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娘(中1)弁当のための朝5時起き。早起きが苦手な私が続けられているコツは…【お米農家のヨメごはん#54】

こんにちは。富山県の黒部市というところで、お米だけを作っている小さな小さな農家の濱田律子です。旦那とココ(娘・12歳)と3人で、地道に真面目にコツコツとお米を作りながら、仕事に子育てにドタバタもがきつつも楽しく暮らしている、そんな私たちの食卓周りの日常を、皆さんにお伝えする連載の54回目。

今回は、中学生になった娘に作る日々のお弁当と、田植え後のビニールハウス片付けについてお伝えしたいと思います。

早起きが苦手な私が、5時起き!すごい!すごすぎる!

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娘の中学進学と同時に、私も新しい生活が始まった。 毎朝5時前に起きて、お弁当なるものを作っている。

早起きしてお弁当作り!  私が想像していた良いお母さん像、そのままだ!!   実はこれまで、早起きが苦手というのを口実に朝はグウタラ三昧だった。旦那さんが起きて、それから娘が起きて、2人で朝ごはんを食べて、 娘が小学校に行くちょっと前にノソノソと布団から出てきてとりあえず、「行ってらっしゃい」と声をかけるのが精いっぱい。

そんな私が朝5時起き……すごい!  すごすぎる!   自分で書いていて自分のあまりの変貌ぶりに驚くが、実はあまり早起きに苦労はしていない。 コツという程のものではないが、どうやって無理なく起きているのかというと、早起きを自分との約束、そうとらえるようにした、だけ。つまり、単なる意識改革。

私は、他人との約束を絶対に守る・守りたい・守らないのが気持ち悪いと感じるタイプ。 約束の時間には正確、締め切り(例えばこの連載の原稿だって!)は厳守。 そんな私だから、早起きを自分との約束と考えたらすんなり早起きできるようになるかな? とふと思って、自分と約束してみただけ。 嘘みたいな話だけれど、これで早起きできてしまうのだから、自分でも驚く。

そんな風に朝は爽快に起きて、まずは目覚めのコーヒー(私よりもっと早起きの旦那さんがちゃんと豆からいれてくれている)を一口。 そうしてすぐに、お弁当作りに取りかかる。

まずは冷凍ご飯をレンジで温める。 炊飯器は一応あるにはあるけれど、タイマー付きではない上にほとんど使わない我が家では、 朝からご飯を炊くというのはハードルが高くて、 冷凍して小分けしておいたご飯を温めてお弁当箱に詰めている。

次にメインのおかずを用意。前の晩の残り物や冷凍食品も活用。お肉をジュッと炒めてお醤油とかケチャップとかソースで味付けするだけだ。 サッと焼けるウィンナーも手軽だしよく使う。

卵のおかずは彩りがいいので、卵焼きか茹で卵にして必ず用意。 副菜は緑や赤、紫を意識して、その時に冷蔵庫にある物でパパッと作る。

作って洗い物まで、なんだかんだと45分くらいかかってしまって、作り終える頃にはもう、一仕事を終えた感じだ。

お弁当箱に詰める前に十分に冷ます時間で、ゆっくりと新聞を読みながら朝ごはんをいただく。 お弁当作りのお供のラジオはそのままで。 出かける10分くらい前にお弁当箱に詰めて保冷剤と一緒に保冷バッグに入れて、 行ってらっしゃい!と見送り。

娘が出かけて、私も身だしなみを整えラジオ体操をして、簡単に家の掃除を終える地点で、まだ7時前。 ここからお昼ごはんの12時まで、しっかり仕事に専念できる。

以前はお昼ごはんの準備があるから11時を過ぎたら仕事を切り上げていたのに、 今はお弁当の残り物がほぼほぼそのまま、私たち夫婦のお昼ごはんになるので、お昼ごはんの準備がかなり楽になった。

