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大きく変わった学校も…コロナ禍2年目の「PTA活動」どうなった?小・中学生の父母に聞きました

昨年度は、新型コロナウイルスの影響により、ほとんどの小中学校で例年通りのPTA活動ができなかったと思います。コロナ禍2年目の今年度、皆さんの学校のPTA活動はどのように行われていますか?

今回は、小学生・中学生の子どもがいる207人の男女に今年のPTA活動の状況や、現状について思うことをお聞きしました。

現状への前向きな声、“非常時のやり方”が常態化することへの不安感など、さまざまな声が聞かれました。

昨年同様「対面会議」は削減…父母の反応は賛否両論

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今回のアンケートで多く集まったのが、「対面会議が削減された」という回答です。これについて肯定的に受け止める声があった一方で、実際に重役に就いている父母からは、正確な情報を届けるための苦労も聞かれました。

「会議や活動がかなり減った。無駄な会合が減ってよかった」(49歳・男性/その他)

「リアル会議が減った。時間が取られるので、会議が減るのはうれしい」(42歳・女性/主婦)

「ほとんどWebミーティングになったが、効率がよくない」(38歳・男性/営業・販売)

「リアル会議は減り書面審議が増えた。細かいニュアンスが伝わらなくて誤解が生じないか心配」(52歳・男性/その他)

「対面で話し合えずに、情報のやり取りが多くなり、頻繁に連絡を取り合いました。こういった時期に係になり、よかった面もありますが、苦労しているとも思います」(39歳・男性/コンピュータ関連技術職)

「連絡は専用メールもあるが、LINEが中心になりつつある、既読が付くので確認がしやすくなった。無駄な集まりが少なくなったので会社の仕事に影響が少なくなった」(45歳・男性/その他)

「総会」の書面決議化には「よかった」の声が多数

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例年5月頃に開催される、その年の活動方針を決めるための総会。当日は、本部、総務部、広報部など、多くの役員が駆り出されます。今年度は、総会資料を配布して“書面決議”となった学校が多かったようです。この変化について肯定的に受け止める保護者の声が目立ちました。

「総会などがほとんど中止になり、資料の配布のみになった。総会みたいに集まらなくても資料の配布だけで充分だと思った」(34歳・女性/総務・人事・事務)

「小学校内で、会長・副会長の話し合いはあったとは思いますが、他は全て紙面決議になった。それで済むのなら楽でいいと思うし、集会の場で発言しにくい事も、紙面なら自分の意見を伝えやすいのでいいのではないか」(38歳・女性/主婦)

「1カ月に一度行われていた委員会がLINEで済ますようになり、総会が紙面上で行われた。自分の担当は終わったが、簡略化できることはどんどん簡略化してほしい」(47歳・女性/主婦)

「原則1人1役」が「完全ボランティア制」になった学校も

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「1人の児童につき6年間で1回PTA役員を務める」という暗黙のルールが敷かれている学校は多いと思います。コロナ禍により活動内容が絞られ、都度ボランティアを募るようになった学校も見受けられました。

「PTAの活動がコロナ前に比べ少なくなり、ボランティア化されて役員の人数もかなり少なくなりました。PTA活動が苦手な人も参加できるようになり、子どもがどんな学校に行っているのか、学校の雰囲気が分かるようになって良かったと思っているママも多くなりました」(46歳・女性/主婦)

「今年はボランティア制度になり、やれる人がやれるときに協力するという形になりました。効率化されとても良いと思う。意外と『やります!』と言う人が多い」(48歳・女性/主婦)

「小学校の方は基本全校保護者、全員LINE登録をし、PTA本部からの連絡はLINEで届くようになった。PTAの役員が廃止され、スポットボランティアでの試用期間が始まった。今は母親も仕事をしている人が多いので、できる人、やりたい人がやりたい時に参加する形になるのはいいと思う」(49歳・女性/その他)

重役を務める本部の役員は以前と変わらず大変かもしれませんが、このような方法が定着し「できる人ができることを、楽しみながら」という雰囲気に切り替わるキッカケとなるといいですね。

業務が削減される一方で、あらたに浮上した問題も…

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今回のアンケートでは、PTA活動の業務量が減ったことに対して肯定的な声が多くありましたが、あらゆるイベントが中止となったことに対する不安の声もありました。

「学校に直接行くことがほとんどなくなった。学校行事もないので、関わり自体がない。会議などは無くても問題ないが、子どもたちを見てくれる先生との接点がなくなったことは、かなり大きな損失。学校に協力したい気持ちがあっても、関わりがないことで、どうしても印象が薄い1年になってしまい、振り返っても何をしたか思い出せない1年となってしまったので、何かしら学校との関わりはあった方がいいと感じている」(44歳・女性/公務員)

「PTAの役員は決めても、学校行事がなくなっているので、活動自体はほぼない。議決はメールであり、集まり自体がありません。面倒だけど、顔見て情報交換できる場が少なくなったことはちょっと残念」(49歳・女性/主婦)

学校に行く機会がなくなることで、「子どもたちがどのような雰囲気の中で学校生活を送っているのか」「学校が保護者のどんなサポートを必要としているのか」ということが見えてこないという不安も聞かれました。また、保護者同士の交流が途絶えてしまったことに対する不安の声もありました。

 

今回は、コロナ禍2年目のPTA活動事情について、保護者の声をお届けしました。

200人超の回答を熟読すると、学校・執行部の方針によって、運営方法の違いが生じているようです。以前は「例年通りにやるだけで、工夫の余地が少ない」などと言われていたPTA活動ですが、役員を担う保護者たちが工夫を凝らしながら活動を行っている様子が伝わってきました。

昨年から引き続き、今年度の役員も「本当に必要な活動とは何か?」について深く考える機会を得ているようです。

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