来客対応には“事前準備”が必要!
来客対応のマナーというと、「お出迎えから」と考えがちですが、来社時間の前から対応ははじまっているのです。
「少なくとも自分の部署でどのような方が来社されるのか、朝一番にざっと確認するようにしましょう。チームで来客予定を共有しておけば、誰が対応してもスムーズに接客できますし、会社名やお名前を予め把握しておけば、『●●様ですね、お待ちしておりました』とお迎えすることができてよりよい対応ができるでしょう」
今はスケジュールをオンラインで共有している会社も多いと思いますので、他の人の予定が見られるようになっていれば、出社時に自分の予定だけではなく、部署全体の確認をしましょう。
例えば「部長あてにA社のB様が15時にいらっしゃる」とわかっていれば、「14時からの会議は少し早めに終わろう」という機転もききますし、15時前になったら「会議室があいているか」「お茶をきらしていないか」などの確認もできます。
受付ではお名前をお呼びしてお迎えを
前述したとおり、受付では会社名・お客様名をお呼びすると丁寧です。
「企業名・お客様名をお呼びすることで、安心感を与えたり、おもてなしの気持ちを表したりすることができます。『この会社はきちんと情報共有がなされているんだな』という信頼感にもつながるでしょう。
また、『それでは3階の応接室にご案内いたします』などと、どちらにお通しするかもさりげなくお伝えすると親切です」
廊下では少し前を歩きながら時々後ろを振り返る
時々、自分のペースでスタスタと進んで案内してくれる方がいますが、お客様を取り残してしまっていませんか? もしかするとお客様は足に怪我をしているかもしれませんし、上着を脱ごうとしていらっしゃるかもしれません。もう少しゆっくりでなくてもよいか、少し立ち止まったほうが良いのではないかなどと気配りができるでしょう。
少し前を歩きつつも、後ろからいらっしゃるお客様を時々振り返りってみてください。
部屋にはいるときは自分が先? お客様が先?
意外と皆さんが迷うことに、「部屋にはいるのはどちらが先だろう」ということがあります。お客様ファーストという観点から考えると、お客様のあとから自分が入るべきだといえますが、これはケースバイケースとのこと。
「もしドアが押して開くタイプなら、ドアを押しながら自分が先に入りましょう。ドアをおさえてお客様が入室されるのを待ち、お席をご案内します。逆に、ドアが引いて開くタイプの場合は、廊下側でドアをおさえ、お客様には先に入っていただきましょう。
後者の場合、お客様が入られるタイミングで『窓側、中央のお席におかけください』などとお伝えすれば、お客様が戸惑われることもありません」
お荷物が多い場合は、「どうぞ、となりの椅子にお荷物を置いてください」とお伝えすればなお親切です。
コート掛けの用意があればコートをお預かりしておかけします。
お客様対応のマナーをおさらいしてみましたがいかがでしょうか。基本的なことですのでもちろん「それぐらいできているわ!」という方も多いと思いますが、頭でわかっていても実際にはできていないというケースも多くあります。
次にお客様対応をするときには、自分の対応を客観的に見てみてください。意外と改善点があるかもしれません。
【取材協力】
※ 菓子田圭子(かしだ けいこ)・・・「輝く人材づくりを支援する」を理念とする株式会社ビジネスプラスサポートにて人財育成プロデューサーを勤める。プロの劇団にて演劇活動を12年間行い、在籍中よりナレーター、インタビュアー、レポ―ターとしても幅広く活動。劇団退団後、フリーアナウンサーとして活動しながら、コンサルタント会社の専属講師として、人財育成業務に従事。カウンセリング・マインドの学びを深める中で、傾聴のスキルを活かし、10数年電話相談のボランティア活動も続けている。
2017/3/29 BizLady掲載
執筆/坂口由乃