暮らしの中で大切にしていること
nullみないさんのリビングの中心にはアイランドキッチンがあり、料理家さんらしい、キッチンを中心とした作りになっている一方、窓際には子どもの身長を計るスケールがあったりと、子どもがいる家庭ならではの、体温が感じられる空間になっています。
2歳と9歳、2人のお子さんがいるみないさんにとって、家族のごはんで大事にしていることはなんでしょうか。
「味覚が成長する幼いときは、素材の味を感じる力をしっかり育ててあげたいですね。近年、食育ということが注目されていますけれど、その中心はやはり家庭のごはんにあると思うのです」
「高校生くらいになると、親の知らないところで、購入したものを食べるようになりますよね。それこそ、ファストフードとか。それはそれで、成長の過程です。
だからこそ、食べるものを自分では選べない子どもの時期くらいは、『おいしいもの』『素材や自然を感じられるもの』を、親が選んで教えてあげたいな、と思っているんです。
自分もそうだったんですが、大人になったときに、幼いときの味覚の記憶が戻ってくると思うんです。手づくりのおにぎりのやさしい塩味や、素材の甘みがしっかり感じられる野菜をおいしい、と思える大人になってくれたら……」
調味料や加工品こそ“素材がわかる”ものを
null「子どもがいると特に、お肉やお魚、野菜などの生鮮食品は、どこのものか産地を吟味して買い物をしている人は多いと思います。ただ、調味料や加工品の原材料まで、と思うと、なかなか気が回らないことも多いですよね。
でも、素材が原型をとどめていない調味料や加工品こそ、使っている材料をきちんと確かめて選びたいもの」
「……というのも、たとえば油。輸入した原料を使っている場合、それが遺伝子組み換え原料かどうか、今の原材料表示のルールでは、必ずしも記載する必要がないんです。
普通だったら気を遣う部分なのに、表示がないことで気づかずに使っているとしたら、残念ですよね。
その点、生活協同組合のひとつである『生活クラブ』さんの食材や調味料は、原材料も生産者の顔もきちんと見えることが、なにより嬉しいし、安心なんです」
「原材料のことだけでなく、ガラス瓶の牛乳は見た目もかわいいし、リユース容器なので環境にも配慮されていて、ゴミも減らせるのがいいですね。私は、雑穀も大好きなんですが、産地がわかっているのが嬉しくて、ついたくさんの種類を揃えてしまうんです」とみないさん。
素材をいかす味がうれしい!みないさんのレシピ
nullみそマヨディップ
「素材がしっかりしていれば、余計な調味料を入れなくても子どもは喜んで食べてくれるし、おいしい一皿ができますよ」と言うみないさんに、忙しい朝や休日のご飯にぴったりなレシピを教えていただきました!
一品めは、子どもが大好きなマヨネーズがみその塩味をやわらげて、野菜もごはんもパクパク食べられてしまうみそマヨディップ。使っている「素精糖」は、沖縄県産さとうきび100%原料のミネラル豊富な砂糖で、やさしい甘みに。
みそマヨディップ
材料(作りやすい分量)冷蔵保存:10日間ほど
こうじみそ…大さじ3
マヨネーズ…大さじ2
素精糖…大さじ1
作り方
すべての材料を混ぜ合わせる
お米2合に大さじ2のもち麦を入れて炊いたもち麦のおむすびに、みそマヨディップをのせて。
白いごはんだけだとなかなか食がすすまない子どもたちも、これならおかずいらずでパクパク食べてくれます。
みそマヨディップは、もちろんお野菜にも!
ブロッコリー、にんじん、カラーピーマンは食べやすい大きさに切り、ブロッコリーは茹でて、お皿に盛りつけるだけ。手づかみでつけながら食べられるので、小さい子どもでも食べやすいし、オトナにはみその塩気がビールなどにも合います。
かぼちゃのポタージュ&朝食ワンプレート
二品めは、朝食にぴったりのかぼちゃポタージュ&ワンプレート。素材の味を生かしたスープに、酸味を抑えたケチャップを添えたスクランブルエッグが、米粉パンにぴったり。パンをスープに浸しながら食べるのもおすすめです。
かぼちゃポタージュ
材料(2人分)
かぼちゃ 小1/4個(250g)
牛乳 適量
作り方
かぼちゃは種を取り、ラップをしてレンジ(600W)で5〜6分加熱する。ボウルに入れて皮ごとマッシュし、温めた牛乳を加えて溶きのばす。
かぼちゃは自然の甘みがあるので、塩など調味料は何も加えず、そのままのやさしい味に。
朝食ワンプレート
材料(1人分)
ウインナー 2本
ミニトマト 3個
ケチャップ 大さじ1/2
(スクランブルエッグ)
たまご 1個
牛乳 小さじ1
塩、こしょう各少々
サラダ油 小さじ1
米粉パン
牛乳、ヨーグルトなど
作り方
ウインナーはソテーする。8等分に切ったミニトマトとケチャップを合わせたソースをかける。スクランブルエッグは、ボウルに卵を割りほぐし、牛乳、塩、こしょうを加えて混ぜる。フライパンにサラダ油を中火で熱し、卵液を流し入れてふんわり焼く。
「ウインナーなどの加工肉は子どもが大好きなので時々買いますが、原材料は厳しくチェックしてしまいます。この『生活クラブ』のウインナーは、発色剤を使ってない『無塩せき』なのはもちろん、保存料、酸化防止剤、化学調味料も不使用の無添加ウインナー。国産豚肉100%のウインナーで添加物がないものって、実はあまりないので、頼りになります」
子どもたちと自分の未来のために
null今回ご紹介したレシピでも使っているケチャップやマヨネーズ、牛乳は、なんともかわいいガラス瓶の容器。
生活クラブでは容器のリユースを心がけ、1994年から、こうした瓶の容器などを回収して再利用する「グリーンシステム」の取り組みをしているのだそう。
常備しておきたい卵は、開放型の鶏舎で自由に動き回れる「平飼い」でストレスが少ない環境で過ごしている純国産鶏種の鶏が産んだもの。自由に砂浴びをしたり木に止まって寝られたりと、アニマルウェルフェアに配慮した取り組みをしています。
サステイナブルな試みが色々な分野で広がってきている中で、このように毎日使う食品での取り組みひとつは、小さな小さなこと。でも……
「小さなことだからこそ続けられる、続けることが生活なのかな、と思います。子どもたちが大人になったとき、自分の子どもだけでなく、子どもたちの未来にある世界を考えると、大事なことですよね。
それに、こうした生活の中での取り組みは、子どもにも根づきやすいから、彼らが大人になったときに『こういうことだったんだ』と気づいてくれたらうれしいですね」
食も、子どもの育てかたも、毎日が選択の繰り返し。だからこそ、無理なくできることを少しずつ積み重ねて、自分たちらしく毎日の暮らしを、整えていけたら、いいですよね。
今回ご紹介した『生活クラブ』は、生産者と消費者がひとつになって運営している生活協同組合。サステイナブルという言葉が浸透するずっと以前から、 安全でおいしい食べもののための、地道な取り組みを続けています。
店舗もありますが、週に1度配送してくれるシステムが、小さい子どもがいる家庭には便利です。子どもの将来も自分たちの将来も考えた、持続可能で安心な暮らしを『生活クラブ』から始めてみてはいかがでしょうか。