1:穏やかなママが理想だけど…「感情コントロールは難しい」
null感情の起伏が刺激される育児。特に”イライラ“のコントロールが難しいという声です。
「赤ちゃんはかわいいと思っていたが、赤ちゃんの頃は夜泣きが辛くて毎日イライラしてしまっていた」(37歳・デザイン関係/子8歳)
「怒らないでいようと思っていても、何かしらイライラさせる要因を持ってくる子ども」(39歳・総務・人事・事務/子11歳)
「感情的にならずきちんと諭すよう心がけていたが無理だった」(36歳・総務・人事・事務/子3歳)
子どもにイライラする自分にイライラ……という“無限不機嫌ループ”を経験した人も見受けられます。
2:「理想の育児メソッド」の実践は難しい
null“理想”や“正論”を語ることは簡単。でも現実は、マニュアルに書かれていないイレギュラーなことの連続です。
「子どもができたら『一緒にたくさん遊んであげよう』と思っていたが、現実ではずっと一緒にいると疲れるのでもっと一人になれる時間が欲しいと思ってしまう」(37歳・主婦/子8歳)
「子どもの意見や気持ちを尊重して、子育てをしようと思っていたが、現実は自分の意見を押し付けたり、言われた通りにしないと叱ってしまう自分がいる」(42歳・その他/子10歳)
「子どもの気持ちを受け止めてから注意をしたりするのを心がけてはいるが、あまりにも聞く耳を持たない時はすぐ注意をしてしまう」(33歳・その他/子2歳)
“イライラ”のケースと同様に、理想通りにふるまえない自分に対してネガティブな感情を示す声が目立ちます。
3:何をしたって子どもは「親の思い通りにはならない」
null小学生以上のお母さんからは、以下のような声が聞かれました。
「子育ては全てにおいて幸せ、子どもはどんな時もかわいい存在だと思っていた。が、実際は自分の思うようにいかないことがほとんど」(39歳・主婦/子8歳)
「思ってた以上にスムーズにことが進まない時間が多い」(38歳・主婦/子10歳)
「子どもといっても自分とは違う個なので、思い通りに行かないことばかりです」(43歳・主婦/子13歳)
子どもの自我が育まれ、親のコントロール下を飛び出していくことは、喜ばしい反面、親の怒りや不安の感情が刺激されることもあるようです。
4:気力・体力が消耗して「余裕のあるママ」ではいられない
null育児に気力や体力が要ると実感している女性の声です。
「子どもが家にいる間は休む暇がなくずっと世話をしているので疲れる」(38歳・公務員/子2歳)
「子育てはそんなに大変と思っていなかったが、ずっと子どもに振り回される生活になった」(47歳・主婦/子7歳)
「専業主婦だとしっかり子どもたちを見れると思っていましたが、意外と家事や雑務に追われて忙しくて、子どもに向き合う気力が残りません」(34歳・主婦/子7歳)
「子どもに合わせるということは自分の時間が全くなくなることだと思った」(26歳・その他/子3歳)
特に乳幼児期には絶え間なくケアや家事が続くことで、くつろぐ時間が激減する時期となるようです。
5:「なんとかなる」と思っていたけれど「ワンオペ育児」の現実はきつい
null夫や家族の協力が得られないと「きつい」という声もありました。
「ワンオペは嫌だけど、周囲の協力なくワンオペ状態」(39歳・その他/子9歳)
「楽しい面ばかり見えてたけど、生まれてからずっとワンオペだとやはりきつい」(39歳・その他/子3歳)
「自分の代わりに子どもをケアできる人がいない」というプレッシャーは、子育ての担い手に大きなプレッシャーを与えています。
6:楽しいことばかりではなく「泣きたくなること」だってある
null子どもの感情が豊かであるように、育児中の親も喜怒哀楽のグラデーションが鮮やかになるのではないでしょうか。
「子どもがいると毎日にぎやかで楽しそうと思っていた。もちろん楽しいことも多いが、イライラしたり泣きたくなることも多い」(39歳・主婦/子4歳)
「小さい子ども、特に新生児から3歳頃までは『かわいい、かわいい』と育てられると思っていて『穏やかな生活が送れて幸せだな~』とほのぼのできると思っていたのですが、実際は一番大変なときでした。自分に構ってられないし、声を出しすぎて喉痛くなるし、こっちが泣きたいよと思うことばかりでした(笑)」(35歳・総務・人事・事務/子11歳)
思い通りにいかない。クタクタに疲れた。自信をなくした。そんなとき、不意に”哀”
7:育児の現実に初めて直面した「ゼロ歳児の頃」
nullゼロ歳児特有のエピソードもありました。
「かわいいけど、授乳などで寝不足になり体がきつい」(31歳・総務・人事・事務/子0歳)
「最近はつかまり立ちを覚えて、いたずらばかりで子どもはかわいいだけじゃ育てられないんだなと感じた」(25歳・営業・販売/子0歳)
「出産して1カ月くらいは、夜中も突然死するのではないかと心配になったり、ゴミ捨てに行く30秒くらいの間にうつ伏せになって息ができなくなったらどうしようとか心配になってしまい、24時間気が休まらなかった」(44歳・その他/子10歳)
授乳やおむつ替えで常に気が休まらない時間が続くゼロ歳児。子どもが大きくなっても思い出す、幸せで、大変で、クタクタな時期です。
8:「子どものありのままを受け止める」なんて、きれいごとなのかもしれない
null育児には責任を伴うからこそ、難しいこともあります。
「子どもが生まれた時は健康だったらそれだけで良いと思っていたが、今は成績が悪い事に口うるさく怒ってしまう」(46歳・その他/子13歳)
「ずっとかわいいと思っていたが、たまに生意気なことをいうのでイラっとする」(43歳・その他/子7歳)
“子どものありのまま”をどこまで受け止めるのかを吟味することは、ある程度成長した子どもを持つ親に課せられた課題なのかもしれません。
9:雑誌のような「キレイな部屋」は一瞬で消える
null生活雑誌のような物が片付いた部屋を現実世界で実現することは至難の業。
「とにかく忙しく部屋が荒れる」(29歳・弁護士/子2歳)
「下の子が産まれて、部屋が片付いてないとイライラ」(39・主婦/子4歳)
朝掃除しても、夕方にはグチャグチャの部屋。掃除はとっても大変です。
クタクタの親にとって「理想の育児」よりも大切なこと
null今回、皆さんの回答の中には、育児を通じて自分の感情コントロール、疲れ、子どもとの向き合い方が「理想通りにはいかなかった」という声が多くありました。
以前、取材で話を聞いた児童精神科の先生が、こんな趣旨のことをいっていました。
「いろんな育児メソッドがあふれているけれど、できないことで自分を責めてしまう人もいる。日本のお母さんはとにかくがんばりすぎだから、“正しいこと”を実践するよりもまず、お母さん自身がリフレッシュをして、コンディションを整えることが大切」
子どもの命を守り、教育の機会を与え、感情の変化に寄り添い、食事を与え、友達関係に気を配り……と、毎日フル稼働が続くと、父・母関係なく、クタクタになってしまいます。だから“休むこと”は、巡り巡って子どものためになることもあるそう。
最後にこんな声も紹介します。
「大変だと思ったけど、ただ助けられている気がする」(41歳・主婦/子9歳)
「子どもを育てる側だと思っていたが、子どもから教わることが多い」(32歳・主婦/子12歳)
大変な日常の中で、こんなふうに思わぬ形で返ってくる“利子”もあるようです。