お弁当作りは少し大変と思う時もあるけれど、お昼ごはん分と合わせて2食をまとめて用意していると思うと、そんなに苦にもならない。

何より、朝早くから夜遅くまで家にいない娘との、ほぼ唯一の関わり合いがこのお弁当になっているわけだから、せめてお弁当くらいはしっかり用意してあげたい。

娘のお弁当、定番スタイルはこんな感じ。

古代米入りのご飯に梅干し・メインのおかずは塩豚を焼いただけ・ふんわり甘い卵焼き、・コゴミ胡麻和え・人参ナムル。 彩りもばっちりだし栄養もよさそうな雰囲気。

私たち夫婦のお昼ごはんは、冷蔵庫に眠っていたおかずも並べて、お汁も一緒に出す。

アスパラやタケノコが豊富だった春先のお弁当はこんな感じ。 お弁当にも季節を詰め込んで。

卵焼きが面倒に感じるときは茹で卵に頼る。 お肉は炒めただけ、緑のお野菜は茹でてお醤油を少々。 コールスローは出来合いのもの。

お弁当のおかずを、そのまんま食卓に並べただけなのに、 しっかり満足度の高いお昼ごはん。私たちはいつも必ずお汁をそえるけれど、娘のお弁当にはないから、それがちょっと可哀そう。 寒い季節になったら、スープジャーに何か温かいものを持たせよう。

メインや副菜を考えて彩りも大事にしているけれど、 そういえばお弁当箱そのものも実は、お弁当作りの大事なポイントだと思う。 曲げわっぱ(恐らく、価格から考えて本物ではない……)に詰めれば、どんなおかずでも美味しそうに見えるから、愛用している。

お弁当箱もそうだけれど、お皿も同じ役割を果たす。 ただ並べるだけで、お料理を美味しく見せてくれる。

この先あとどれくらいお弁当を作る日々が続くのか。

娘は重たくてかさばるお弁当より、学食レストランを利用する事を望んでいる。 温かいご飯とお汁があって、学生が好きなメニューが用意されているようだ。 きっと、栄養バランスもしっかり考えられているのだろう。 私としても早起きしなくてもいいし、これからの時期は食中毒の心配もしなくていい。 お互いメリットしかないような気がする。

それでもやっぱりお弁当を作る事で、娘との繋がりを少しでも持ちたい。 し、私たちのお昼ごはんにもなるのだから、もう少しだけお弁当作りを頑張ってみようと思っている。

平日は言葉を交わす時間が限られているからこそ、見送りだけはしっかりと。 出かける娘に大きな声で、いってらっしゃい!と声をかける。 娘も必ず2階を見上げて手をふってくる。 さらに遠ざかる娘に向かって大きく手を振り返す私。

私、こういうキャラじゃなかったはずなんだけれど、今は頑張っている娘を応援する気持ちを込めて、見えなくなるまで手をふる。

いいお母さんでは決してないけれど、せめてこのコミュニケーションだけは大事にしたいと思う。

田植えの後の、あと片付け

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さて農作業の方は、本格的な雑草との戦いが始まる前に、田植え後の片付けをしている。

田植えで使った田植え機や苗箱を洗浄したり、こうしてビニールハウスを片付けたり。 地面に敷き詰めていたシートを取り払ったり、潅水ホースを除去したり。

ハウスは育苗以外では使用していない。 1年のうち、なんと10カ月以上も放置状態だ。もったいないから何か育てればとアドバイスいただく事もあるけれど、これ以上もう、働きたくないし働けない……(笑)。

ので、また来年の春までしばらくの間、さようならです!


濱田律子

愛知県生まれ、千葉(スイカの名産地・富里)育ち。大学卒業後カナダへ。バンクーバー、カムループス、バンフと移り住み、10年間現地の旅行会社で働く。カナダの永住権を取得したにもかかわらず、見ず知らずの富山県黒部市で農家に転身。米作りをしながら、旦那とココ(娘)と3人で日々の暮らしを楽しんでいます。

濱田ファームのHPはこちらから。

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