手ごわいニットは、布用両面テープで貼ってから縫う!
nullファスナーなし「枕カバー」の作り方
【材料】1枚分
(仕上がりサイズ)約 縦46×66cm
※枕の標準サイズ43×63cmを基準に制作
・表布(ボーダー)48cm×68cm
・裏布 a 48×69cm
・裏布 b 48×23cm
・アイロン熱接着両面テープ
・ミシン糸
※手持ちの枕で作る場合は下記を参照
・表布 枕のタテ寸法+5cm × 枕のヨコ寸法+5cm
・裏布 a 枕のタテ寸法+5cm × 枕のヨコ寸法+6cm
・裏布 b 枕のタテ寸法+5cm × 23cm
【道具】
・印つけ用ペン
・ミシン
・アイロン
【下準備】
今回セレクトした生地は、もっちり滑らかな肌触りの「天竺ニット」。
ニットは縮みやすいので、こうしたニットを使う場合は、はじめに「水通し」という作業をしておきましょう。
あらかじめ水通しをしておくことで、今後の洗濯で生地が縮みにくくなります。
<水通しの手順>
- 水を張ったおけなどに生地を浸し、重しをのせて1時間ほど置く
- 軽く水を絞り、洗濯機で脱水する
- 陰干しする
- 乾いたら、全体にアイロンをかける
(1)袋口を三つ折りにする
裏布aの短辺と、裏布bの長辺(それぞれ片方のみ)を、アイロンで幅1cmの三つ折りにします。
「この時、布を一定の幅でまっすぐに折るためのアイロン定規というアイテムがあると便利です。厚紙などに1cmごと目盛りを書いて自作したものを使ってもいいですし、100均などにも手に入りますよ。
三つ折りする時のポイントとして、伸びやすい生地の場合は引っ張りすぎないよう注意しましょう」(以下「」内、たま先生)
2度目の折りを開いてアイロン熱接着両面テープをはさんだら、アイロンを5秒ずつ押し当てながら貼り合わせていきます。
「ズレないようにするため、両端、中央の順に接着させていきましょう。ちなみに、今回使った接着テープは不織布のような“蜘蛛の巣”タイプ。剥離紙をはがす手間がかからない上、手でちぎることができて扱いやすいんですよ」
その後、ミシンのジグザグ縫いモードで、三つ折りのきわを縫います。
「ヨレやすい布の場合は、軽く布を引っ張りながらゆっくり縫ってみてください」
(2)布を貼り合わせる
null表布と裏布aを中表に重ねます(三つ折りしていない方の短辺同士を揃える)。
先ほどと同じ要領で、3辺(写真右上のイラスト参照)をアイロン熱接着両面テープで貼り合わせます。
次に、裏布bを重ねます(オモテ面を下に&三つ折りしていない辺を外側に)。
外側の辺をアイロン熱接着両面テープで貼り合わせたら、いよいよミシン作業です。
(3)四辺を縫う
null四辺の布端1cmの位置を、ミシンでジグザグ縫いしていきます。
「布を3枚重ねたところの布端を縫う時は、裏布aの三つ折り部分を縫い込んでしまわないよう気をつけてください(右のイラスト参照)。
もし縫ってしまうと、枕を入れることができなくなってしまうので気をつけましょう。
四辺を縫う時は、多くのミシンの針板についている目盛りを活用すると、縫い代1cmがキープしやすいですよ」
1周縫い終わったら、返し縫いの代わりに縫いはじめを2cmほど縫い重ね、ミシン作業は終了!
(4)仕上げ
null四辺の縫い代をアイロンで倒したら、袋口から布をオモテに返し、縫い目にアイロンをかけていきます。袋口にアイロンをかける時は、表布を2mm内側に折りこむようにします。
「これらの“ひと手間”でぐんとキレイに仕上がりますよ」
全体にもさっとアイロンをかけたら完成です!
“あわせ式”は枕の出し入れが簡単で、ファスナーがなく畳みやすいのもポイント。なにより、天竺ニットのもっちりと心地いい肌触りが枕カバーにぴったりです!
ただ、ニットって布端がくるくると丸まりやすいですよね……。たま先生曰く、「ニットソーイングでは定番の天竺ニットは、特に丸まりがちな生地」なのだそう。
丸まりを伸ばしつつ、ヨレないよう気をつけながら縫っていくのはものすごーく骨が折れる……ということで、お助けアイテム、アイロン熱接着両面テープの出番! 布端を貼り合わせることで丸まっていく煩わしさがなくなり、断然扱いやすくなりました。
直接肌に触れるものだからこそ、肌触りのいい生地で作れたらうれしいですよね。ご紹介した手順を参考に、“天竺ニットの枕カバー作り”に挑戦してみませんか?
構成/kufura編集部
洋裁講師。
文化女子大学(現・文化学園大学)服装学部服装造形学科を卒業後、伊勢丹新宿店にて、紳士服のお直しの仕事に携わる。自身主宰の裁縫教室での講師のほか、ミシンメーカーでのワークショップの開催、出版物へのレシピ提供などで活躍中。現在は、毎月大人・子ども合わせて約40名以上の生徒をレッスン中。
『裁縫の楽しさを一人でも多くの人に』を目標に、Instagram(@nuinui.tamama)などで生徒作品や裁縫のちょっとしたテクニックを発信中。