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2020年最新!小学生用の国語辞典の選び方…「新学習指導要領」スタートでどう変わる?

この春は自宅学習の時間も多いし、子ども用に国語辞典を用意しなくちゃ、と思ったのはいいけれど、いまいちどれを選んでいいのか分からない……なんてことはありませんか?

4月から小学校でスタートする「新学習指導要領」。それに伴い、書店では「新学習指導要領に対応」と書かれた参考書や問題集が続々と並び始めています。小学生向けの国語辞典の中身も大きく変わっているようです。

今回は、最新の小学生向けの国語辞典事情や、子どもの学力アップをサポートする国語辞典の使い方や選び方についてお届けします。

お話をうかがったのは小学館の辞書編集部のみなさんです。

「新学習指導要領対応」の国語辞典は何が違うの?

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同じ読み方をする単語の使い分けが表で解説されていたり、カラフルな図表も多いから見やすい!

―新年度から「新学習指導要領」がスタートします。学校で説明を受けていてもなかなか具体的なイメージがわかず、不安に感じている保護者は多いと思います。特に国語は「言語能力育成の要」とされていますが、学習内容はどのように変わりますか?

編集部(以下、編集部):わかりやすい例をあげると、小学校6年間で習う漢字が1,006文字から1,026字に増えます。これは“潟”“媛”“茨”など、都道府県名で使う漢字を小学校のうちに学ぶことになったからです。

また、新学習指導要領では“思考力”や“主体的な学び”という点が大きなポイントになっているので、自分で調べて、自分で考えるという点が重視されるようになると思います。

―具体的には、小学生向けの国語辞典の内容は、どんなふうに変わったんですか?

編集部:新学習指導要領に対応した『例解学習国語辞典(第11版)』は、小学校の教科書を全教科チェックして、新しい言葉を追加しました。

音楽で学ぶ楽器の種類、社会で学ぶ昔の道具、理科の教科書に出てくる植物の名前など、全ての教科を網羅するような構成になっています。

ーえー!  それってすごい作業ですね……。

編集部:そうなんです……!  楽しく調べること、自ら考えることをサポートするために、カラーの写真や図を多く用いています。ことばの使い分けがわかる図表が多く掲載されているのもこれまでと変わっている点ですね。

―昔の辞典と全然違うんですね。カラフルで見やすくて、イラストもたくさんあって見ているだけで楽しいです。今、我が家の5年生の子どもが使っているのが一つ前の『例解学習国語辞典(第10版)』の2色刷りなんですけど、11版はフルカラーでさらに見やすい!

編集部:これまでは、辞書用の薄くて軽い紙はオールカラーに対応できなかったのですが、新しい印刷技術でそれが可能になったんですよ。フルカラーの強みを生かして、繊細な色も視覚を通じて説明できるようになりました。

「おさがり」の辞典はやめたほうがいい?年齢に合った「国語辞典」はどう選ぶ?

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―新しい国語辞典には、新カリキュラムが反映されていることがわかりました。ということは、やっぱり親・きょうだいの“おさがり”は使わないほうがいいのでしょうか?

編集部:基本的には避けたほうがいいですね。先ほどお話したように、小学生向けの国語辞典は、新しい教科書に合わせて内容が変わっていることが多いからです。なおかつ、版を重ねていくことで、ユーザーの声も反映しながら、より読みやすく、わかりやすく改良も加えられています。

「子どもの学習意欲を高める」という点では、新しいものを持たせてあげたほうがいいかなと思います。言葉は“生き物”で、変化していくものです。中には新しい意味が加えられている言葉もありますよ。

―確かに!  以前、「看護婦」を調べてみたら、「『看護士』の以前の呼び方」って書いてあって、それを実感しました。それでは、子どもに合った辞書は、どうやって選んだらいいのでしょうか。

編集部:各社、さまざまな工夫を凝らしています。授業や家庭学習で頻繁に使うようになるものなので、実際に書店の辞書売り場に行って、子どもに何冊か比べさせてみるのが理想的ですね。

・説明のわかりやすさ

・見やすさ

・調べる楽しさ

・子どもが気に入ったかどうか

このようなポイントで選ぶといいと思います。

―年齢に応じて国語辞典は買い替えたほうがいいんでしょうか?

