ステッチがかわいい“オリジナル靴下”に!
null【材料】
・刺繍糸
(タテ糸・ヨコ糸 各4,50cmほど)
【道具】
・手縫い針
・糸切りばさみ
・印つけ用ペン
・ダーニングマッシュルーム
(今回はおもちゃのカプセルを使用)
・指ぬき(適宜)
(1)土台をセットする
靴下にカプセルを入れて穴にあてがい土台とします。
「ある程度布を張って縫いやすくするためには土台が必要です。きのこのような形をしたダーニングマッシュルームという専用ツールもあるのですが、お持ちでない方は、わざわざ買わずともおうちにあるもので代用できますよ。
今回はおもちゃのカプセルを使いましたが、おたまや電球などでもOK。丸みがあって靴下に入るサイズのものをさがしてみてくださいね。
穴を広げてしまわないよう、強く引っ張りすぎないよう気をつけましょう」(以下「」内、たま先生)
(2)タテ糸を縫う
穴の周囲約3mmの位置に線を引きます。
糸は、6本取り&玉結びなしのものを用意。最初に玉結びの代わりに、返し針(針を出したところから2mmほど戻った位置に針を入れながら縫う)をしていきます。
まずは線の2cmほど外から針を入れ、線と穴の間くらいに出します(糸端は5cmほど残す)。返し針をしながら3針ほど縫い、最後のひと針を線上(写真内のイラスト参照)に出します。
「玉結びや玉留めの代わりとして、糸が抜けにくくなる“返し針”をします。玉結びや玉留めをしてしまうと、どうしても靴下の中でゴロついて肌あたりがよくありません。その点、返し針なら結び目ができないため、ゴロつき感なく履くことができますよ」
糸の幅分ずらしながら、線上にタテ糸を渡していきます。
「ひと針ごと引き出した糸を反対側に返すと、針を入れる時のリードになりますよ」
穴を覆ったら、縫ってきたタテ糸の隙間で3カ所ほど返し針をします(玉留めの代わり)。最後のひと針は2cmほど外に出して、最初に残した糸端とともに糸切りばさみでカット。布を軽く引っ張り、糸端を生地の中に引き込んだら、タテ糸は完成です!
(3)ヨコ糸を縫う
2cmほど離れた位置から針を入れ、玉留めの代わりにタテ糸の隙間で3回ほど返し針をします。最後のひと針はタテ糸の角に出します。
ヨコ糸を通しやすいように持ち替え、ここからはタテ糸を1列おきにすくっていきます。
「1段目の糸をすくっていくのはなかなか大変ですが、ここできちんととっておくと、あとがやりやすくなります。タテ糸をすくうときに、布をすくって縫ってしまっても問題ありません」
端まできたら、タテ糸に沿って2mmほど縫ってから次の段に。前段とは互い違いになるようタテ糸をすくっていくという作業を繰り返します。
「糸をすくったら、機織りのイメージでギュッと糸を詰めていくと仕上がりがキレイに見えますよ」
(4)糸処理
最終段まで縫ったら、折り重なった糸の下で、ほどけないようしっかりと2、3回返し針をします(位置はどこでもOK)。
最後のひと針は外に出し、玉留めせずに糸切りばさみでカットし、糸端を生地の中に引き込んだら完成です!
織り物のような見た目でかわいく穴をふさぐことができました!
今回のように色の組み合わせてオリジナリティを出すもよし、靴下と同色の糸で目立たなくさせるもよしですね。
ミシンでお直しする方法も教えてもらったのですが、どうしても縫い代が残って履いていると違和感を感じやすくて……。その点、玉結び&玉留めなしのダーニングなら、ゴロつき感がなくて履き心地も申し分なし!
「糸を6本取りにするのは、糸を太くして穴を埋めやすくするためです。なら毛糸でも?と思われるかもしれませんが、人によってはゴロつき感を感じやすいので、滑らかな触り心地の刺繍糸が向いています。
糸がうねってクセがついているようなら、針に通す前にアイロンで伸ばしておくと絡まりにくくなりますよ」
とたま先生からのワンポイントアドバイスも。
穴があいたからポイではなく、お直しして長持ちさせていく……。モノに愛着がわいて大切に扱う気持ちも培われそうです。いろんなものが簡単に手に入りやすい今だからこそ、身につけたいスキルなのかもしれませんね。
構成/kufura編集部
洋裁講師。
文化女子大学(現・文化学園大学)服装学部服装造形学科を卒業後、伊勢丹新宿店にて、紳士服のお直しの仕事に携わる。自身主宰の裁縫教室での講師のほか、ミシンメーカーでのワークショップの開催、出版物へのレシピ提供などで活躍中。現在は、毎月大人・子ども合わせて約40名以上の生徒をレッスン中。
『裁縫の楽しさを一人でも多くの人に』を目標に、Instagram(@nuinui.tamama)などで生徒作品や裁縫のちょっとしたテクニックを発信中。