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「親和性」の間違いやすい使い方は?【あらためて知りたい頻出ビジネス用語#68】

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“親和性”という言葉は、さまざまな場面で使われています。今回は“親和性”の意味や使い方についてお届けします。

“親和性”という言葉についてわかりやすく解説していただいたのは『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など、多数の著書を持つ国語講師の吉田裕子さんです。

「親和性」の意味とは?

“親和性”とは、親しみ結びつきやすい性質のこと。

本来は化学反応によって結びつきやすい性質を表す言葉ですが、近年は、複数の人・物の関係性や相性の良さを表すために使われることが増えています。

ビジネスシーンでは「親和性」はどんな時に使うといい?

ビジネスシーンにおいては、組織と組織、商品とマーケット、戦略と部署など、複数の対象同士の相性がよいことを表す際に使われています。

「親和性が高い」「親和性がある」という言い方をするのが一般的です。

「親和性」の例文は?

“親和性”を用いた例文を通じて使い方をイメージしてみましょう。

・そのビジネスは当社との親和性が高いため今後の発展に期待ができます。

・新商品はSNSとの親和性が高く、若年層からヒットが広がった。

・新しいシステムは現状との親和性を重視して選定してください。

・旧作との親和性を考慮して再検討してください。

「親和性」の注意点や間違った使い方は?

“親和性”は複数の組織・人・物同士の相性を形容する際に使われている言葉です。

しばしば「親しみやすい雰囲気がある」という意味で使っているケースが見受けられますが、それは間違いです。

【例文】

・Aさんは、笑顔が多く親和性が高い。

→“親和性”は、何かと何かの相性が良いことを意味する。例文のような使い方は間違い。

「親和性」を言い換えると?類語は?

続いて“親和性”の類語や言い換え表現をご紹介します。

(1)「シナジー」

“親和性”は相性の良さを指すのに対し、“シナジー”は組み合わせることで相乗効果が生まれることを表します。経営学の用語では、異なる経営資源を組み合わせることで新しい価値が生まれることを“シナジー効果”と呼ぶこともあります。

【例文】

・A社の技術とB社の販売網のシナジーによって、売り上げの拡大を見込んでいる。

(2)「マッチング」

組み合わせること、調和させること。人材、マーケット、データなど幅広く使われています。

【例文】

・スタートアップ企業にとってビジネスパートナーとのマッチングは重要な課題だ。

(3)「調和」

うまくつり合い、全体が整うこと。互いにつり合いがとれて、整っている様子を指して使われる言葉です。

【例文】

調和のとれた配色ですね。

(4)「融和」

“融和”は溶けて混じり合うこと。人と人、組織と組織などが、打ち解けて良好な関係となる様子を指します。

【例文】

・A社との融和によって、停滞していた案件が一気に進みそうです。

「親和性」の対義語は?

“親和性”と対の意味を持つ言葉をご紹介します。

(1)「相容れない(あいいれない)」

2つの立場や考えが相反し、互いに受け入れないこと。

【例文】

・コスト最優先のA社の姿勢は、品質を重視する当社の理念と相容れなかった

(2)「波長が合わない」

相手と考え方や意見が異なり、話し合いなどがうまくいかないこと。

【例文】

・この問題に関しては、Aさんとはどうも波長が合いません

(3)「水と油」

水と油は分離して溶け合わないことから、反発し合って融和しないことの例え。

【例文】

・部長と課長は、水と油の関係だ。

(4)「そりが合わない」

気心が合わないこと。人と人が仲の悪い様子を指して使われています。

【例文】

・課長とA社の担当者は、以前からそりが合わないと耳にはさみました。

 

今回は、国語講師の吉田裕子さんに“親和性”という言葉について解説していただきました。

“相性”という直接的な表現よりも、自然となじむ様子を表す“親和性”がしっくりとくる場面があります。使い方を覚えておきましょう。


 

【取材協力・監修】

吉田裕子

国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。

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