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「ミシンの縫いはじめ」で糸がグチャ!「鳥の巣」回避の簡単すぎるコツ【大人のお裁縫レッスン#8】

DIY

ミシンで縫ったあとに布の裏側を見てみると、縫いはじめ部分(返し縫いしたあたり)だけグチャグチャっと糸が絡まっている……なんて経験はありませんか? 意外と起こりがちなこのトラブル、どう防いだらいいのでしょう?

そこで今回も、裁縫教室の講師を務める“たま先生”こと、常田玲美さんに、縫いはじめに糸が絡まる原因とその対策方法を教えてもらいました!

縫いはじめた布の裏側で糸が絡まってしまうのはなぜ?

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「生地の裏の、縫いはじめ部分に生じることの多い糸の絡まりを、お裁縫用語で“鳥の巣”と呼びます。

“鳥の巣”とは、下糸が上糸を引っ張って巻き込みグチャっと絡まった状態のものを指します。似たものに、糸調子が悪くて起こる“糸だんご”というものもあり、両者をまとめて“鳥の巣”または“糸だんご”と呼ぶ場合もありますが、本記事では、下糸に引っ張られて上糸が絡まってしまう場合の“鳥の巣”についてお話していきます。

この“鳥の巣”、じつは自動糸切り機能を搭載したミシンだと、より起こりやすいと言われているんですよ」(以下「」内、たま先生)

自動糸切り機能はとても便利な反面、“鳥の巣”ができやすくなるとは知りませんでした! でも、なぜなのでしょう……? 調べてみました。

自動糸切り機能がないミシンでは、下糸・上糸ともに10cmほど伸ばして引き出し糸をカットし、次に縫い始めるときは邪魔にならないよう、自然と糸を押さえの奥へと向けてから縫っていたため、上糸は巻き込まれにくかったようです。

しかし、自動糸切り機能のミシンの場合、上糸は押さえの奥へと向けられることなく短めにカットされ、ふらついた状態となりやすい。そのまま縫い始めてしまうと上糸が下糸に巻き込まれやすく、鳥の巣ができやすくなってしまうと考えられているようです。

どうやら上糸の扱いに原因があるようですね。では、自動糸切り機能のあるミシンで“鳥の巣”を回避するにはどうしたらいいのでしょうか。

超簡単!「鳥の巣」回避テクニック

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たま先生曰く、縫いはじめをほんのちょっと意識してあげるだけでよいそう。縫いはじめ3ステップ、中でもステップ2と3がポイントです。

(1)上糸を押さえの下に通す

(2)上糸を奥側に引っぱり指で軽く押さえる

(3)上糸を指で軽く押さえたままゆっくり縫う

なんとこれだけ!

「ミシンの動きを妨げないよう、指はそっと上糸に添えるイメージで。指は、返し縫いし終わったくらいを目安に離していただいてOKです」

今回分かりやすくするために、上糸(赤)と下糸(生成り)で色を分けてもらいました。失敗例を見ると、赤い上糸がグチャっと絡まり、鳥の巣になっているのが分かりますね。

上記でご紹介したワンアクションで、“鳥の巣”を回避できたのが写真右のお手本。すっきりして見た目も美しい!

糸の絡まりがひどいとごわつきますし、最悪やり直さねばならずストレスに……。原因と対処法を覚えて、鳥の巣とはおさらばしましょう。

次回は、同じくミシンでの縫いはじめに起こりがちなトラブルのひとつ、「布のくいこみ」回避法をご紹介します!

 

構成/kufura編集部

常田玲美(たま先生)
常田玲美(たま先生)

洋裁講師。

文化女子大学(現・文化学園大学)服装学部服装造形学科を卒業後、伊勢丹新宿店にて、紳士服のお直しの仕事に携わる。自身主宰の裁縫教室での講師のほか、ミシンメーカーでのワークショップの開催、出版物へのレシピ提供などで活躍中。現在は、毎月大人・子ども合わせて約40名以上の生徒をレッスン中。

『裁縫の楽しさを一人でも多くの人に』を目標に、Instagram(@nuinui.tamama)などで生徒作品や裁縫のちょっとしたテクニックを発信中。

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