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かわいい鳥の正体は?注目の雑貨「mamoru(マモル)」シリーズのモチーフは日本の「絶滅危惧種」。作り手の思いを聞きました

『KATOKOA(カトコア)』という、ちょっとめずらしい名前の雑貨ブランドをご存じでしょうか? “毎日の暮らしを楽しく・快適に・心地よく”をコンセプトにしたブランドで、エコバッグなどを販売しています。そんな『KATOKOA』から派生した「mamoru(マモル)」シリーズ。こちら、絶滅の恐れがある日本の生きものたちをデザインし、売り上げの一部が「野生動物保護募金」に寄付される、素敵な商品なのです。

「mamoru(マモル)」との出合いは「ロフト」。

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「巾着ポーチ エトピリカ」3,630円

「KATOKOA mamoru」のシリーズを初めて見たのは、生活雑貨店の『ロフト』でした。丁寧に刺繍が施されたトートバッグや巾着ポーチ、カラーバリエーションがたくさんあるのもかわいかったですし、タオルハンカチもありました。

実は個人的に“オオハシ”という鳥が好きで、昔から“オオハシグッズ”を買い集めているのですが、なかなか“オオハシ”をモチーフにしたグッズってないんです。そのため、常にアンテナを張り巡らせているのですが、そのアンテナに写真の“エトピリカ”の巾着バッグやトートバッグが引っかかったのです。

エトピリカアイテムだけでもこんなに。

誤解しないでいただきたいのですが、“エトピリカ”と“オオハシ”は“科”も“属”もまったく違う鳥です。しかし、私からすると“こんもりとしたカラフルなくちばしをしている、黒くてかわいい鳥”ということでアンテナに引っかかってきたのです(笑)。

「日本でオオハシグッズが見つかるなんてめずらしい(このときまだ“エトピリカ”と混同中)!」と感心しつつ一緒に並ぶ他の商品にも目をやると……蜂(正式には「ルリモンハナバチ」)や鶴(正式には「丹頂ヅル」)、ふくろう(正式には「シマフクロウ」)や鮭(正式には「ベニザケ」)がモチーフになっていて、明らかにこの“動物”のセレクトには何か意味がある!と思わせるものがありました。

売り場をきょろきょろしているとPOPが置いてあり、この「KATOKOA mamoru」というシリーズは、絶滅の恐れがある日本の生きものたちをデザインを通じて紹介し、売り上げの一部を公益社団法人 日本動物園水族館協会「野生動物保護募金」に寄付すると書いてありました。

絶滅の恐れがある生きものたちが、ものすごいスピードで増えている現状

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モチーフになった動物たちはすべて絶滅の恐れが。

普段から、動物の保護活動に関心があったので、すっかり「KATOKOA mamoru」に興味津々。そこで作り手である、『川辺株式会社』の石井和也さんにお聞きしました。

「『KATOKOA mamoru』シリーズが生まれたのは、日本動物園水族館協会の方とお話をしたことがきっかけでした。過剰な土地開発や工場汚染、乱獲や密猟、外来種の持ち込み、地球温暖化気候変動の影響などによる絶滅危惧種の加速度的な増加が深刻な問題であること、動物園・水族館はその絶滅危惧種の保護に取り組んでいることを伺いました。

絶滅危惧種を守ることは、環境を守ることでもあり、最終的には私たち人間の生活を守ることにつながります。そこで多くの人が手に取りやすい日常雑貨を通じて、この問題を発信できないものかと考えたのです。そうして生まれたのが『KATOKOA mamoru』です。

1人でも多くの方に、『KATOKOA mamoru』の商品を通じて、絶滅危惧種のこと、動物たちの深刻な状況のこと、環境のことを知っていただけたらと思っています」(石井さん)

グッズは全50類。モチーフになる動物たちは毎年変わる。

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「ドキュメントケース(ベニザケ)」4,180円(税込/以下同)

「KATOKOA mamoru」は2022年に発足。9種類の絶滅危惧種(イタセンパラ、コウノトリ、イリオモテヤマネコ、チョウ〈ヒメチャマダラセセリ・オガサワラシジミ・ギフチョウ・ウスバキチョウ〉、ヤンバルクイナ、イシカワガエル、アカウミガメ、ホンドザル、ツキノワグマ)をモチーフにしてスタートしました。

