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【おうちでできる防災訓練】親子で「非常食ランチ」を体験。保存食も進化しています!

以前、東日本大震災で被災したママたちを取材したことがあり、そのママたちに「普段から非常食を食べておき、どこのメーカーの味が自分たちに合うのか確かめておいた方がいいですよ。避難生活は体力勝負ですから、きちんと食べられるものを自分たちで普段から準備しておくことは大切です」と言われ、それ以来1年に1度、ローリングストック(※)を兼ねて家族で非常食を食べています。でもこれが本当に勉強になり、大人にとっても子どもにとってもいい体験と知識になるので、ぜひ皆さんにもおすすめしたいと思っています。

※ローリングストックとは、日常的に非常食を食べ、食べたら新しいものを買い足すことを繰り返すことで、常に新しい非常食を備蓄する方法。

いちばんの問題は“お米”!

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被災したママたちにまず言われたのが“お米問題”。「非常食のお米といったらアルファ米。作り方はどこのメーカーもほぼ同じだけれど、味は各社全然違うから普段から食べておき、どこメーカーの味が自分たちに合うのか知っておいた方がいいですよ」とのこと。

今回、スーパーで見つけた2社のアルファ米を比べてみましたが(『アルファー食品』の「安心米白米」100g/約280円と、『イザメシ』の「ごはん」100g(1人前)/約320円)、私は『イザメシ』のものが好き。『アルファー食品』のものは匂いとボソボソ感が堪えられませんでした。しかし下の子どもは『アルファー食品』のものが好きで、バクバクと食べており、上の子に限っては「どちらでもいい」という結論に(この日、お父さんは不在で意見を聞けませんでした)。

このように“たかがお米”でもこれだけ好みが分かれるので、普段から誰がどこのメーカーのものが好きか知っておくことは大切ですよね。

当時、救援物資を送った先のママさんからも、「寒くて殺伐とした避難所にいると食事の時間だけが楽しみで……。でもそれが自分に合わないごはんだったりすると、非常時なせいもあってか普段は我慢できるのに、どっと落ち込んじゃって……。だからこそ自分が好きな非常食を用意しておくことはとても大切」と言われていたので、お米問題は普段から取り組んでおくといいと思います。何しろ日本人の主食ですものね。

評判のいい、ごはん缶詰シリーズ

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左下から時計まわりに『サンヨー』の「牛めし」「五目めし」各314円、『𠮷野家』の「缶飯 豚丼」「缶飯 牛丼」「缶飯 焼塩さば丼」各約540~645円

そしてこちらの缶詰は家族全員が「おいしい!」と納得したごはん缶詰シリーズ。TV番組などでも取り上げられたとかで、知っている方も多いかもしれません。

『サンヨー』の「五目めし」「牛めし」はごはん入りなことはわかりますが、『𠮷野屋』の「牛丼」や「豚丼」、「焼塩さば丼」も具だけでなく、ちゃんとごはんも入っています。

しかも『𠮷野屋』の缶詰はごはんが玄米なので(しかも胚芽の大きい高性能玄米「金のいぶき」を使用! ちなみに『サンヨー』の缶詰はもっちもちの白米です)、しっかりとおなかにたまり、お母さんと子どもなら1缶を2人で分けて食べてもおなかいっぱいになるくらい! 満足度が非常に高いです。しかも常温でもおいしく、こちら、わが家はセット買いすることに決定!

おかずも冷たいもの、温めたものを食べ比べてみよう!

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『イザメシ』シリーズの「煮込みハンバーグ」462円と「まんぞく豚汁」408円

そして今、さまざまな種類が出ている非常食のおかず。湯せんや電子レンジで温めて食べるのが理想ですが、いざ非常時になったら温められるかわかりません。なのでまずは温めずにそのまま食べてみて、食べられるのか、食べられないのかを探ります。

もちろん温めた方が数倍おいしいのですが、そのままでも全然問題ないおいしさ! 今から10年ほど前に、毎年防災キャンプに参加して非常食を食べていた上の子などは、「今の非常食、こんなにおいしいんだね。昔はまずくてびっくりしたけど……」と話していて、“非常食の発展”にも気づかされました。

パンも好みのものを探そう!

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今、保存が効く缶入りのパンもさまざまな味のものが出ていますので、ぜひ食べ比べてみてください。しかも意外なほどおいしいんですよ。お値段は大体ひと缶540円ほど。

こんな風に薄紙に包まれて缶の中に入っています。デニッシュ系のパンなので、甘くて子どもも食べやすいのが特徴。

被災者ママさんたちの「毎日毎日、茶色・灰色の世界を見ていると気分が沈んできちゃうんだけど、そんなときちょっと甘いものを食べると気持ちがほっとするというか、満たされるんですよね。不思議なくらい。生まれて初めて“甘いものの癒す力”を震災のとき知りました」という言葉を覚えていたので、うちはこうした甘いパンもストックしています。

気持ちの余裕がなくなるときだからこそ、“エンタメ性があるもの”も用意

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そして多くの被災者ママさんたちから後日、聞かされたのが「とにかく被災時は、何も楽しいことや華やかなものがないからこそ、ちょっとした楽しみを食事に忍ばせておくといいと思いました」というお話。なので、甘いものはもちろん、目先が変わるたこ焼きや出し巻たまご、しらすの缶詰なども取り揃えるようにしました。

日本の缶詰の技術ってすばらしいですよね。だし巻たまごなどもおいしくて、子どもたち、喜んで食べていましたし、たこ焼きに至っては「めちゃくちゃ疑っていたけど……たこ焼きだ!」と驚いていました。

ちなみに、今回すべて特別なお店やネットで買ったのではなく、スーパーマーケットの「西友」と「オーケーストア」で購入しました。昔に比べ、非常食がしっかりと充実しており、それだけに「日本は間違いなく、災害大国なんだなぁ」ということを改めて思い知らされた気がします。

 

非常食という、“非日常の食事”をあえて普段食べることも立派な“防災訓練”。私もある経験をするまで「防災訓練なんて……」と軽く見ていたところがあるのですが、訓練しておくといざというとき、きちんと対応できる自分がいることを身をもって知り、防災訓練の大切さを知りました。

本当は“防災月間”と言われる9月に行うのがいいのかもしれませんが、毎年9月は私のスケジュールが忙しくてできないので、いつも“年末までに”というゆるい枠の中で、“非常食ランチ”を行っています。

子どもたちも普段食べなれないものを見たり食べたりして、とても楽しい様子です。ぜひ家族で“自分たちに合う非常食”を見つけてみてください。

 

撮影/中田ぷう

※掲載商品はすべて中田さんが個人的に購入されたものです。

※価格はすべて、中田さん購入時の税込み価格です。

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