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油まで絶品な「自家製ツナ」を作ってみよう!マグロの選び方解説も【沼津りえの季節の手仕事 #8】

季節の移ろいを感じながら、作る過程を楽しみたい「季節の手仕事」。旬の恵みを存分に味わう逸品を料理研究家・沼津りえさんが丁寧に解説してくれます。

今回は、家庭で仕込む「自家製ツナ」を紹介します。オイル漬けなので、長持ちする保存食としてはもちろん、年末に向けてホームパーティーなどでも大活躍してくれそうです!

サラダ、サンドイッチ、パスタ…オイルまでおいしく使える

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今回はマグロを好みのオイルで煮て、「自家製ツナ」を作ります。ハーブやにんにくが染みたオイルでじっくり煮込んだツナは、缶詰とはひと味違ったおいしさです。

「ポイントは身が固くならないよう、弱火でコトコトゆっくり煮込むこと。さらに冷蔵室で半日〜1日ほどじっくり漬けることで、味が染みた極上のツナに仕上がります。手仕事を楽しみながら、ぜひ手作りの味を試してみてください」(以下「」内、沼津さん)

【材料】(作りやすい分量)

メバチマグロ・・・150g

塩・・・小さじ1

にんにく・・・1片

タイム・・・1本

オリーブオイル・・・150ml

【作り方】

(1)マグロに塩を振る

マグロの両面に塩を振って全体になじませ、冷蔵室で30分〜1時間ほど置き、水気が出たらしっかり拭き取ります。

「塩を振るのは臭み取りと、下味の2つの効果があります。塩を振って出た水気が臭みの原因なので、しっかり拭き取ってくださいね」

(2)にんにくを切る

にんにくは半分に切って芽を取り除き、薄切りにします。

(3)鍋に材料を入れる

鍋にオリーブオイルを少量入れてからマグロを入れ、タイム、にんにくを入れ、残りのオリーブオイルをマグロが浸かるまで注ぎます。オイルに香りを付けたいので、にんにくはオイルに浸るようにしましょう。

「今回は150gのマグロに対して、150mlのオイルを使用。先にオイルを少量入れておくと、マグロが鍋底にくっつきにくくなります。タイムの代わりにローリエでもいいですよ」

(4)マグロを弱火で煮る

最初は中強火でオイルを温め、グツグツしてきたら弱火にして、6〜7分煮込みます。煮込んでいる間、途中で1度上下をひっくり返してください。

「強火で煮詰めるとマグロが固くなってしまうので、弱火で煮るのがポイント。オイルは好みのものを使ってOKです。もっと香りを楽しみたい人は、好みのスパイスを追加してみて」

全体が白くなったら火を止めて、最後は余熱で火を通します。

(5)保存容器に入れて漬け込む

保存容器にマグロを入れ、熱々のオイルも一緒に注ぎます。粗熱が取れたら冷蔵室で保存し、半日くらい漬け込むと食べ頃に!

「1日じっくり漬けると味が染みてよりおいしくなりますよ」

(6)できあがり!

半日〜1日以上、じっくり漬けたら完成です。保存期間は冷蔵で2週間を目安に食べ切ってください。最後はほぐしてオイルに全体が浸るようにして保存すると長持ちしますよ。

オイルに絡めながらツナをほぐし、バゲットにのせて食べるとGood! 味がしっかり染み込んだ極上のツナができました。缶詰とは違ってゴロッと食べ応えがあるのも、手作りならではのいいところ。これはいろいろな料理に使えそうな予感。

「サラダのトッピングにしたり、ゆで卵と一緒にマヨネーズで和えてサンドイッチの具材にしたり、チーズやトマトと合わせてオードブルにしてもいいですね。オイルにもハーブとにんにくの香りが染み込んでいるので、そのままパスタに使ってもおいしいですよ」

食べ方のバリエーションも豊富で、オイルまで余すところなく味わえるのもうれしい限り!

自家製ツナにおすすめのマグロはどれ? 

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ちなみに、マグロは種類がたくさんあるので、ツナにするのはどんなマグロがよいのでしょうか?

「ツナにするなら以下の3種類はどれで作ってもOK! 今回は手頃に買えて色もキレイなメバチマグロを使用しました。さらに、筋の入り方も大事なポイント。筋の入り方によって、食べたときの食感が変わってくるので、買うときにぜひチェックしてみて!」

【ツナにおすすめのマグロ】

◆メバチマグロ→赤い色が特徴。いわゆる寿司ネタになりやすい。価格もお手頃。

◆キハダマグロ→薄いピンク色。淡白な味わいでさっぱり。

◆ビンチョウマグロ→白っぽい色。缶詰に使われることが多い。

ちなみに「黒マグロ」や「本マグロ」は高価なので、ツナにするにはもったいないとのこと……。

【筋の入り方】

◆真っ直ぐに筋が入っている→「上」の食感。刺身にしたときに食感がよい。

◆斜めに平行に筋が入っている→「中」の食感。ツナにするなら、これで十分!

◆ランダムや曲線に筋が入っている→「下」の食感。筋張って、口当たりが悪くなる……。

これから年末に向けて、ホームパーティーの季節。自家製ツナをバゲットやクラッカーにチーズやトマト、ハーブなどと一緒にのせたら、オードブルとしても活躍しそうですね。市販のツナに比べて食べ応えも満点。アレンジもいろいろできて便利なので、ぜひ自家製の味を楽しんでみてください。

取材・文/岸綾香

【取材協力】

沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『野菜まるごと冷凍レシピ』(主婦の友社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu  YouTube  管理栄養士  沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」

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