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どうしたら、もっと自信をもって働けるようになりますか?|森田真実さん(株式会社ヒューマンスカイ 取締役/チーフコンサルタント)

各界で輝かしく活躍している女性のみなさんに、ゲストライターとして寄稿をお願いしました。今回のゲストライターは、日頃カウンセリングや人材育成を行っている森田真実さん。自信を持って組織の中でどうしたら女性が活躍できるのかについて、うかがっています。(編集部)

会社員時代の不安や不満の原因は、自信の無さの表れだった

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読者の皆さま、こんにちは。株式会社ヒューマンスカイ森田真実です。

現在わたしは、大手~中小企業の社員に向けて、組織の中で“個”がより活躍できるための人材育成を行っています。

商品やサービスの差別化が難しい時代、皆さんの個性を輝かせることで、より会社が活性化する為のコンテンツを提供しています。受講者は女性の比率が高く、中でも立ち振る舞いを含めたビジュアルを考えるプログラムも好評です。働く女性の仕事への熱意が高まっているのも、感じますね。

なぜ、わたしが“個性”にこだわりを持っているのか? それは、実は企業で勤めていた時代の報われなかった気持ちがきっかけです。
今の会社で過ごす大きな時間と労力が、本当に、わたし自身の人生に活かせているのか?

ただただ、働く一方で、未来の可能性に蓋をされてるような気持ちを常に抱えていました。もちろん、仕事は全力で、実績も残してきたにもかかわらずです。

在職中、いつもこんな風に言われていた記憶があります。「真実さんって、何となく社員じゃないみたいですよね」と。どこか距離を置いてしまう、そんな立ち位置を期せずして、言い当てられました。

チームをマネジメントしながら、そこに愛着をもたず、やや距離をおいていた姿勢が、伝わっていたのかもしれません。多分当時の体制や部署に対しての不満が、そのような態度に現れたのだと思います。

しかし退職後、それ以上の年月を過ごした今ハッキリと言えるのは、その時わたしの心を占めていたモヤモヤとした不安やイライラとした不満の原因は、会社の体制に対してではなく、“変化への恐れ”。裏を返せばわたしの自信の無さでした。

自信が無いなら、あえて“ロールモデル”を目指すのをやめる

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現在わたしは、社会人の女性キャリアのための学びの場、日本女子経営大学院にてさまざまなジャンルで働くキャリアの方に触れる機会があります。普段、働く女性に接して驚くのは、はたから見ると何の非の打ちどころがない優秀なキャリアを積み、素敵な女性として十分にご活躍の方々でも、声を揃えて「自分に自信が持てないんです」ということ。

耳を疑うような言葉です。彼女たちの謙虚さと努力に共感しつつ、いつも心からのエールを送っています。

彼女たちに共通しているのは、上司とのコミュニケーションが控えめ過ぎること。「もっと上司と話をしてもいいんですかね?」などと低姿勢が仇となり、実力があるのに報告しないだけのことで評価を受けていないケースも多いのです。“自慢”と“正確に事実を報告”することは違います。

また、よく耳にする言葉が「ロールモデルが周りにいない」という発言。でも、よく考えてみてください。人真似では自分を活かす道が見つかりません。自分の本質と向き合う時間もないまま、ただただ、ロールモデルに倣うのでは決してうまくいきません。

成功事例を真似たほうが確かに楽かも知れませんが、成長する女性は、必ず自分と向き合う時間を大切にして、自分自身の魅力を見つけていますね。

「女性活躍推進法」が2015年8月に制定されたのをご存じの方も多いと思います。2020年までに女性の登用の目標値が設定されました。まず“数”というのも違和感がありますが、すでに女性の活躍は進んでおり能力も認められつつあります。とくに女性管理職比率については、企業がそのサポートを意思決定するだけなのではないでしょうか。

ぜひ、そんな気運の中、皆さんには企業の中で、個性を活かしながら自信を持って活躍していただきたく、働く女性にエールを送りたいと思います。

 

【筆者】森田真実(もりた・まみ)

資生堂販売(株)入社。百貨店にて店舗運営マネージメント業務・応対技術コンテスト審査員・メーキャップアーティスト特別養成機関 SABFA卒業。退社後、ブランド・スタイリング・プログラマーとして社会で成果を上げ続ける為の、“基礎表現力に特化した人材育成プログラムを開発。大手・中小企業を中心に、基本マナー×成果達成「基礎表現教育の内製化」を推進している。
多数のクライアントより高いリピート率を獲得。日本女子経営大学院にてフロンティアメンターとしても活躍中。著書に『売れる販売員の接客ルール』がある。

 

【撮影】

田中麻以(本誌)

2015/12/3 BizLady掲載

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