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枕、マットレス、布団の寿命はいつ?意外と知らない「寝具」の正しい買い替えタイミング

暖かくなり、寝具も季節に合わせて入れ替えをおこなう時期です。このタイミングだからこそ気になるのが、普段何気なく使っている枕や布団、ベッドパットの寿命。気が付くと長年使い続けてしまいがちですが、どんなタイミングで買い替えるべきか、皆さんはご存じでしょうか?
そこで今回はスリープマスターとしてより良い睡眠に関するアドバイスを行う、創業1566年の老舗寝具メーカー「nishikawa」の森優奈さんにお話を伺いました。

多くの人は10年以上寝具を買い替えていない

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今回kufuraでは500人の男女を対象に、「枕」と「布団」の買い替えのタイミングを調査しています。結果は以下の通りとなりました。

Q.枕は使い始めてからどのくらいのタイミングで買い替えていますか?

1年以内…15人(3.0%)

2年…36人(7.2%)

3年~5年…125人(25.0%)

6年~9年…68人(13.6%)

10年以上…133人(26.6%)

買い替えたことがない…87人(17.4%)

その他…36人(7.2%) 

Q布団は使い始めてからどのくらいのタイミングで買い替えていますか?

1年以内…7人(1.4%)

2年…14人(2.8%)

3年~5年…88人(17.6%)

6年~9年…65人(13.0%)

10年以上…184人(36.8%)

買い替えたことがない…106人(21.2%)

その他…36人(7.2%)

ボリュームゾーンは枕が「3年~5年」と「10年以上」。布団も「10年以上」となっており、多くの人が長い年月使い続けていることが分かりました。この結果をみると、寝具の買い替え時を意識して使用している人は少ないようです。

日本橋西川の店舗内は多様な寝具が陳列されています。

寝具の買い替えのサインは年数ではなく「へたり具合」

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今回お話を伺ったnishikawaのスリープマスター・森優奈さん。

では実際、枕と布団はどのくらいが買い替え時なのでしょうか?

「買い替え時はどんな寝具を使っているかはもちろん、使っている人の体型によって異なります。そういったことを踏まえてのおおよその寝具の寿命は、枕はだいたい23年、掛け布団は長くて10年、マットレスは78年くらいが目安。ただ体重が重い人は寝具に負荷がかかるのでへたりも早くなりますし、湿気が多いとか寝室環境があまり良くない部屋だと、その分寝具の寿命も短くなりますよね。買い替えの目安は年数ではなく、あくまでも寝具の状況によって判断してください」(以下「」内、森さん)

森さんによると、寝具ごとの買い替え時は以下のサインが目安になります。

枕(買い替え目安 23年)

  • 朝起きたときに肩が凝る
  • 中身がへたり、枕の高さが低くなる
  • 枕の素材が固くなる
  • 枕の購入後に体型や姿勢が変化している
  • 臭いが気になる

ベッドパッド(買い替え目安 23年)

  • 毛玉がつく
  • 四隅のゴムが伸びる
  • 肌触りが悪くなる

マットレス(買い替え目安 78年)

  • 真横から触ってみたときに真ん中(腰の部分)がへこんでいる

羽毛布団(買い替え目安 10年)

  • 羽毛のボリュームがなくなっている
  • 布団をかけているのに寒いと感じる
  • カバーを外すと羽毛が付着している
  • 布団の側が痛んでいる
  • 汗や皮脂で汚れてしまっている
  • 臭いが気になる

ちなみに羽毛布団は打ち直しやリフォームも可能。マットレスも真ん中がへこんでも天地をひっくり返すことで、耐用年数は少し長くなるそうです。

柔軟剤はNG?寝具を洗う際の意外な落とし穴

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寝具を長く使っていると、“汚れ”も気になってきます。より長く使うためには、つねに清潔な寝具をキープしたいもの。大型のコインランドリーではふとん丸洗いができる洗濯機も増えていますが、素材によっては洗濯不可のものもあるので注意が必要です。

「洗濯できない寝具を無理に洗ってしまうと、傷んでしまってより耐用年数が短くなる可能性があります。まずは洗濯表示をよく確認してください。ただ寝具の寿命は汚れよりも、へたり具合の影響がメインとなります」

一方、家庭で毛布やタオルケットを洗う場合、注意するべきは柔軟剤の使い方だといいます。

「使い始めのタオルやタオルケットは柔軟剤を使用せず、固くなったら数回に1度使用するのがおすすめ。使い始めに柔軟剤を使用すると、タオル地のパイルが抜けやすくなったり、羽毛が出やすくなるんです。逆に毛布類、特に化繊のものは柔軟剤を使用することで冬場の静電気を防止する効果があります。ただしこちらも使いすぎると水分になじみにくくなり、風合いや手触りがかわってしまうことがあるので注意が必要です」

ところで寝具の汚れといえば子育て世代はおねしょ、またノロウイルスなどによる突然の嘔吐のリスクもあります。もし洗濯不可の寝具だった場合、どのように対応すればいいのでしょうか?

「洗濯ができない寝具でそのような状態になってしまった際、傷んでしまうリスクを承知で洗ってしまうお気持ちは分かります。ただ寝具メーカーとしてはやはり、そのリスクがある以上は推奨できません」

布団の嘔吐の対処法などの情報はインターネット等で検索するとさまざまな情報がでてきますが、試すのはあくまでも自己責任。おねしょの場合は布団を汚さない「おねしょパッド」を活用するなど、汚さない工夫を最大限に行うのが重要となりそうです。

子育て世帯の寝具は洗えるお布団タイプが安心?

寝具は粗大ごみ?それとも可燃ごみ?自治体によってルールが異なる場合も

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寝具を買い替えるためのハードルとして、かさが大きいので気軽に捨てにくいことも大きいのではないでしょうか? ゴミ捨てのルールは自治体によって異なっており、その点も複雑です。

「寝具は素材によっても異なります。敷布団の多くは粗大ごみですが、ウレタン素材は細かく切って可燃ごみになります。周りを包んでいる生地も可燃ごみです。またマットレスでも中にパイプが入っていると不燃ごみと可燃ごみを分別しなくてはいけないところもありますし、また最近は自治体によってはスプリングが入っているベッドマットは粗大ごみでも回収不可なケースが増えています。いずれも自治体によってルールが異なりますので、捨てる前は問い合わせてみるのが確実です」

自治体によってスプリングが入っているベッドマットが回収不可の場合は、民間の不用品回収業者に引き取ってもらう必要があります。

「店舗でベッドマットを購入した人が対象となりますが、nishikawaではスプリングマットレスの回収も行っています(※)。ほかのメーカーや店舗によってもそういったサービスを実施しているところがあると思いますので、購入の際は問い合わせてみるといいと思います」

※店舗によっては引き取りに対応していないところもあり。またオンラインサイトによる回収も不可。
布団を捨てる際は、お住いの地域のごみ収集情報をよくチェックしておきましょう。

寝具を買い替えたくても捨てるのに手間がかかると「今度でいいか」と考える人もいるかもしれません。それも寝具の耐用年数が過ぎてもなんとなく使い続けてしまう人が多い一因となってしまう。そこが寝具の買い替えの難しい部分でもあります。

しかし睡眠の質を上げたいなら、面倒くさがらずにしっかり対応することが重要なのでしょう。それが日々の健康にもつながると考えて、自分の体にぴったり合った寝具を使うようにしたいものです。

【取材協力】
nishikawa 

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