「もうこんな年齢だし……」は取り越し苦労! 今が一番若いのだと知る
筆者が銀行を辞めたのは20代前半の頃。辞意を伝えてから退職までに半年ほどかかり、その間一つ年を取ってしまうことに焦燥感を覚えたものですが、今考えれば、「その若さで何をそんなに焦っていたのか」と苦笑したくなります。
映画の中のデ・ニーロは、70歳を迎えてから“シニア・インターン制度”で再就職。40歳も年下の女社長の直属の部下になります。そして社内にはその転身を嘲笑う人など、登場しません。
かの永六輔さんの名言にこんなものがあります……「人間、今が一番若いんだよ」。
とくに女性は、一歳年を取る毎に焦る気持ちを抱くこともあると思いますが、一年後にはそんな気持ちも笑い飛ばせていたりしませんか?
“若さ”は万能の武器ではない! 再スタートには“経験”こそ生きる!
『マイ・インターン』の中でデ・ニーロは、あっという間に社内の人望を獲得していきます。それは人柄だけではなく、その豊富な経験も買われたから。
経験を積むには年月が必要。当然、同時に年を重ねることになりますが、“若すぎない”からこそ生きることや、得る信頼があるのは確かです。
年と同時に、長年努力と共に重ねた経験を、転職先などから欲してもらえるかもしれません。
再スタートは、人としても社会人としてもあぶらが乗る時期が吉!?かもしれませんよ。
「果報は寝て待て」……でも、“種まき”は怠らず
転職や転身、再就職などで再スタートを切るには、情報収集など積極的な行動が必須。でも、どれだけ頑張ってもご縁がなければ難しい面があるのは否めません。
“果報は寝て待て”という諺がありますが、焦ってもがいてばかりいるなら、一呼吸置いてみるのも大事。
人生不思議なもので、ふと力を抜いたときに思いがけないチャンスが訪れたりするものです。
映画の中のデ・ニーロは、最初はアン・ハサウェイ演じる女社長から疎まれ、活躍の場が巡ってきません。
しかし、腐らずマイペースで接する日々の中で、社長のピンチを救うなど奮闘。やがて「あなたは親友」と言われるほどの信頼を獲得していきます。
忘れてはいけないのは、「果報は寝て待て」は、“寝て待つ”までに努力をした人に当てはまる諺だということ。
“果報”が待っているのは、人脈作りに励んだり、自分磨きを怠らないなど、地道な“種まき”をした人である、と心得て!
以上、“再スタートに本当に必要なこと”でしたが、いかがでしょうか?
再スタートは誰にとっても期待同様、大きな不安を伴うもの。でも、幾つになっても“遅い”なんてことは、ないはずです。
勇気がほしくなったら、『マイ・インターン』を観て、“70歳の新人”デ・ニーロに、力を貰ってみては?
2016/10/31 BizLady掲載
執筆/袰川有希