翌年2023年からは毎年10種類の絶滅危惧種をモチーフにしています。イラストはジャスミン・フルフォードさんが手がけています。動物たちの個性がよくわかる、インパクトあるイラストですよね。

アイテムも当初は、ミニタオルと刺しゅうバッグ1サイズだけでしたが、現在は扇子や巾着も増えました。グッズの種類が増えてくれると私たち買い手も選択肢が広がるのでありがたいですよね。

いちばん買いやすいのは770円のタオルハンカチ

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「タオルハンカチ(ルリモンハナバチ、トド)」各770円

はじめて買う方におすすめなのは、タオルハンカチ。誰もが使うものですし、お値段も770円と負担になりません。ちょっとしたギフト使いにもいいですよね。

ちなみにハンカチタオルの人気ランキング、1位はエトピリカ。

2位はライチョウ、3位は丹頂ヅル。なぜか鳥たちが大人気の結果となりました。

トートバッグは肩掛けできるタイプなので、使いやすさ◎。

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「バッグ(小)ジュゴン」3,850円

レジ袋タイプのバッグは、大と小の2サイズあり。私は写真の小サイズを使っていますが、長財布・携帯電話・手帳・ポーチ、ハンカチ、ティッシュくらいならラクラク入ります(内ポケットもあり)。

ショルダーベルトは取り外し可能。手提げ状態だけだと手が使えないので、時折不便に感じることもあったのですが、ショルダーがつくことで両手が使え、こんなにも使い勝手が良くなるとは思わず、びっくりしました。

手洗い洗濯が可能。中生地には、環境に配慮した再生ポリエステルを使用しています。

コンプリートしたくなるラインナップ。

そして何よりもこのバッグシリーズの魅力は、味のある刺しゅう。立体感が加わり、光の角度によって見え方も違うので、動物たちがよりいきいきとして見えるんです。

ちなみに私はジュゴンをセレクト。

子どもの頃からなぜかジュゴンが大好きで、学生時代から募金を続けてきた思い入れのある動物。しかしあまりグッズがなく、いつも残念に思っていたところ、まさかの発見! 個人的に非常にうれしく思いました。

ちなみにバッグの人気ランキングは1位がエトピリカ。

2位がツシマテン、3位がニホンアシカだそう。

ポーチにもポシェットにもなる「巾着ポーチ」

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「巾着ポーチ エトピリカ」3,630円

「巾着ポーチ」もバッグと同じく、細やかな刺しゅうが魅力。こちらも取り外し可能なショルダーベルト付きです。ベルトを外して巾着ポーチとして使ってもいいですし、ベルトを付けてポシェットとして使ってもOK。

私は、この「巾着ポーチ」、取材などで出かける際、メインバッグとは別のサブバッグとして、頻繁に出し入れする携帯電話(i-Phone8のplusサイズですが、入ります)、交通系ICカードが入ったケース、小さいコスメポーチ、タオルハンカチ、内ポケットにティッシュを入れています。

バッグも巾着ポーチも軽く、小さく折りたためるので、旅行に持っていくのにもおすすめです。ホテルに荷物を置いて身軽に出かけたいとき、こういう“必要最低限のものだけ入れるバッグ”ってあると便利ですものね。

こちらも人気ランキング第1位はエトピリカ。

続いて2位はツシマテン、3位はライチョウだそう。どのアイテムにおいてもエトピリカの人気はすごいですね!

「私もぜひ欲しい!」という方は、『Amazon』などでも購入できますが、全種揃うのはやはり公式オンラインショップがおすすめです。

こうした動物たちの保護活動に興味のある人って、実はたくさんいらっしゃると思うんです。でも「どうしたらいいのかわからない」という人が大半なのではないでしょうか。私もそうです。だからこそ、こうした“買って応援”できる商品がどんどん登場してくれるとありがたいですよね!

 

【参考/取材協力】

KATOKOA mamoru

中田ぷう
中田ぷう

編集者・フードジャーナリスト。多くの料理本や暮らしの本、キャンプ本を手がける。自著に子どものごはん作りの闘いを描いた『闘う!母ごはん』、『素晴らしきお菓子缶の世界』(共に光文社)がある。 プライベートでは猫2匹&犬1匹と小学生、大学生の女の子の母。ハワイじゃなくてグアムラバー/スターウォーズマニア/アダム・ドライバーファン。Instagram

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