子育て世代の「暮らしのくふう」を支えるWEBメディア

自分に合った寝具を選んでる?値段と質は比例する、まずはオーダー枕に挑戦してみた

質の高い睡眠のために、寝具にこだわる人が増えています。しかし寝具は価格よりも、自分に合ったものを使うことが重要。また購入時は自分にぴったりのモノを選んでも、寝具の劣化や体型の変化によって徐々に合わなくなっていることも少なくないようです。
そこで自分の体にぴったり合う寝具の選び方について、老舗寝具メーカー「nishikawa」のスリープマスター森優奈さんにお話を伺いました。さらに今回は寝具の中でも耐用年数が短い枕を、筆者自らオーダー! その様子もレポートします。

値段と質は比例する?寝具を選ぶ際に重要なこと

null

今回kufuraでは、20~60代男女を対象に「枕」と「布団」の買い替えのタイミングを調査しています。そこでは耐用年数を過ぎている寝具を使用している人が多いことが判明していますが、そのことでどういった影響があるのでしょうか。

「自分の体に合った寝具を使うことで質の高い睡眠につながります。耐用年数を過ぎた寝具を使い続けていると自分の体に合わなくなり、寝ている7時間くらいずっと腰とか肩に負担がかかってるような状態となる。そうなると肩こりや腰痛の一因となってしまいます」(以下「」内、森さん)

とはいえ良いものにこだわれば、かなりの値段のものも少なくありません。そこで節約のためにリーズナブルな寝具を使うという手もありますが、寝具の値段を質はやはり比例するものなのでしょうか。

「寝具の値段を質は比較的比例しやすいですが、安いものがすべてダメなわけではありません。選ぶ際は値段で判断するのではなく、寝具の手触りや厚み、さらに寝試しができるのなら寝心地もチェックしてから購入してほしいですね」

つまりリーズナブルでも自分の体に合っていて、寝心地がよい寝具があれば購入するのもアリかもしれません。

「日本橋西川」の店舗は寝試しができるベッドや枕が豊富です!

だからこそ寝具を購入する際は、実際にお店へ行って自分で寝心地や触り心地をチェックすることが重要となります。

「ネット通販で寝具を購入する人も多いかもしれませんが、やはり実際に寝心地や触り心地をチェックできないと、自分に合った寝具を選ぶのは難しいです。また店舗で購入するにしても寝具専門メーカー以外ですと、実際に試せる寝具の種類が少ないことも多いですよね。その点当店のような寝具の専門メーカーの場合は、お客様にピッタリ合った寝具についてのアドバイスができるスタッフがいるのも強みといえます」

森さんによると、寝具を試す際に重要となるのは自分の体に合っていることだそう。もちろん1日眠ってみての体感を店頭で知ることは難しいですが、ファーストインプレッションでの感覚も大切なポイントになります。

「日本橋西川」のオーダーメイド枕を筆者が体験!

null
9種類の素材は実際に手で触れます。

そこで今回kufuraスタッフは、実際に「日本橋西川」のお店でオーダーメイドの枕を作ってみることに。ちなみに枕の耐用年数の目安はわずか23年。とはいえ価格はマットレスや掛け布団と比べると比較的リーズナブルだし、ゴミを捨てる際も比較的手間がかかりません。最初に買い替えるのにはちょうどいい選択といえます。

今回のオーダーではまず、枕に詰める素材を選びました。西川のオーダーメイド枕では「(1)エンジェルフロート」「(2)粒わた」「(3)パフ」「(4)エラストマー銅パイプ」「(5)ミニ備長炭パイプ」「(6)そば殻タッチパイプ(お茶入り)」「(7)整圧」「(8)羽毛&つぶ綿」「(9)ぷるふわタッチウレタン」の9種類を用意。(1)~(6)の素材は(1)のエンジェルフロートが一番柔らかく、番号が上がっていくごとに硬い素材となっていました。(7)~(9)はプレミアム素材で価格が変わります(※)。

