感動、興奮そして落涙…感情を揺さぶる『アオアシ』
null休校期間中に、小4&小6の子どもたちはじっくりとマンガを読む機会がずいぶん増えました。
「読んだマンガをちゃんと片づけて!」という怒りに満ちた言葉を、この2カ月で何度口にしたことか……。
本棚に並ぶマンガの中でも彼らが繰り返し読み返しているのが『アオアシ』。毎回発売日をチェックして、当日に購入するほどハマっています。
自宅で過ごす時間が増えているこの機会に彼らの気持ちを理解してみようと読んでみたのですが、感動と興奮と落涙の繰り返しで、2日で20巻(現在も『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載継続中)を一気読みしてしまいました。
スポーツマンガの知識が、1990年代に人気を博した『スラムダンク』で時代が止まっていた私は、読み終えた巻を片づけるのも忘れてしまうほど物語のトリコに……。
サッカーのルールに疎くても、読んでいるとなんだかワクワクが止まらないのです!
「ビジネスにも役立つ金言が満載」との評判も…
null『アオアシ』の主人公は青井葦人(あおい・あしと)。和気あいあいとした環境で仲間とサッカーを楽しんでいた愛媛の中学校時代にプロクラブのユースチームである「Jユース」のセレクションに挑むところから始まります。
中学時代には野心と負けん気全開のエゴイスティックなプレーをしていても、秀でた得点能力でチームメイトから受け入れられてきました。ところが、当然ながらトップレベルの選手が集うチームでは、これまでのプレースタイルは通用しません。
様々な壁にぶち当たりながらもサッカーのプレーや人間関係からいろんなことを吸収していく葦人の成長の過程を見ていると、イスから立ち上がって大声で応援したくなるほど。
3男児の母である私は、15歳の葦人を愛媛から東京に送り出すか迷うお母さんにも感情移入して、親子のシーンでは思わず涙腺が緩んでしまいます。
そして、多様な背景を持つチームメイトや、確固たる指導理念を持つユースチームの監督のキャラクターが本当に魅力的。
『アオアシ』は、ビジネスパーソンからの人気も高く、「ビジネスにも役立つ金言が満載」とも言われています。監督やコーチ陣による「ヒントを与え、自分で考えさせ体得させる」「自分の能力より少しだけ超えたミッションを与える」といったコーチング方法は人材育成や育児に通ずるものがあります。
読むとサッカーをしたくなるけれど…
null長男は『アオアシ』を読むと、無性にサッカーをしたくなるようですが、今は我慢のとき。室内で“お手玉リフティング”をしたり、ひいきのチームの過去の試合を見たり、サッカー雑誌を読み漁ったりして、少しずつフラストレーションを発散させています。
親密なチームメイトたちと緊密に連携して緻密な作戦を実行できる“3密な日”が訪れるのを心待ちにしながら、息子たちは今日も『アオアシ』を読み返してサッカー愛を温めているようです。