隠れ老眼は30代以上の約3割!?
null「もしかして老眼かな……?」と思ったことはありますか?
そもそも“老”眼と呼ばれているくらいだから、自分にはまだまだ先のこと……と思ってしまうものです。
しかし、「眼鏡市場」を経営する株式会社メガネトップが実施した調査(※)の結果によると、老眼の自覚がない人の中でも、実は老眼の初期症状が現れている「隠れ老眼」は、30代以上に約3割も潜んでいるという結果に。
この結果をうけて、「眼科かじわらアイ・ケア・クリニック」の院長であり、登録者数27.9万人に上るYouTubeチャンネル「100年生きる!眼科チャンネル」にて目の健康などについて発信している梶原一人(かじわらかずと)医師に、老眼対策や放置することのリスクなどについて解説していただきました。
※調査概要「目の見え方に関するアンケート調査」/調査期間:2024年5月23日〜24日/調査方法:WEBモニターによるインターネット調査/調査対象者:全国の20〜55歳の男女(600名)

あなたも隠れ老眼かも!2つの老眼チェック
null30代以上の約3割が“隠れ老眼”ということは、「自分は大丈夫」と思っていても、知らないうちに老眼が進んでいることがあるのかも知れませんね。
以下、2つの方法で老眼の可能性をチェックしてみましょう。

目の前に人差し指を。
(1)目の前に人差し指を出して、指紋を見ます。目に近い位置から、指をだんだん離していって、指紋がはっきり見える距離はどこかをチェック。
目から30cm以上離れていたら老眼の可能性! 老眼対策を始めた方が良いでしょう。

スマホ使用が増えたことで、今まで以上に目は疲れやすくなっています。
(2)日常生活において、以下の症状を感じたことがありますか?
- 小さい文字を読む際に、文字がぼやける
- 見えにくい物を見るために手もとから離したり近づけたりすることがある
- タ方や照明が暗い場所だと、物が見えにくくなる
- スマホや携帯の文字を打ち間違える
- 遠くと近くで視線を変えたとき、ピントが合うまでに時間がかかる
- 読書やスマホの使用後に目が疲れる
上記の6つの質問で、何かしら当てはまる項目がある方は、老眼の可能性があります。
老眼になりやすいのはどんな人?
nullよく、「目が良い人は老眼になりやすい」なんて聞きますが、本当なのでしょうか? どんな人が老眼になりやすいのか、梶原先生に伺いました。
「老眼は“こんな人がなりやすい”ということはありません。老化現象ですので、皆に訪れます。
ただ、もともと遠視気味の人は早く老眼を感じやすいということは言えます。そして、近視の人は老眼を感じるのが遅い場合が多いです」(以下「」内、梶原先生)
老眼は、加齢に伴って水晶体の弾力性が弱まり、ピントを合わせる調節力が低下し、近くのものが見えにくくなることを言います。
遠視の人は、もともと遠くにピントが合いやすく、近くにピントが合わせにくいため、老眼の症状をより早く自覚することが多いのだとか。
隠れ老眼、放っておくリスクとは
null老眼は病気ではなく老化現象ならば「放っておいても別にいいのでは……?」と思う方もいるでしょう。しかし、放置することのリスクもあります。
「老眼は、目の筋肉が頑張らないと近くにピントが合わないという状態です。仕事やスマホなど、日常生活で近くを見ている場面は多いので、目の筋肉が疲れます。
疲れているのに無理をして近くを見るため、目つきが悪くなったり、前のめりになって見ることによる姿勢の悪化が、肩こりや頭痛の原因となったり、体に悪影響を及ぼす可能性があります」
老眼の症状を感じたら無理はせず、早めに対策をした方が良いのですね。

老眼の対策とは?老眼を防ぐ方法はある?
null老眼にならないに越したことはありません。何か老眼を防ぐ方法はないのか?と思うものですが……。
「老眼は防ぎようがないので、諦めてメガネに早く慣れることを考えましょう。
見えにくいのを無理するよりも、遠近両用メガネなどを購入して目に優しくすることが大切です」
たとえば読書をする際に見づらいと感じるなら、遠近両用メガネを使い、目の負担をなくすこと。とにかく目を労るのがオススメなのだそう。
遠近両用メガネはクラクラしないものもある!
null遠近両用メガネのユーザーによくあるお悩みとして、「度数の変化に慣れにくい」ということがあります。
まだ遠近両用メガネを使用したことのない筆者には、どのようなことなのか想像がつきにくいものです……。

そこで「眼鏡市場」の度数の差が弱いレンズ、
まずは遠近の差が強いレンズを入れた、老眼が進行した状態を体験できるメガネを着用したところ……、
まわりを見渡すだけで、ものすごく視界がグラグラしました。着けていると酔ってしまいそうなので早々に外しました。これが「度数の変化に慣れにくい」ということなのですね。
続いて、上下の度数差の小さいレンズを着用し、初期の老眼で老眼鏡をかけた状態を体験。すると……、
これは驚き!とても快適にものが見られました! 遠用と近用の度数の違いをほとんど感じませんでした。
このように、老眼が進み度数の差が大きくなるほどに、度数の変化によって視界が歪んだりするのですね。老眼鏡の必要性を感じました。
「眼鏡市場」が開発したオーダーメイド設計の遠近両用レンズ「新ストレスフリー遠近」は、視野を広く歪みを少なくし、遠近両用の度数の差によるストレスを緩和したそうです。これから初めて遠近両用を購入される方は「新ストレスフリー遠近」を検討してみるのもよさそうですね。
※上下の度数差の大きいレンズ:老眼が進んで、老眼の度数が強くなった状態 / 上下の度数差の小さいレンズ:老眼初期の段階で遠近両用メガネをかけ始めた状態
老眼かな…と思いきや、他の病気が隠れていることも
null老眼かな……と目の不調を感じたら、放置しない方が良いのにはもうひとつの理由があります。それは、老眼ではない他の病気が隠れている場合があるからです。
「老眼ではなく、白内障や緑内障が隠れている場合もあります。
特に緑内障は年配の方の病気と思われがちですが、20代でもなり得るのです。自覚症状に欠けるので、発見が遅れがちになる場合があります」
緑内障は日本人の失明原因の第一位で、20人に1人が緑内障にかかっていて気づいていません。早期発見が大切です。
老眼だから仕方がないと目の不調を我慢して重大な病気を見逃してしまうことがないように、目に違和感があったら眼科を受診するなど、早めに対策をしましょう。遠近両用メガネも、必要に応じて使えば目を労わることになりますよ。

梶原一人医師。
【教えてくれた人】
梶原一人(かじわらかずと)医師
「眼科かじわらアイ・ケア・クリニック」院長。1959年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、臨床眼科学を学び眼科医に。現場で治せない多くの病気に直面し「根本的な治療法を考えたい」と1990年にハーバード大学に研究員として留学。在職中に世界で最も権威のある科学雑誌『ネイチャー』『サイエンス』に論文を発表。自身のYouTubeチャンネル「100年生きる!眼科チャンネル」は、登録者数27.9万人に上る。4月に監修した目のためのサプリメント『WIN VISION Premium』が発売に。

秋田生まれ。高校卒業後ドイツの大学の舞踊科へ。以後、海外を10年以上放浪し、現在は東京在住。ライターの他、ヨガインストラクターや振付家などもしている。