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常連客も大好きな「バーニャカウダ」の作り方!短時間で作れて材料は3つだけ【プロが教えるおうちイタリアン#26】

東京都千駄ヶ谷にある隠れ家的イタリア料理店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ・小野宗隆さんに、おうちで楽しめるビストロ料理を教えてもらう連載企画。

今回紹介するのは、旬の野菜をモリモリ無限に食べられる「バーニャカウダ」。しかもソースの材料はたったの3つ!という驚きの手軽さ。併せて、パリッとした食感を楽しめる野菜のゆで方も伝授します。

にんにく、アンチョビ、オリーブオイルの三位一体を味わう

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にんにくが効いた濃厚なソースがたまらない「バーニャカウダ」は、イタリア・ピエモンテ地方の郷土料理。ピエモンテ語で「バーニャ」は「ソース」、「カウダ」は「熱い」を意味するそうです。

日本でも一般的になり、市販のバーニャカウダソースなども売られていますが、家庭で作る方法って知っていますか? 本格的に作ろうとすると、実はちょっと面倒なんです。

「にんにくを牛乳で1時間煮て、やわらかくなったら牛乳から取り出し、にんにくとアンチョビをフードプロセッサーにかけ、生クリームやオリーブオイルを加えて、熱々にして食べます。こんな感じで手間も時間もかかるんです。

でも、ここまでしなくても、にんにく、アンチョビ、オリーブオイルの3つだけで充分おいしい。もともとは庶民のシンプルな料理です。私のお店では今回教える方法でソースを作っていますが、みなさんおかわりする勢いですよ。

野菜はゆで過ぎてグシャッとしては、おいしいソースが台無しなので、パリッとした歯応えを残す“1分ゆで”を厳守してください」(以下「」内、小野さん)

お店では、一度になんと1kgのソースを仕込むという小野さん。常連のお客さんたちの大好物だというバーニャカウダ、ぜひ教えてほしいです!

【材料】(2人分)

[ソース]

にんにく・・・50g

アンチョビ・・・50g

オリーブオイル・・・80ml

 

[野菜]

ブロッコリー・・・2房

カリフラワー・・・2房

オクラ・・・2本

パプリカ(赤・黄)・・・各1/6個

かぶ・・・1個

ズッキーニ・・・1/3本

ベビーコーン・・・2本

【作り方】

(1)野菜を切り揃える

「バーニャカウダは野菜の食感も命!」と小野さん。パリッとした歯応えを残すため、ゆで時間は1分を厳守してほしいとのこと。まずは、1分で同時にゆで上がる大きさに切り揃えるのがポイントです。

ブロッコリーとカリフラワーは半分に、オクラはがくをむき、パプリカは縦半分に、かぶは厚めに皮をむいて6等分のくし形切りに、ズッキーニは1cm幅の斜め切りにします。ベビーコーンはそのままでOK。

「野菜は何を使ってもいいですよ。ぜひ、旬のおいしい野菜をたっぷり味わってください」

(2)にんにくをみじん切りにする

にんにくは潰すと皮がツルンとむけます。千切りにしたら向きを変えて、細かいみじん切りにして、切り終わったら小鍋に入れておきます。

(3)アンチョビをみじん切りにする

アンチョビは今回、缶詰のものを使います。先にオイルを小鍋に入れ、フィレは細かいみじん切りに。切り終わったら小鍋に入れます。

「にんにくとアンチョビは1:1が黄金比。アンチョビは缶詰や瓶詰めで売られているので、1回で使い切りたい場合は、アンチョビににんにくの量を合わせると、調整しやすいですね」

(4)オリーブオイルを入れる

鍋にオリーブオイルを入れます。

「今回オリーブオイルは80ml入れますが、それはあくまでも目安なので、自宅の鍋の大きさに合わせて、ひたひたになるまで調整して入れてください」

(5)10分ほど極弱火で煮る

鍋を強火にかけ、沸騰したら極弱火にして10分ほど煮ます。

(6)野菜を1分ゆでる

沸騰した塩水(約1%濃度)に切った野菜を入れ、1分ゆでて取り出します。

「この時、失敗しないポイントは横着せずに必ずタイマーをかけること。1分を厳守するだけで、パリッとした絶妙な歯応えにゆで上がりますよ」

(7)ソースと野菜を盛り付ける

ソースは器に盛り、野菜と一緒に彩りよく盛り付けてください。

(8)できあがり!

熱々のソースを野菜にたっぷりつけて、いただきましょう。

かぶにソースをたっぷりディップして口に入れた瞬間……これは危険な予感! 無限に食べられると直感しました。にんにく、アンチョビ、オリーブオイルとイタリア料理を代表する素材の三位一体、まさに最強のタッグがここに!

にんにくがガツンと効いた濃厚なソースは、アンチョビの塩気も最高。シンプルで雑味が全然ないから、ゆで野菜の甘味がグンと際立ちます。そしてゆでただけの野菜がなんておいしいのでしょう! ブロッコリーはコリッと軽やかな歯触り、ズッキーニは甘くてみずみずしく、オクラは凛としてパリッとした食感。

気付くと野菜がどんどん消えてなくなり、これはいくらあっても足りない!

「このソースは冷蔵で1カ月ほど保存できるので、お店では一度にまとめて作っておきます。パスタと和えたり、熱々のじゃがいもにかけたり、ドレッシングにしたり、いろいろ使えて便利なんですよ」

このソース、我が家にも常備したいです。シンプルなものって本当においしい。これぞイタリア料理の極みだなぁと、感動してしまいました。大人も子どももモリモリ食べること間違いなし。このソースで元気な夏野菜をたっぷり味わってみてください!

 

取材・文/岸綾香

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