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もはや感動の域!地球から生まれ地球に還る…「リサイクル」で考えるお菓子缶【中田ぷうのお菓子缶の世界・番外編】#15

いつもはかわいかったり、おしゃれだったりする注目のお菓子缶をご紹介しているこの連載ですが、今回は、今、世界的に関心が高まっているリサイクルの観点から「お菓子缶の魅力」に迫ってみたいと思います。

“鉄”から作られるお菓子缶。

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3歳からお菓子缶の魅力にとりつかれ、今年で47年。でもその間、お菓子缶の素材に着目したことはありませんでした。興味があるのはデザインのことばかり……。しかし今年、製缶会社の方々や、そもそもお菓子缶の原料である“鉄”を取り扱う製鉄会社の方々にお話を伺う機会が増え、お菓子缶がいかに素晴らしい素材からできているかを、改めて知ることができました。

「お菓子缶は“鉄”からできています」。そう言われて驚いてしまったのですが、よく考えたらお菓子缶に磁石がくっつくのは鉄だからですよね。そしてこの”鉄“からできている、ということが高いリサイクル性に繋がっていくのです。

鉄からできているお菓子缶には磁石がくっつきます。

想像してみてください。

例えばゴミ箱に分別しないでいろんなゴミを捨てたとしましょう。紙くず、ビニール袋、そしてお菓子缶。そこに強力な磁石を持ってきます。ゴミ箱に掲げれば、お菓子缶だけが磁石に反応し、ピタッ!とくっつき一瞬で分別できる……清掃の現場においてゴミの分別が非常にラクな素材なのです。

 

でも、私たち素人は「分別されたからってどうなの……?」と思ってしまいますよね(笑)。

“鉄”は硬く強固なイメージですが、実は何よりも柔軟性のある素材。そのため回収されたお菓子缶=鉄の加工品は溶かされ、不純物を取り除き、再度“鉄”に戻り、ビルの建材や車、家電の部品となってまた私たちの元に戻ってくるのです。

地球から生まれ、地球に還っていく素材「鉄」

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ではお菓子缶の原料となる“鉄”は一体どこから取れるのでしょうか。私も今までそんなこと考えてこともありませんでした。

“鉄”は地球からとれます(※)。

つまりスーパー天然素材なのです。しかも“鉄”は地球上に最も多く存在する素材であり、採掘可能量にほぼ制限がありません。何しろ地球の総質量の約1/3が“鉄”なのです。

そもそも地球の大きさを理解できていないので「総質量の1/3です!」と言われても、まったく想像がつかないのですが、とにかくすごい量であることは確かです。人間の知恵から生まれた素材も素敵ですが、地球にそもそもある天然の素材からお菓子缶が作られている……ここにもものすごいロマンを感じませんか。

※厳密には鉄の原料となる鉄鉱石のこと。

そして鉄は最後、腐食し(錆びること)、土になって地球に還っていきます。この壮大なループ! お菓子缶の裏にこんなストーリーがあるなんて今まで知りもしませんでした。しかし知った今は、感動の嵐。やはりお菓子缶ほど素晴らしいものはないですよね(オタクの独り言です)。

多分2,000缶以上ある、私の膨大な缶のコレクション。いつかは手放さざるを得ないときがやって来ます。今までも収納とのバランスを考え、泣く泣く缶を手放してきましたが、こうした缶の無限に続くリサイクルストーリーを聞くと少しだけ心穏やかに手放せる気がするのです。

それでは最後に、私でも鉄のリサイクル性が理解できた、とってもわかりやすい動画もどうぞ。

監修:日本製鉄株式会社

中田ぷう
中田ぷう

編集者・フードジャーナリスト。多くの料理本や暮らしの本、キャンプ本を手がける。自著に子どものごはん作りの闘いを描いた『闘う!母ごはん』、『素晴らしきお菓子缶の世界』(共に光文社)がある。 プライベートでは猫2匹&犬1匹と小学生、大学生の女の子の母。ハワイじゃなくてグアムラバー/スターウォーズマニア/アダム・ドライバーファン。Instagram

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