編集部:小学館の辞典で言えば、『例解学習国語辞典』は小学校1年~6年の教科書に登場する単語を網羅しています。でも、中学受験の対策をしている子や長編小説を読み始めた子は、小学校用の辞書では足りなくなってくるケースもあります。辞書を引くことに慣れていて、読書量が増えてきたら、小学校高学年のうちに中学生以上を想定した辞書に切り替えてもいいと思います。

あくまでも目安ですが、小学館の辞典を例にあげると、以下のような目安をもうけています。

『ドラえもん はじめての国語辞典』が園児~小学校2年生の児童

『例解学習国語辞典』『例解学習国語辞典 ドラえもん版』は小学校1年生~6年生

『新選国語辞典』は中学校~社会人まで

『現代国語例解辞典』は大きな活字なので、中学校~シニアまで

「漢字辞典」は持っておくとどんなときに役立つ?

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国語辞典と同様、漢字辞典もカラフル!かつ、コラムなども充実しています。

―国語辞典にも小学校で習う漢字や書き順が載っていますが、それでも国語辞典とは別に漢字辞典も持っておいたほうがいいのでしょうか?

編集部:漢字辞典は、例えば、特定の漢字や部首を使った熟語と例文を考えるときにとても便利です。宿題に出たら親がつきっきりで考える必要がなくなりますから親子の負担軽減にも役立つと思います。

―国語辞典は「おさがりは避けたほうがいい」とのことでしたが、漢字辞典ではいかがでしょうか。漢字は昔と変わらないから親の物を使っているという家庭もあると思います。

編集部:古いものよりも、できれば新しいものを使ったほうがいいですね。学習漢字の中には、親世代と子ども世代とでは書き順が少し変わっている文字もありますから。

小学生から使える『例解学習漢字辞典』の場合は、“調べやすさ”“見やすさ”という点でかなり改良が加えられていますし、常用漢字のすべてを収録しているので、小学生のうちに買っておけば中学校以降も役立つと思います。

新学習指導要領では、読解力、思考力、表現力をブラッシュアップすることが重視され、文章を書くことが大切になっていきます。その際、正しい漢字を使って表現することは避けては通ることができないので、長く使える漢字辞典は1冊持っておくと役立ちます。

ネットで調べるのとどう違う?語彙力がぐんぐん増える国語辞典の使い方

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―最近では、高学年になるとインターネットでの調べ学習の機会も出てきます。もし、子どもが「わからない言葉はインターネットで調べればいいのに」と言っていたら、なんと説明したら……。

編集部:紙の国語辞典の大きな強みは、調べたい言葉の“周りの情報”も目に入ってくることです。知っている言葉がじつは別の意味を持っていたことを気づくこともありますし、調べた言葉の近くにある図表や写真が知らない間に頭の中にインプットされていきます。その積み重ねは後々の学力に関わってくるのではないでしょうか。

―近年では“辞書引き学習法”というメソッドもよく耳にします。

編集部:“辞書引き学習法”は、知っている言葉のところに付箋(ふせん)を貼っていく方法です。知っている言葉が増えていく“成果”が目に見えるので、子どもの自信につながると言われていますよ。

―最近の辞典を見ていると、“調べさせられるもの”ではなく、“読むもの”“楽しむもの”なんだなって思えてきました!

編集部:辞書を買うときについてくるケース(箱)は、ふだんは使わなくてもいいです(笑)。自分の辞書は常にリビングや机の上に出しておいて、“どれだけ汚すか”というくらいの気持ちをもって惜しみなくどんどん使ってもらえれば、語彙力がどんどん増えていくと思いますよ。

 

以上、今回は、新学習指導要領に対応した国語辞典の内容や、辞書選びのコツについてお届けしました。

文部科学省の資料によれば、今後の国語教育では、言葉の理解に加えて思考力、判断力、表現力の育成を充実させるとの方針が掲げられています。正しくわかりやすい情報がギュッと詰まった国語辞典・漢字辞典を新調してみてもいいかもしれませんね!

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