日常の中にひそむ「毒」とは?
null特別展「毒」では、その名の通り“毒”をテーマとした展覧会です。毒を“人を含む生物に害を与える物質”と定義し、1つのカテゴリに絞らずに、地球上のさまざまな毒を網羅する展示となっています。
生物、植物、菌類、鉱物、化学物質……と、カテゴリは多岐にわたり、展示数はおよそ250点。
普段なかなか目に触れることがない珍しい毒だけでなく、私たちの日常生活の中に溶け込んでいる毒も多数展示されています。
例えば、活用法によっては毒を発生させる可能性がある洗剤や、健康被害の原因となる可能性があるカビ、個人の感受性によって毒となりうるアレルギー物質など、私たちの生活回りの毒の種類は多岐にわたっています。
ブドウやタマネギのように、ヒトにとっては毒ではないけれど、ペットにとっては毒になるものも展示されています。
わたしたちの食生活にもなじみのあるマンゴーが発する“香り”の体験コーナーでは、熟す前の“青臭い香り”と、熟した後の“甘い香り”の違いをマスク越しに確かめることができます。
ちょうどよく熟した頃に動物をひきつける香りを発し、果実を食べた動物に種子を遠くに運んでもらう“繁殖戦略”に触れることができます。
特別展「毒」のユニークな点は、私たちにとって非日常の神秘的な毒と、日常にひそんだ身近な毒の展示がボーダレスに並んでいるところ。
Aにとっては薬だけど、Bにとっては毒。Cにとっては無害だけど、Dにとっては猛毒。ほとんどの生物にとっては毒だけど、Eにとっては大事な主食。さまざまなケースを見ることで「私たちが“毒”とカテゴライズしているものは何か」「“日常”と“日常外”の毒を分かつボーダーラインは何か」といった問いを投げかけられているような気持ちになります。
大ヒット商品も!特別展「毒」特設ショップの売れ筋商品は?
nullさてさて、展覧会の楽しみの1つが、関連グッズのショッピングですよね。特別展「毒」のショップでは、一風変わったオリジナル商品を数多く取り扱っています。
独特ならぬ“毒特”なラインナップを楽しむことができます。
こちらは、思わず目をひくヤドクガエルのぬいぐるみキーホルダー(1,320円・税込)。華やかで毒々しくて愛らしいぬいぐるみは、毎日、飛ぶように売れているそう。
色鮮やかな赤色のベニテングタケのぬいぐるみ(2,640円・税込)は、丸みを帯びたかわいいフォルムで目をひきます。SNSなどでも話題になり、何度も売り切れになった人気商品だそう。
どのぬいぐるみも色鮮やかでアイキャッチなデザインですが、各分野の研究者がしっかり監修されているとのことで、よく見ると細部までこだわってつくられています。
そして、食品コーナーの売れ筋、特別展「毒」焼印入まんじゅう(972円・税込)。ムラサキイモを用いた紫色のあん入りです。「変わった色だけど、おいしい!」と評判だそう。家族や職場のおみやげにおすすめです。
テントウムシのグミ(648円・税込)の中に、ナナホシテントウに“擬態”した“レアキャラ”が混ざっているのだとか。見つけたらラッキー!お楽しみに。
ショップでは、オリジナルカプセルトイ ピンバッジ(500円・税込)も人気。全7種のうち、どの生物が出るのか、ドキドキしながら回してみよう。
カラフルな記念メダル(600円・税込)は、手元にとっておいて何度も見返したくなるデザインです。
さらに、特別展「毒」の公式図録(2,640円・税込)の販売数は、異例の伸びを見せており「学術的な内容が多いのに、なぜこんなに売れているのかわからない」と、関係者が頭をひねるほどだそう。「表紙の手触りが好き」というユニークな反響も寄せられているそうです。
以上、今回は東京・上野公園の国立科学博物館で開催中の特別展「毒」のレポートをお届けしました。
日常とは、一線を引きたい“毒”。明確な線を引くことは難しいからこそ、どう向き合っていくのかをじっくり考えさせてくれる展示内容となっています。
土曜日限定で“ナイトミュージアム”も実施中。ぜひ、家族や友人と足を運んでみてはいかがでしょうか。
写真撮影/辺見真也
【展覧会情報】
展覧会名:特別展「毒」
会期:開催中~2023年2月19日(日)
休館日:月曜日
※ただし、2月13日(月)は開館
開館時間:午前9時~午後5時(入場は午後4時30分まで)
土曜日のみ午後7時まで開館(入場は午後6時30分まで)
会場:国立科学博物館(東京・上野公園)
入場料:一般・大学生2,000円、小・中・高校生600円、未就学児は無料
※ 日時指定予約が必要
※ 最新情報は公式HPでご確認ください
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