初心者でも大丈夫!「3枚おろし」で魚の食べ方が広がる
null魚をさばくのは苦手、実は魚をさばいたことがない……はい、私もその一人です(汗)。そんな人にこそ、ぜひ見てもらいたいのが今回の動画。実は私、恥ずかしながら一度もちゃんと魚をさばいたことがなかったのですが、撮影後、帰ってすぐに一気に5尾もおろせました!
「魚の中でもさばきやすい“あじ”を使って、3枚おろしにする方法を紹介します。包丁は家庭で使用する普通の三徳包丁でOK。コツさえつかめば初心者でもおろせるようになりますよ!」(以下「」内、沼津さん)
沼津さんはレストランでの修業時代、お店で使う鯛や平目、ぶりなどを毎日大量にさばいていたそう。コツをしっかりつかんでいるので、初心者でもとても分かりやすく解説してくれました。
【3枚おろしにする方法】
(1)ウロコを落とす
まずはウロコを落とします。ウロコは飛び散るので、新聞紙などを敷いてください。尻尾の方から包丁を当てるとウロコが取れやすく、包丁の先を使ってウロコをしっかり落としましょう。裏側も同様にウロコを取ります。
(2)ゼイゴを取る
次はゼイゴ(硬いトゲ状の部分)を切り落とします。尻尾の方から包丁を入れ、上下に動かずとゼイゴが取れます。裏側も同様に落とします。
「包丁の先を上に向け、硬い部分だけを薄く削ぎ落とすイメージです。ゼイゴは尖っているので気をつけて行ってくださいね」
(3)頭を落とす
頭の上はV字に切り落とすのがポイント。腹びれは硬くて危ないので注意して、滑るときはペーパーなどで魚を押さえながら、斜めに切り込みを入れておきます。
胸びれの下に包丁を当て、頭に向かって斜めに包丁を入れます。反対側も同様に包丁を入れると、頭の上でV字に切り込みが入りました。
中央の太い骨を切り落とし、頭を引くと自然と内臓が取れました!
(4)内臓を取る
頭が取れたら、肛門からお腹に向かって切り開き、内臓を取り出します。
「内臓は包丁で掻き出してもOK! 骨の所に血が入っているので、包丁で膜を切って掻き出してくださいね」
(5)内臓を洗う
内臓が出たら、血合いを流水でよく洗い流します。魚に流水を当てると身が崩れてしまうので、ボウルなどに水を溜めながら水の中で洗うと身が崩れません。取り残した内臓もしっかり取って、水洗いはこれで終わりなので、ここできれいに洗っておきましょう。
「この血合いが臭みのもとになるので、しっかり洗ってください。どんな魚も血合いをきれいに取ることが大事ですよ!」
(6)水気を拭く
きれいに洗ったら、ペーパーなどで水気をしっかり拭きます。魚の中を拭くのも忘れずに。
(7)2枚におろす
ここまで準備ができたら、いよいよ2枚におろします。背びれに沿って背中に切れ目を入れたら、骨に沿って骨の真ん中くらいまで包丁を入れます。
「ザリザリとした音を聞きながら、骨のギリギリに包丁を沿わせるような感覚です。あまり動かすと身が崩れるので注意してくださいね」
魚を回転させ、お腹の方にも切れ目を入れ、同様に骨に沿って真ん中まで包丁を入れます。背中とお腹の上下から包丁を入れたら、真ん中辺りで身を貫通させ、尻尾に向かって切り離します。さらに、頭の方に向かって身と骨を切り離します。
真ん中の大きな骨を切り離すとき、包丁だと心配な人はハサミで切り離してもOKです。これで2枚におろせました!
(8)3枚におろす
次は、反対側についている身をおろして3枚にします。身をひっくり返し、同様に今度はお腹の方から骨に沿って包丁を入れ、さらに背中の方からも骨に沿って包丁を入れます。真ん中から身を貫通させ、身と骨を切り離したら終了です。
(9)できあがり!
これで3枚おろしが完成! キレイに3枚におろせました。
ムニエルやフライ、鮮度が良ければ刺身にも
nullここまでできたら、あとは好きなように調理していただきましょう。お刺身でいただく場合は、新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除くなど、寄生虫対策にも気をつけたいところ。kufuraの記事も参考にしてくださいね(猛暑時は特に注意!家庭でできる「食中毒」対策を今日から始めよう)。
ここでは、小骨や皮の取り除き方を解説します。
(1)お腹の骨を取る
お腹側の骨を薄く削ぎ落とし、形を整えて切り落とします。
「身を切りすぎないように、包丁をすくい上げるようなイメージで骨を削ぎ落としましょう」
(2)細かい骨を取る
骨抜き用のピンセットを使って、中央の細かい骨を抜きます。このとき、身が崩れないよう必ず骨の向きに沿って抜いていきます。
中指で骨の先を確認しながら、抜いた骨は親指と人差し指でつまむとスムーズです。
「手を水で洗うと水っぽくなるので、抜いたらつまみながらそのまま抜いていきましょう」
(3)皮をむく
刺身で食べるときは皮をむきます。頭の方から皮を少しはがしてから、ペーパーなどで皮を持ち、包丁の背で皮を左右に引きながら、ゆっくりはがしてください。
「身を崩さないようにやさしくはがしてください。皮が滑りやすいときは、ペーパーを使うといいですね。ムニエルなど、焼いて食べるときは皮付きのままでもOKです」
(4)刺身にする
そぎ切りにして食べやすく切ったら、あじの刺身の完成です!
なかなか大変な作業に見えますが、「慣れれば早いですよ。これさえできれば、どんな魚も同じようにさばけます」と沼津さん。
早速、自宅に帰って無謀にもさばいてみました(笑)。5尾一気におろしたところ、最初は難しかったのですが、段々慣れてきて手際もよくなってきたかも?
うちの包丁は研ぎが甘かったので、出刃包丁を使う必要は全然ないのですが、切れ味のよい包丁の方がスムーズにさばけます。まとめて全て3枚におろしておき、なめろう、アジフライ、ムニエルなど、数日いろいろな味を楽しみました!
3枚におろせると、使い方のバリエーションも広がって、魚料理の幅がグンと広がります。ぜひこの機会にマスターしてみてくださいね。
取材・文/岸綾香
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『野菜まるごと冷凍レシピ』(主婦の友社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」