1:件名を消さない
途中で件名を変えてしまうと、どのメールへの返信が来たのか相手がわからなくなってしまうので、相手がつけた件名は消さないでおこう。しかし、あまりにも“Re:”が多くなりすぎないように、“Re:Re:Re:Re:”となっているところを“Re:”を一つだけ残して後は消すようにしよう。
また、件名で要件がわかるよう、「会議は12日13時開始になりました→Re:会議時間のご相談」というように、相手の件名の前に返信内容を追加しておくとよいだろう。
2:相手のメールの本文を消さない
メールの本文を消すか消さないか、というのは議論になることもあり、どちらが正しいというはっきりとしたルールはない。しかし、ビジネスシーンでは「相手の本文は残す」ということがマナーとして定着しているといってもよいだろう。
途中でメールのやりとりに参加した人でも過去の流れがわかること、どんな議論だったか忘れかけてもすぐに過去のメールをさかのぼれて便利なこと、「言った・言わない」となった時もわざわざメールボックスから検索して探さなくてもよいことなど、忙しいビジネスマンの時間を節約できることがその背景にある。
3:「常に全員に返信」は時と場合によって使い分ける
通常のやりとりではCCに入っている人も含めて、「全員に返信する」のが正解。しかし、いつでもそうとは限らない。たとえば話はもう決着がついていて、「この度はありがとうございました」と1人の人に伝えたいだけの場合、CCに入っていた人は同報しなくてよいだろう。いつものメールを見返してみると、特に読む必要のないメールが意外と多いことに気づく。
無駄なメールで他の人の貴重な時間を使わないように気遣うことも、ビジネスマナーの一つである。
以上、“今時のビジネスメールのルール”を3点おさらいしたが、いかがだろうか?
筆者が社会人になったころは「相手のメール本文を消さずに送ること」や、「件名をそのまま手を加えずに返信すること」は失礼だと教わったものだが、時代と共にマナーもかわるものである。現代は昔に比べてメールを送る回数が増えたため、なるべく手間を省こうという流れにあるようだ。
もちろん会社独自のルールがある場合はそれに従おう。転職して新しい会社に移る際などは、これまで自分が“常識”と思っていたことを一度捨て、その会社のルールになじんでいく努力もまた、マナーと並んで重要なことだと覚えておきたいものである。
2015/3/18 BizLady掲載
執筆/坂口由乃