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アメリカ発信…ですが日本のマインドは忘れません|メイウッド飛春さん(ShopStyle Japanマーケティングマネージャー)

各界で輝かしく活躍している女性のみなさんに、ゲストライターとして寄稿をお願いしました。今回のゲストライターは、世界的ファッションECサイトのSHOPSTYLEの日本版にて、マーケティング・ビジネスディベロップメント担当として要職にあるメイウッド飛春さん。昨今の人気映画『マイ・インターン』でも話題のファッションECサイト。憧れの仕事な一方、英語力にビジネススキル、デジタルリテラシーと求められるものも多いはず。日本を飛び出して夢を叶えた、メイウッドさんの仕事術をうかがいます。(編集部)

読者のみなさん、はじめまして。ShopStyle Japanのメイウッド飛春です。 今回から数回にわたって、これまで私が得てきた経験のなかから、働く女性のみなさんにお伝えできること、またこれからのキャリアに参考にしていただけそうなことなど、お伝えしていきたいと思います。

現在、私が担当しているのは、アメリカのECサイトSHOPSTYLEの日本版サイトです。おそらく、ファッションやコスメのお買い物をしようとした時に、アプリやウェブサイトで触れたこともある方も多いのではないでしょうか?

マーケティングマネージャーとして主なお仕事はふたつ。ひとつはクライアントさん向けですね。日本のさまざまな、アパレルブランドやメーカーの皆さんに、どうしたらもっとお客様の今の気持ちに応えることができるのか? 日々一緒にプランニングをしています。

そしてもうひとつは、SHOPSTYLEでお洋服を探しているお客様に向けての仕事です。今どんな気分で何が欲しいのか? EDITORS’ PICKSというコーナーがありますが、そちらから日本のお客様が欲しい物を様々なメーカーのサイトから集めてキュレーションして、お届けするというものです。

ShopStyle Japanはスタートしたのは、5年前です。ネット通販でお洋服を買おうとする時は、どちらかのメーカーECサイトに行きますよね。でも、もっともっといろんなメーカーのアイテムも比べてみたくなりませんか?

これまで日本ではファッションを検索するというサービスがあまりなかったのですが、SHOPSTYLEは一度にいろいろなメーカーや通販サイトのファッションが検索できます。ここがユニークだったのではないかと思います。現在日本では100万アイテムを扱い、東京が全世界の中でのアクセス数1位の都市となるという成長ぶりです。

アメリカ発外資系…なのに急成長したのは、日本のお客様の気持ちをキャッチできたから

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現在SHOPSTYLEは、世界7か国で展開しています。私が現在働いていますサンフランシスコは、ITの町。GoogleやFacebook、Twitterといった世界的な企業もあり、テクノロジーを肌で感じることができます。さらには、SHOPSTYLEも創業者のブライアン・シュガーとリサ・シュガー夫妻によって、アメリカでは既に大成功を収めたサービスです。

ですが、日本でビジネスを成功させるのはまた違った部分もあります。日本人には日本人のライフスタイルがあります。アメリカと違って、日本は四季による気温の変化もありますし、働く女性のオフィスコードもあります。そんな意味で、私自身も日本で働いていた経験がとても生きています。

また、お客様のサイトで探しているトレンドキーワードも1週間で目まぐるしく変わります。芸能人の方が記者会見で着ていたり、タレントさんのブログに取り上げられたり…そんな情報もきちんとキャッチアップしています。

ある時、なぜか、“ランチバッグ”“ランチトート”などのキーワードが急に検索で急上昇しました。なぜかと思ってしらべてみると、日本で消費増税の直後のタイミングだったのですね。アメリカ人は、ランチはジップロックにサンドイッチを入れるだけ、というのも多いのですが、この急上昇キーワードを通して、日本人ならではの気持ちを知ることができました。

お弁当を入れる袋までこだわる、「毎日かわいくおしゃれにいたい!」という日本人のマインドは、世界的に見ても素敵なことだなと思います。

海外の商品やサービスを、日本で展開する場合に、ぜひヒントにしてみてください。働く女性ならではの、なるほど!と思うことも、数多くあるのではないでしょうか?

 

【筆者】​​メイウッド飛春(めいうっど・ひばる)

2006年明治学院大学を卒業後、Linkshare Japan株式会社(旧・株式会社トラフィックゲート)に入社。ファッションや美容関係のオンラインマーケティングに関わる。2011年単身渡米。2014年、アメリカのファッションサイトを代表するPOPSUGAR Inc.に入社。世界的規模のECサイトSHOPSTYLE日本版を担当。マーケティング・ビジネスディベロップメントを主に担当するかたわら、自らコンテンツ制作やエディターも兼任。外資系ビジネスの中にあって、日本市場に向けたローカライズを行っている。

 

【撮影】

小倉雄一郎(本誌)

2015/10/22 BizLady掲載

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