注目される「リファラル採用」とは?
null最近は、「リファラル採用」が注目されています。社員が自分の友人や知人を紹介・推薦し、人事が選考して採用するスタイルです。
売り手市場の現在は、公募だけでは人が集まりませんし、採用しても社風に合わず退職するケースが多数。その点、社員が友人を「自社の社風に合う」と判断して連れてくれば、採用コストを抑えられるほか、人物面で安心感もあるというわけです。
リファラル採用は、導入する企業が増えつつありますので、友人・知人に転職の意思を伝えると、お誘いの声がかかるかもしれません。
自分の強みや価値観を理解してくれている人に相談する
nullでは、誰に声をかけるか。
優先順位の上位としておすすめしたいのは、「過去に一緒に働いたことがある人」です。
例えば、元同僚や元上司で、今は別の会社で働いている……といった関係の人など。一緒に働いたことがある人であれば、あなたの適性や強み、仕事に対する価値観やスタンスを理解してくれているのではないでしょうか。それを踏まえ、あなたに合う会社を勧めてくれるかもしれません。
また、あなたの業種や経験とは関連がない分野で働いている友人・知人にも、「転職を考えている」と伝えてみる価値はあります。「そういえば取引先の会社で……」「夫の会社で……」「友人が勤めている会社で……」など、思いがけない求人情報が得られることもあります。
ほか、金融機関やベンチャーキャピタルで融資の仕事に携わっている友人、経営コンサルティング会社に勤務している友人がいれば、相談してみるといいでしょう。そういう方々は拡大中または変革中の企業とお付き合いしていて、人材ニーズもつかんでいます。今後成長が見込める企業の情報を入手できる可能性があります。
「落とし穴」に注意!頼り過ぎず、客観的視点を持つ
nullただし、人脈を使った転職活動には、落とし穴も潜んでいます。例えば、次のようなリスクがあります。
断りにくくなる
紹介された会社が「ちょっと違う」と感じても、断りにくいということもあります。特に目上の人が紹介してくれた場合はなおさらです。そうした事態を防ぐためには、「紹介してください」と頼るような感じでお願いするのではなく、「選択肢の一つとなるような情報をください」というトーンでお願いするといいでしょう。
後になって「聞いていたのと話が違う」
友人・知人からの紹介だと、安心=“油断”になってしまうこともあります。給与や待遇など条件面をしっかり確認しないまま入社し、後で「話が違う」とトラブルになるケースは少なくありません。口約束だけで済ませず、労働条件をきっちりと文書にした通知書を受け取っておく必要があります。
また、「うちの会社はこんなにいいよ」と聞いて入社したものの、配属されたのは別の部署で、そこでは仕事内容や雰囲気がまったく違う……ということもあります。
これを防ぐには、紹介者本人とのつながりだけで転職を決めることのないようにしましょう。独自でその会社を研究するほか、選考過程では実際に働く部門の人々とも会わせてもらい、話をしてみることをおすすめします。
今回は、人脈を使った転職についてお話しました。より自分に合う企業に出会うためにも、「人脈」「求人メディア」「紹介サービス」をうまく併用していきましょう。
構成/青木典子