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「清々しい」はなんて読む?意味と使い方は?間違いやすい点を解説

“清々しい”という形容詞はどんな様子を表す言葉なのでしょうか。“清々しい”の意味や例文、注意点を解説します。

【あらためて知りたい頻出ビジネス用語#98】では、『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など多数の著書を持つ国語講師の吉田裕子さんに、“清々しい”について解説していただきます。

「清々しい」の意味とは?

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“清々しい”の読み方は“すがすがしい”。すっきりしていて人を心地よくさせる様子、心が洗われるような気分を表すときに使う言葉です。

「清々しい気分」「清々しい空気」「清々しい態度」というふうに使われています。

「清々しい」はどんなシーンで使う?

「清々しい」はどんなシーンで使う?

ビジネスシーンにおいて“清々しい”は、以下のような場面で使われることが多い言葉です。

(1)天気を形容するとき

雑談の中で、爽やかな気候を表すときに使います。

【例文】

・今日の風は、とても清々しいですね。

(2)人の態度を評するとき

爽やかで好感度の高い態度を表す際に使うことがあります。

【例文】

・御社の社員の皆さんがいつも清々しい笑顔で挨拶してくださるので、うれしいです。

(3)達成感を表すとき

何かを終えて、すっきりとした気持ちを表すときに使うことがあります。

【例文】

・今回のプレゼンテーションは決して完ぺきとは言えませんが、無事に終えて清々しい気持ちです。

「清々しい」の使い方の注意点は?よく見かける間違った使い方

「清々しい」の使い方の注意点は?よく見かける間違った使い方

“清々しい”の注意点は以下の2点です。

(1)読み方に注意

“清々しい”は特殊な読み方をする言葉なので「きよきよしい」「せいせいしい」などと読まないように注意しましょう。

(2)性格を表す「明るい」「ハキハキ」などと同義ではない

“清々しい”は、人の性格そのものを述べているというより、「ある人の爽やかな雰囲気や言動により、見ていて気持ちの良い印象を覚えた」という受け手の感想を表す言葉です。人の性格を表す“朗らか”“明るい”などと完全に同じ使い方ではありません。

【要注意例文】

△  彼女は清々しい

〇  試合後の彼女の態度は清々しかった

→ “清々しい”は人の全体的な性格をいうよりも、態度や言動の印象を表すことに使うほうが自然な言葉。

「清々しい」の例文は?

「清々しい」の例文は?

“清々しい”を用いた例文を通じて使い方をイメージしていきましょう。

・今朝は朝から清々しいお天気ですね。

・新緑の香りが清々しい季節になりました。

・全力を尽くしたので今は清々しい気分です。

清々しい挨拶が印象的だった。

「清々しい」を言い換えると?類語は?

「清々しい」を言い換えると?類語は?

“清々しい”と類似の意味を持つ言葉をご紹介します。

(1)「爽やか」

“爽やか(読み方:さわやか)”は、すっきりとしてすがすがしい様子。気候や態度などを表す際によく使われています。

【例文】

爽やかな風が吹く季節となりました。

・いつも笑顔が爽やかですね。

(2)「爽快」

“爽快(読み方:そうかい)”は、気持ちがよいこと。

【例文】

・出張先の空気はとても爽快です

(3)「小気味よい」

“小気味よい(読み方:こきみよい)”は、胸がすっとするようで気持ちのよい様子を表します。下の例文のように「受け答えなどの調子がよく、見ていて清々しい」というニュアンスのときもあれば、「ざまぁ見ろ」「いい気味だ」といった嫌味な使い方のときもあります。

【例文】

・意地悪な質問に対しても小気味よく答える様子が印象的だった。

(4)「快活」

明るくさっぱりとした人柄を表す場合には、“快活(読み方:かいかつ)”という表現を使います。性格を表す際に使われます。

【例文】

・彼女の快活な人柄は好感が持てる。

「清々しい」の対義語は?

「清々しい」の対義語は?

“清々しい”と対の意味を含む言葉をご紹介します。

(1)「鬱陶しい」

“鬱陶しい(読み方:うっとうしい)”は、心がふさいで晴れやかではないさま。目障りで不快であることを表す際にも使われています。

【例文】

鬱陶しい梅雨もようやく明けました。

(2)「陰湿」

“陰湿(読み方・いんしつ)”は、暗くてじめじめとしている様子。人柄について言及するときも使われています。

【例文】

・業界に悪い噂を流すなんて、陰湿なやり方ですね。

 

以上、“清々しい”という言葉について国語講師の吉田裕子さんに解説していただきました。

雑談の中でもよく登場する言葉なので、意味を覚えておきましょう。


 

【取材協力・監修】

吉田裕子

国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。

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