年々送る人が増えている? 「喪中見舞い」とは
null「喪中見舞い」は喪中はがきの返信に送るもの
近年は葬儀がシンプルになったことで、“喪中はがき(年賀欠礼状)”を受け取ってから初めて訃報を知るというケースが増えてきました。そこで、喪中はがきの返事として普及したのが“喪中見舞い”です。
郵便局では2013年から取り扱いが始まり、年々利用する人が増えています。
「喪中見舞い」を出すタイミング
送るタイミングは喪中はがきが到着してから年内までが目安。年明けになる場合は、今まで通り“寒中見舞い”でお悔やみを伝えたほうが自然です。
ただ、喪中見舞いは必ず出さなければならないものではありません。電話やメールで弔慰(ちょうい)を述べてもいいでしょう。
何を書けばいい? 「喪中見舞い」の文章
null「喪中見舞い」で書くべきこと
喪中見舞いでは、以下のことを記します。
・冒頭のあいさつ
・喪中はがきのお礼
・訃報を初めて知った場合は、知らなかったお詫び
・お悔やみ
・相手を気遣う言葉
・年賀状をまだ出していない場合は、送付を控えること
とくに書いてはいけないことなどの決まりはありませんが、「みんなで会うのが楽しみですね」といった遊びやレジャー関連のコメント、初詣や干支など正月やお目出度い新年をイメージするような写真・イラストは避けましょう。
「喪中見舞いはがき」だけを送るときの文例2つ
喪中見舞いのはがきを送るときの文例を2つご紹介します。
書くべきことを含んだ喪中見舞いの典型的な文章です。必ず以下のように書かなければならないというわけではありませんし、遺族との関係性によっては少しくだけた表現やコメントを入れても問題ないでしょう。
<文例1>
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このたびは〇〇様がご逝去との由を承り、驚いております。
ご家族の皆様はお寂しくご越年のこととお察し申しあげます。
平素ご無沙汰をしておりますばかりに、○○様のご逝去の報に接し誠に驚きました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
時節柄、どうぞ御身大切にお過ごしください。
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<文例2>
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このたびは○○様がご逝去との由を承り、驚いております。
生前大変お世話になりながら、お礼のひとつもできずにお別れすることになってしまい、残念でなりません。
ご家族の皆様はお寂しくご越年のこととお察し申しあげますが、先日●●さんからいただいたメールによりますと、皆様お元気そうなご様子、何よりのことと思っております。
風邪が流行っているようでございますが、どうかご自愛くださいませ。
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喪中見舞いで「お悔みの品」を送るとき
null喪中見舞いの品は高額なものを避ける
最近では、線香をはじめ、お花・お花のギフト券、和菓子・洋菓子、緑茶などの喪中見舞い用のギフト“お悔みの品”も多く揃っています。
高価なものを送ると、遺族にお返しをいただいたりして手間をかけてしまうことがあるので、1,000円~3,000円程度の品物を選ぶといいいでしょう。
喪中見舞いで「線香」を送るとき
線香は喪中見舞いのお悔みの品してポピュラーですが、遺族はすでにたくさんもらっていたり、仏壇がなかったりして余らせてしまう可能性があります。
確認できるようであれば、線香を送ってもよいか聞いてみるといいかもしれません。
「お悔みの品」を送るときに添える文例3つ
お悔みの品を送るときも、喪中見舞いの言葉を一筆添えると心遣いが伝わるでしょう。シンプルな文章を3つご紹介します。
<文例1>
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ご訃報に接し、心から哀悼の意を表します。
心ばかりではございますが、○○をお送りいたします。
お供えいただければ幸いに存じます。
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<文例2>
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このたびはご丁重なご挨拶をいただき、ありがとうございます。
服喪中と存じ、年頭のご挨拶を控えさせていただきます。
皆様さぞお寂しい想いにて、ご越年のこととお察し申し上げます。心ばかりのものでございますが、同封のお線香をお供えくださいますれば幸いです。
寒さ厳しき折から、ご一同様ご自愛あそばされますよう、心より祈り上げます。
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<文例3>
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年賀欠礼のお知らせをいただき、家族一同大変驚いております。
遅ればせながら、謹んでご冥福をお祈り申し上げますと共に、心ばかりのお線香を送らせていただきます。
ご家族様には、どうかおだやかな新春を迎えられますよう、心からお祈り申し上げます。
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遺族から喪中はがきが届いたら送る“喪中見舞い”。故人との関係性にもよりますが、とくに葬儀に参列しなかった場合は、喪中見舞いのはがきを送るだけでも心遣いが伝わるはず。メールやLINE、SNSなど、コミュニケーション手段が発達した現代だからこそ、大切なことかもしれませんね。
【取材協力】
葬儀・お墓・終活ビジネスコンサルタント
吉川 美津子(きっかわ みつこ)
大手葬儀社、大手仏壇・墓石販売店勤務を経て、専門学校にて葬祭マネジメントコース運営に参画。現在は葬儀・お墓・終活ビジネスコンサルタントとしての活動に加え、医療・介護と葬送・供養の連携を視野に葬送・終活ソーシャルワーカー(社会福祉士)としても活動している。