「まずは実際に素材に触っていただき、自分好みのものを選んでみてください。その際は今ご自身が使っている枕の固さを基準になってくるので、普段固めの枕だったら固い素材、柔らかめだったら柔らかめの素材を選ぶのがおすすめです」

日本橋西川で一番人気なのは一番柔らかいエンジェルフロート。続いて一番固いぷるふわタッチウレタン、パフ、整圧となっているそうで、全体的には柔らかめが好みの人が多いそう。好みには流行はなく、長年同じ傾向だそうです。ちなみに筆者は「(8)羽毛&つぶ綿」を選びました。

続いて行うのは体のラインの測定です。頭の形や首のカーブを計測するための測定器を実際に押し当てることで、首のカーブの特性が分かります。

「枕を選ぶ際に重要なのは、自分の体に合った高さのものを使うこと。寝ている長時間ずっと触れてるものなので、合わない高さのまま支えている状況だと、肩こりや頭痛の原因になることもあります」

※(1)~(6)は3万3,000円、(7)~(9)は4万4,000円(いずれも税込)。

頭の形や首のカーブを計測する専用測定器。

理想的な高さとは?枕は頭をのせるものではなく、首を支えるもの

null

素材が決まり、頭の形と首のカーブの測定が終わったら、次は実際に寝て高さを調整してもらいます。人の首部分の頸椎はゆるやかなS字型を描いており、眠っている時もそのS字型をキープできることが質の高い眠りにつながるそうです。

「オーダー枕ではS字型をキープできる理想的な高さを、1センチ単位で調整することができます。測定の結果、ベースの高さとしては低めがおすすめ。高さがありすぎると、顎がひけている状態となってしまって筋肉に負担がかかり、いびきや肩こりの原因になる恐れがあります」

ここで注意したいのが枕を使う際の正しい位置。今回初めて知ったのですが頭の下ではなく、首をしっかり覆って肩が当たるところが正解だそうです。筆者が普段使っている際の位置よりもだいぶ下でした。

「枕は頭をのせるものではなく、首をしっかり支えるものです。首すじのすき間を埋めることで寝姿勢を安定させ、心地よい眠りにつながります。理想は枕によって後頭部と首、肩の三点で力を分散させることで、首に負担をかけないバランスをつくることですね」

スリープマスターの方が1センチ単位で調整してくれました。

プロの手で、高さなどを調整

null

オーダー枕では枕の上部と下部にそれぞれ7つのポケットがあり、人それぞれの頭や首周りの形によって、理想的な高さを調整することができます。仰向けで最適な高さはもちろんのこと、横向きでの高さも重要だそう。スムーズに寝返りがうてるようにしっかり調整してくれました。

測定結果をもとに高さの微調整を行います。

そしてついにオーダー枕が完成! オーダーから完成までは30分~40分ほどなので、当日持ち帰ることができます。もちろん素材選びにじっくり時間をかけたり、睡眠についての相談も可能なので、1時間くらいかかる人も多いといいます。

とはいえ枕の理想的な高さはマットレスや体型などが変わると、変化することも多いそう。枕を使い続けているうちに普段しない寝姿勢をしはじめると枕が合わなくなってきたサインなので、その際は高さの再調整を無料で対応してくれるそうです。

オーダー枕を頼むときは予約がおすすめ。写真は日本橋西川の店舗。

長い人生、毎日7時間近く睡眠をとっているのにもかかわらず、理想的な寝具についてまだまだ知らないことがたくさんありました。質の高い睡眠は日々の健康にも直結するので、やはり寝具にはこだわりたい。まずは正しい寝具に関する知識を知って、現在使っている寝具を早急に見直してみようと思います。とりあえず枕は自分の理想となるものを手に入れたので、今日からぐっすり眠れそうです。

【取材協力】
nishikawa

pin はてなブックマーク facebook Twitter LINE
大特集・連載
大特集・連載