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「忍びない」の意味と使い方は?どんな場面で使うのが正解?【あらためて知りたい頻出ビジネス用語#33】

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“忍びない”は、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。さまざまなシーンで使うことができるので、使い方を覚えておきましょう。今回は“忍びない”の意味や使い方、NG使用例について解説します。

解説して頂いたのは『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など、多数の著書を持つ国語講師の吉田裕子さんです。

「忍びない」の意味とは?「申し訳ない」との違いは?

忍びない”は“耐えられない”の意味。

実際の会話や文章では“~に忍びない”という形でよく使われています。例えば、“見るに忍びない”は「見ているのが耐えられない」つまり直視していられないほど気の毒だ、ひどい」といった意味を含みます。このような連語になっているときには、本来の意味“耐えられない”から広がっていくニュアンスがあるのです。

他に“忍びないのですが”という形でも使われますが、これは、ひょっとしたら身勝手なことを言っているかもしれない、と気を遣い、遠慮する気持ちを込めて使います。

“申し訳ない”がお詫びの意味が強いのに対し、“忍びない”は文脈によってニュアンスが少しずつ変わってきます。

「忍びない」はどんなときに使う?

ビジネスシーンにおいては、以下のような場面で使われています。

(1)依頼時の「クッション言葉」として

相手に依頼をするときに“このようなお願いをするのは忍びないのですが”という形で使うことがあります。直訳すると“お願いするのは耐えられない”となりますが、厚かましいお願いをすることについて気が引ける気持ちを示します。

【例文】

・このようなお願いをするのは忍びないのですが、何卒ご協力のほどお願い申し上げます。

(2)同情・共感を示すとき

会社や人の様子を見聞きして、強く共感したり同情したりして「見ていられない」という気持ちを示すときに用います。

【例文】

・あの会社の現状は見るに忍びない

私生活ではどんなシーンで使う?

敬語を使う相手に対して負担の大きい仕事を依頼するときに、恐縮や感謝の気持ちを込めて使われています。

【例文】

・急なお願いで忍びないのですが、よろしくお願いします。

「忍びない」の使い方の注意点は?目上の人にも使える?

“忍びない”というのは、強い気持ちを示す表現です。

担当者がお客様に迷惑をかけたことについて個人的な気持ちをこめて“忍びない”という表現を使うことはできますが、会社から発行する公的な書類の中では使うことはありません

【NG例】

・(お詫びのプレスリリースなどで)今回の件で、皆さまに多大なるご迷惑をおかけしたことは誠に忍びなく感じております。

→「忍びない」は個人の感情なので、企業から発行する公式の書類では「忍びない」は使わない。この場合は「お詫び申し上げます」など。

また、しばしば“忍びない”と“偲ばない”(しのばない)を混同しているケースが見受けられます。

“偲ぶ”は遠く離れたものを感慨深く思い起こすこと。“忍ぶ”と全く意味が異なりますので、漢字の変換時には間違わないように注意しましょう。

「忍びない」の例文は?

“忍びない”の例文を通じて使い方をイメージしていきましょう。

・お願いばかりで忍びないのですが、本件も宜しくお願い申し上げます。

・ご足労をおかけするのは忍びないので、私が伺います。

・Aさんが落胆している様子は、見るに忍びないですね。

・このようなことを申し上げるのは本当に忍びないのですが、事情により今回の件は見送ることになりました。

「忍びない」を言い換えると?

続いて“忍びない”の言い換え表現をご紹介します。

(1)「心苦しい」

自分の都合により、相手に迷惑や手間をかけることを申し訳なく思うことを伝えるために使われる言葉です。

【例文】

・このようなことを申し上げるのは心苦しいのですが、書類に記入漏れがございましたので、再送頂きたく存じます。

(2)「恐れ入りますが」

相手にかける迷惑や手間を思い、遠慮・恐縮する気持ちを表すときに使うクッション言葉です。

【例文】

恐れ入りますが、少々お時間を頂戴してもよろしいでしょうか。

(3)「恐縮ですが」

“恐れ入りますが”と同様に、遠慮や恐縮する気持ちを表すときに使います。

【例文】

・大変恐縮ですが、本日は用事があるため、お先に失礼致します。

 

以上、今回は“忍びない”の使い方をご紹介しました。

依頼をするときだけでなく、雑談の中でもしばしば使われる表現なので、使い方を覚えておきましょう。


 

【取材協力・監修】

吉田裕子

国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。

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