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あじフライ用の「あじのおろし方」。お店のような仕上がりに!【沼津りえの神ワザ下ごしらえ #11】

ちょっとしたひと手間で料理の腕前がグンとアップする「下ごしらえ」を、料理研究家・沼津りえさんが分かりやすく楽しく解説。 

今回は、初夏に旬を迎える青魚「あじ」について紹介します。大きくて立派な旬のあじを自分でさばいて、あじフライにしてみませんか? 初心者でも動画を見ながら作れますよ!

あじフライ用なら3枚おろしよりもお手軽!

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よくお店で出てくる開かれた「あじフライ」。ふっくらとした身を存分に堪能できる、あの形がいいですよね。でも、どうやって開くの?という人も多いのではないでしょうか。今回は、あじフライのおろし方(背開き)を教えてもらいました。

「3枚におろすよりも手順が少ないので、こちらの方がお手軽です。自分でさばいたあじフライは新鮮で、身がふわっふわでおいしさも格別! 動画を見ながらぜひ試してみてくださいね」(以下「」内、沼津さん)

【作り方】

(1)ウロコを落とす

まずはウロコを落とします。尻尾から頭に向かい、ウロコの流れに逆らって包丁を動かします。裏表、同様に行います。

「包丁を真下に向けるとあじが切れるので注意してください。包丁の先端を使ってウロコをしっかり落としましょう」

(2)ゼイゴを取る

次はゼイゴ(硬いトゲ状の部分)を切り落とします。尻尾の方から包丁を入れ、包丁の先を上に向けて上下に動かしながら、硬い部分だけを削ぎ落とします。裏側も同様に切り落としてください。

(3)頭を落とす

腹びれは硬くて危ないので注意しながら、腹びれの下に切れ目を入れ、胸びれの下に包丁を当て、頭に向かって斜めに包丁を入れます。反対側も同様に包丁を入れると、頭の上でV字に切り込みが入ります。

中央の太い骨を切り落とし、頭を引くと自然と内臓を引き出せます。

(4)内臓を取る

肛門からお腹に向かって切り開き、内臓を取り出します。

「骨の所に血が入っているので、包丁で膜を切って掻き出してください。ここが臭みの原因になります」

(5)内臓を洗う

血合いを流水でよく洗い流します。魚に流水を当てると身が崩れてしまうので、ボウルなどに水を溜めながら水の中で洗うと身が崩れません。取り残した内臓もしっかり取って、何度かきれいな水に替えながら洗いましょう。

「この血合いが臭みのもとになるので、ここでしっかり洗ってください。真水で洗うと魚に付いている菌が死滅する効果もありますよ」

(6)水気を拭く

きれいに洗ったら、ペーパーなどで水気をしっかり拭きます。魚の中もしっかり拭いてくださいね。

(7)あじフライ用におろす

いよいよあじフライ用におろします。背びれに沿って背中に切れ目を入れたら、骨に沿って骨の真ん中くらいまで包丁を入れます。

「ザリザリとした音を聞きながら、骨に包丁を沿わせる感覚です。あまり包丁を動かすと身が崩れるので注意してくださいね」

魚を裏返し、同様に背びれに沿って切れ目を入れ、骨に沿って包丁を入れます。今度は骨に沿ってお腹の方まで開いてください。こうすると中骨が自然に外れているので、骨から身を切り離しましょう。

180°回転させ、反対側も同様に骨から身を切り離します。最後に中央に残った中骨を切り離したらOKです。

「中骨を包丁で取るのが怖い場合は、キッチンバサミで切るといいですよ」

(8)骨を取る

さらに真ん中に残った中骨を削ぎ落とし、真ん中にある硬い骨を切り落とします。

(9)骨を抜く

仕上げに骨抜き用のピンセットで細かい骨を抜きます。中指で骨の先を確認しながら抜き、抜いた骨は親指と人差し指でつまんで、続けて骨を抜いていきます。

「骨の向きに沿って抜くと身が崩れません。洗うと水っぽくなるので、手は洗わずにそのまま骨をつまみながらどんどん抜いていきましょう」

(10)できあがり!

これで、まるでお店のようなあじフライの形になりました!

身がふっくら! 少ない油でカラッと揚げてみよう

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今回は少ない油でフライパンでカラッと揚げます。

(1)衣を付ける

あじに塩、こしょうを軽く振り、小麦粉→卵液→パン粉の順で衣を付けます。尻尾に水が付いていると油がはねるので、粉は尻尾にもよく付けてください。

(2)少ない油で揚げる

フライパンの底面が隠れるくらい揚げ油を入れて熱し、菜箸を入れてシュワシュワと細かい泡が立ったら皮の方からあじを入れます。焼き色が付いたらひっくり返し、両面をこんがりと揚げましょう。

(3)できあがり!

きれいな焼き色のあじフライの完成です!

これは見るからにおいしそうな仕上がり。サクッとひと口食べてみると、身がふわっふわで感動! 市販のあじフライ用のものとはひと味違って、まるでお店のような味。さばきたてをフライにするとやはり格別のおいしさですね! 価格も手頃なので、ぜひ旬のあじを楽しんでみてください。

 

取材・文/岸綾香

【取材協力】

沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『野菜まるごと冷凍レシピ』(主婦の友社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu  YouTube  管理栄養士  沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」

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