プロテインやサプリとギョニソの違い
nullギョニソはタンパク質が多く、魚由来フィッシュオイルのDHA・EPAを多く含むものも登場しています。一方昨今の筋トレブームで、タンパク質を摂取するためにプロテイン飲料やサプリを取り入れている人もたくさんいます。
実際のところプロテインやサプリとギョニソ、“タンパク質やDHA・EPAを補うアイテム”としてはどのような違いがあるのでしょうか?
「サプリやプロテインは単一のタンパク質でできている場合がほとんどです。 たとえば粉末のホエイプロテインは牛乳の中のホエイを加工精製したものです。
しかし、ギョニソは魚のすり身で、使われている魚の種類も複数。魚という生き物そのものが使われていて、含まれるタンパク質なども多様です。人間は様々な栄養素が含まれる野菜や肉、魚などの食品を食べて消化し自分の体を作るようにできています。魚の身には毛細血管や神経、コラーゲンなども含まれていますが、それらすべてがすり身にされ製品になっています」(以下「」内、大和田先生)
例えば、大和田先生オススメの『マルハニチロ』の「リサーラ」の場合は、タチウオ、スケソウダラ、エソ、ママカリなどを中心とした、白身魚のすり身を使用して作られています。
「魚の脂にはDHA・EPA以外にも様々な油脂が含まれています。通常の練り物は臭いや味を整えるために魚肉を晒(さら)しますが、その時にフィッシュオイルが抜けてしまいます。そこで『リサーラ』は精製したフィッシュオイルのDHA・EPAを加工時に追加して練り合わせて作られます。
DHA・EPAをサプリにするためには、その成分を高度に精製しカプセルなどに加工、流通できるようにする工程でコストがかかります。その点、ギョニソは“食品”です。規定量のDHA・EPAを含むフィッシュオイルを魚肉で練り込んで安定化させて作ることが可能に。
フィッシュオイルの含有量が多いのにもかかわらず価格が安定しているのは“食品”である優位性だと考えています。安くてもしっかりした量のDHA・EPAを摂取できる優れた食品です」
含まれるタンパク質の多様性、栄養吸収、そして価格の面からも“食品”であるギョニソには有利な点が多そうです。
肉食になりがちな食生活にギョニソを!
null健康のためにも“魚を食事に取り入れるべき”ということは分かっているものの、手間がかかるため肉食中心になりがちな方も少なくないはず。
ギョニソはそんな方の味方になる食材だと、大和田先生は言います。
「ギョニソは忙しい人たちに特にオススメです。最近は共働きの方も多いので、調理に時間をかけられない方も少なくありません。
ギョニソは手間をかけずに、魚を食生活に取り込める便利な食材です」
加工肉やソーセージなどをよく使う方は、それをギョニソに置き換えるのも良いとのこと。
「ギョニソはソーセージより低脂質、低カロリーですし、添加物も少ないです。また、硬いお肉の塊よりも消化が良いため、お年寄りにも良いでしょう。嚥下機能が低下している場合は細かく刻んだりして、のどにつまらないように食べやすい形にする注意が必要です」
ギョニソの選び方
null最近ではさまざまなギョニソが店頭に並んでいますが、選ぶ時の注意点などあるのでしょうか?
「ギョニソは“DHAやEPAを強化”していることが記されたものを選ぶといいでしょう。そのような商品は、ギョニソの中ではわずかに価格が高くなりますが、それは高品質な原材料を反映した結果なので、価格以上の価値があると思っています。
ギョニソには保存料や合成着色料などの添加物が使用されているものもあります。合成着色料ではなく、植物由来の色素であるクチナシなど使用した商品を選ぶと良いでしょう」
添加物が少ないことで、妊婦さんや子どもも安心して食べられますね。
【レシピ】ギョニソでパスタ!
nullソーセージの代用品として調理ができるギョニソ。お子様にも人気のナポリタン風のパスタをギョニソで作るレシピを、大和田先生がご紹介。
【材料】(1人分)
- 魚肉ソーセージ(「リサーラ」) 1本
- バター 大さじ1/2
- パスタ 70g
- キャベツ 2枚
- トマトケチャップ 大さじ1・1/2
- 塩・こしょう 各少々
- 粉チーズ 適宜
【作り方】
(1)魚肉ソーセージは輪切りにし、キャベツは一口大に切っておきます。
(2)鍋にたっぷりの湯に大さじ1(記載外)の塩を加えて沸騰させ、パスタを茹で、残り1分になったらキャベツも加え、一緒に取り出します。
(3)フライパンにバターを溶かし、魚肉ソーセージを炒め、ケチャップを加え、(2)のパスタとキャベツも入れて混ぜ合わせます。お好みで塩、こしょうをどうぞ。
約15分で完成!
キャベツをパスタと一緒に茹でられるので、短時間で完成!
「お好みで粉チーズなどの追加も良いでしょう。サラダ感覚のパスタなのでマヨネーズも合います。このようにナポリタン風にしたら、いつものギョニソの味もケチャップで美味しく変身するでしょう? 魚介類が苦手なお子様などでも美味しくいただける味わいだと思います。野菜もしっかり食べられますし。
今回はキャベツでしたが、冷蔵庫に余っている野菜や時節で手軽に利用しやすい野菜を使って炒めものでも良いと思います。ギョニソは野菜が余っているときの強い味方になってくれるでしょう」
筆者が実食したところ、甘みのあるケチャップ味にキャベツのシャキシャキ感、ゴロゴロして食べ応えのあるギョニソが加わって、飽きのこないパスタでした。プライベートで大和田先生も時々作っているそう。
ギョニソは短時間調理に向いているので、ササっと一品追加するときにもピッタリ。海産物の魚肉から作られソーセージの形をしているギョニソは、普段の食材との置き換えも簡単。
いつもの料理、いつもの食生活に取り入れることで、美味しく健康的な暮らしをサポートしてくれます。 日常にギョニソを取り入れて、健康に暮らしていきたいものですね。
※レシピはマルハニチロのHP参照
大和田潔(おおわだ・きよし)
1965年、世田谷区生まれ葛飾区育ち。東京都立両国高等学校卒業。
福島県立医大卒。東京医科歯科大学(現 東京科学大学)脳神経内科へ。厚生労働省の日本の医療システム研究に参加し救急病院や在宅診療を経て、東京医科歯科大学大学院にて基礎医学研究で医学博士。医療法人社団碧桜・あきはばら駅クリニック院長、東京医科歯科大学臨床教授
日本臨床栄養協会理事、総合内科専門医、米国内科学会会員、脳神経内科専門医、頭痛専門医。
医療アドバイザーとしてのメディアでの解説には定評があり、ニュース番組の解説、クイズ番組の監修などテレビやラジオへの出演のほか、雑誌等の取材記事も多数。管理栄養士の卒後研修にも携わる。国連「日本の食文化」と健康支部会員。日本の魚食や海苔(のり)などの再発見と普及を応援している。
秋田生まれ。高校卒業後ドイツの大学の舞踊科へ。以後、海外を10年以上放浪し、現在は東京在住。ライターの他、ヨガインストラクターや振付家などもしている。