栄養成分表示の読み方のキホン
nullこんにちは、管理栄養士の宮崎 奈津季です。加工食品などに必ず書かれている「栄養成分表示」。外食のメニューやホームページでもチェックできることが増えました。どうやって読めばよいか、自分にとって重要な数値は何かについて知っておきましょう。
まずは表示の「単位」を確認
食品の栄養成分表示で最初に確認してもらいたいのが、表示の「単位」です。使用されている単位は次のようなものです。
・100gあたり
・100mlあたり
・1食あたり
・1個あたり
などなど。ただし、単位を1食分とする場合はその量をあわせて記載しており、1食分の量は事業者が決めた量として記載されています。どの数値が使用されているかは商品によって異なります。
内容量が100g以下でも、100gあたりで表示されることもあります。食べる量で計算をして確認する必要がある可能性もあるので、注意しましょう。
必ず書かれている成分
食品表示法により、栄養成分表示の中で必ず表示しなければならないものが、
・熱量(エネルギー)
・たんぱく質
・脂質
・炭水化物
・食塩相当量
の5項目。この順番で表示することが決まっています。この5項目は、私たちが生きる上で欠かすことができない栄養素でありながら、生活習慣病とも深く関与している重要な栄養素です。
そのほかに表示されていることが多い成分
表示が推奨されている栄養成分としては、「飽和脂肪酸」と「食物繊維」があります。この2つの栄養素は、日本人の摂取状況や生活習慣病との関連から表示することが推奨されている項目で、日本人の食事摂取基準2020年版でも目標量が設定されています。
飽和脂肪酸は過剰摂取により肥満や高LDLコレステロール血症のリスクがあり、食物繊維は摂取することでさまざまな生活習慣病の発症予防に期待できるのではないかといわれています。『kufura』世代の方もぜひチェックを。
それ以外で表示が任意とされている成分は、ミネラル(亜鉛やカルシウムなど)、ビタミン(ビタミンAやビタミンCなど)、n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸、糖質および糖類などがあります。
栄養成分表示の活用方法
null【1】2つの食品で迷ったときに見比べる
商品によって、似たような商品でも含まれている栄養素が異なります。どちらを購入するか悩んだ場合の一つの選び方として、栄養成分表示を比較するのもよいでしょう。自分が気になっている栄養素をチェックして、望ましいものを選ぶために活用してみてください。
その際に注意してほしいのが、表示の単位が揃っているかどうかです。
例えばAの商品は表示単位が「100gあたり」、Bの商品は「1食(80g)あたり」となっている場合だと、単位の量が異なるのでどちらかにそろえてから比較しないといけません。見比べる際は、必ず確認してみてくださいね。
健康のために「増やしたい?減らしたい?」
自分の体の状態をどうしていきたいかをもとに、どの栄養素を増やしたいのかもしくは減らしたいのかを考えます。それをもとに栄養成分表示をチェックして、食品を選びましょう。
例えば肥満が気になる方の場合、やはりエネルギー(カロリー)の摂取量と消費量のバランスがとれているかどうかがポイントになります。体重を減らしたい場合は消費量を増やすか、摂取量を減らす必要があるため、普段食べているエネルギー量をチェックして、よりよい方向になるよう食品を選択できるとよいです。
炭水化物、脂質、たんぱく質の量のバランスについてはこちらの記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
また、日本人は食物繊維の摂取が少ないことが分かっており、生活習慣病予防の観点からも食物繊維は摂取量を増やしていきたいものです。食物繊維の量が多いものをなるべく選ぶようにするために栄養成分表示を確認してみてくださいね。
数値を見慣れてくると、エネルギー以外にも「脂質が多すぎない?」「この食品はたんぱく質が意外と多いな」など、判断する材料が増えてきます。ぜひお買い物の際には栄養成分表示をチェックする習慣をつけてみましょう。
【参考文献】
・消費者庁「栄養成分表示について」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/(閲覧日:2024年4月19日)
・東京都保健医療局 食品衛生の窓「栄養成分表示」
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/shokuhyouhou_eiyou.html(閲覧日:2024年4月19日)
・厚生労働省「『日本人の食事摂取基準(2020年版)』策定検討会報告書」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html(閲覧日:2024年4月19日)
管理栄養士・薬膳コーディネーター。介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、フリーランスの管理栄養士に。料理動画撮影やレシピ開発、商品開発、ダイエットアプリの監修、栄養価計算などの経験あり。 現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。
X:https://twitter.com/NatsukiMiyazak1
※「崎」は正式には立つ崎(たつさき)です