそうです。お母さんの良くない口癖も幼稚園で真似しているし、親が思っている以上に、家の中のことが外でバレている(笑)。子どもはお母さんのことをよ~く見ていて、影響も出ているということですね。

不機嫌にふるまうのは子どもと一緒⁉ まずは言葉にしよう

山崎:コミュニケーションがうまくいかない人にありがちなのが、“言わなくても察して”とか“言ってもどうせ変わらない”というパターン。言わないと絶対に伝わりませんよ? 仕事においてもそうですが、相手に思っていることを言えなくなってしまったら、その時はやり過ごせても、結局関係が悪くなってしまいますよね。

駿河:夫の前でわざと不機嫌にふるまって家事をしてみたりします。気づいてやってくれたらいいのに!と思って。

山崎:それはねぇ……道端でひっくり返って騒ぐ子どもと一緒! そうすればお母さんが来てくれるでしょ? 騒いだ方が受け入れてもらえるという経験をしすぎてるのよね。大人がそれをやったら、とても面倒くさい人なので、いますぐやめましょう!(笑)

駿河:お恥ずかしいです……。でも、いざ夫と話し合おうとするとなぜか喧嘩腰になってしまいます。どうしてでしょう?

山崎さん:負けたくないと思って戦ってしまうのよね。コミュニケーションで大事なことは、お互いの違う部分を確認しあいながら歩み寄るプロセスであって、答えを一緒にするとか、どっちが勝つということではありません。

前回もお話しましたが、『過去と他人は変えられない。変えられるのは未来と自分』です。なので、夫であっても他人はコントロールできません。

“伝えたからには言うとおりにしてほしい!”と戦うのではなくて、相手の価値観は変えられないものだという前提で話し合いのテーブルに着くことが大切です。そのうえで、お互いの価値観をすり合わせてみてください。

もしかして連発してない?会話の始まりのNGワードとは?

山崎さん:何度言っても受け入れてもらえないという人は、伝え方がよくないのかも。子どもにもこの言葉を使っている人が多いのですが、“なんで”から会話を始めていませんか?

例えば、食事の用意について話すなら…

〈NGパターン〉

「なんで、私が毎日お昼ご飯用意しないといけないの?」

相手は、“なんで”に反応して、“否定だな”と思って心のシャッターを降ろしてしまいます。

〈OKパターン〉

「なるほど、あなたはこんな風に思っているんだね。私はこういう風に思うから、例えば、月水金はあなたにご飯を用意してもらうのは、可能?」

ニュートラルに伝える。つまり、“普通に言う”ということです。

駿河:普通……、ですか? コミュニケーションのテクニックを使ったような言い方があるのかと思っていたのですが……。

山崎:“どうやって言ったらいいですか?”ってみんな聞くのよね。だから、講演で“普通に言う”って教えると、すごくザワつくの!(笑)。

どうして普通に言えないかというと、自分が感情的になっていたり、余裕がなくて攻撃的になっているからです。感情はぶつけるものではなくて、伝えるもの。自分がご機嫌でいられれば、“ねぇねぇ、これ、やってくれない?”と言えるのに、“なんでやってくれないの⁉(怒)”になってしまう。

いつも“なんで”を言ってしまう人は、まずは“普通に言う”を意識してみてください。コレ、すっごく大事なコミュニケーションのスキルです!

価値観が違ってこそバランスのいい夫婦の証

山崎:価値観の違いを理由に離婚する家庭もありますが、私は、価値観が違うふたりこそバランスのいい夫婦だと思います。家庭の中に価値観が1つしかないというのは、危険だと思いませんか? 世の中にそんなことはあり得ないし、子どもにとっても世界が狭くなってしまう。

夫婦って、自分と違う部分を持った人をパートナーに選んでいるはずです。どうして自分と同じような人を選ばないと思いますか?

副編集長:確かに、私と夫は違うタイプです。遺伝子レベルで、似た人を選ばない何かが組み込まれている……とか?

山崎さん:自然と選んでいるという意味では、それに近いかも。自分と同じということは、自分にできることは相手もできてしまう。だから、魅力を感じないのよね。

我が家の場合は、夫は几帳面で私は大雑把という組み合わせ。行き当たりばったりで家電を買って返品する羽目になってしまう私は、買い物に行く前に置き場所のサイズをちゃんと測る夫の姿を見て“惚れてまうやろ!”と思っちゃう、みたいな(笑)。息子にとっても、私が夫と同じタイプだったら息苦しい家庭だったと思います。

自分には無いものを持っているところが魅力的だと思って好きになったはずなのに、それが生活に落とし込まれたとき、時々ムカつくことがあるのよね子どもが生まれたことによって夫婦の価値観の違いがあぶり出されて、かつコロナ禍でくっきり形になっている状況だけど、違って当たり前で、違う方がいいから、戦わなくて大丈夫!

山崎さん:もうひとつ、良好な夫婦関係のために忘れないでほしいのは“やってあげたことは忘れる。やってもらったことは覚えておく”ということ。“この間は、私が保育園に送ったから、今度はあなたが送ってよね!”なんて、逆のことをしていませんか?

いまは目の前の家事や育児、仕事のことにコロナ禍も重なって頭がいっぱいだと思うけれど、子どもが巣立った後に家庭に残るのは、あなたのパートナーです。ラブラブでいる必要はないけれど、戦わずに仲良くすることをおススメします。戦わないコミュニケーションについてお話するときに、“負けるが勝ち”って、先人はいいコト言う!といつも思います。

大事なことなので何度もお伝えしますが、自分に余裕があってご機嫌でいることが大前提。そういタイミングを見計らって、自分と夫の価値観とはどういうものなのか、まずは確認し合うことから始めてみてください。

コミュニケーションのNGワード、“なんで”を口に出すことはもちろん、心の中でもつぶやいていたことを猛省……。山崎さんのお話から、長引くコロナ禍で新しい生活様式を更新していくように、夫婦の関係も見直してバージョンアップが必要な時だと思いました。いい夫婦関係が築ければ、それは子どもにとっても幸せなことですよね。

次回は、コロナ禍をきっかけに、自分自身を見失いかけていたり、自分らしさを取り戻せずにいる人のために、“ひろっしゅコーチ”がこれからの時代に必要な力を教えてくれます。

【取材協力】

コミュニケーションコーチ:山崎洋実(やまさき ひろみ)※正しくは「崎」は「たつさき」

1971年生まれ。旅行代理店、大手英会話学校勤務を経て、コーチング講師に。2004年にママの特徴に合わせ、豊富な事例とともに体系的に伝える育児講座をスタートし、”ひろっしゅコーチ”の愛称と共に全国区の人気に。16年間のママ向け講座の集大成を収めたDVD「ひろっしゅコーチのママイキファイナル@大井町きゅりあん」が好評発売中。また、コロナ禍でもSNSやファンクラブの無料zoom通して、悩めるママと積極的に関わり情報を発信している。企業セミナー等で開催する講座『戦わないコミュニケーション』、著書『完全版 ママでいるのがつらくなったら読むマンガ』(主婦の友社)、『テレビ寺子屋』(テレビ静岡)等、幅広く活躍中。最新情報は、山崎洋実公式ブログ『ひろっしゅ流 戦わないコミュニケーション』にて。

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