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鏡餅NG、参拝OK? お年玉は…「喪中で迎える年末年始」の過ごし方

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近親者が亡くなった場合、遺族は一定期間、喪に服してお祝い行事を避けるしきたりがあります。では年末年始が喪中期間の場合、新年はどのように過ごせばいいのでしょうか? また“喪中”の長さは通常どれくらいなのでしょうか。葬儀・お墓・終活ビジネスコンサルタントの吉川美津子さんに教えてもらいました。

神道に沿った「忌中と喪中の違い」と年末年始

「忌中」は神社への「参拝やハレの場は避ける」

喪中の習慣は神道の考え方に沿ったものです。
ひと口に喪中と言っても、近親者が亡くなって50日までを“忌中”、それ以降を“喪中”としていて、それぞれ意味合いも異なります。

忌中は“穢れ(けがれ・気枯れ)である死を忌む期間”であるため、祭りや結婚式などハレの場への参加は避け、神社の鳥居もくぐらないものとされています。つまり神社のお参りはできないということ。
しかし、地域の習慣や神社の考え方にもよりますが、忌中に成人式や七五三などの祝賀行事がある場合は、お祓(はら)いを済ませば参加できることもあります。

慎むものの、「喪中の参拝は可能」

一方で、喪中は故人を偲(しの)ぶ期間。

喪に服する“服喪(ふくも)期間”はとくに定められていませんが、おおよその目安で、父母・養父母・義父母であれば12~13ヵ月、子どもは3~12ヵ月。この期間はなるべく晴れがましい行動は慎んだほうがいいとされています。晴れ着の着用も避けますが、参拝は可能なので、初詣に行くことはできます。
そして厳密にいえば、神社ではなくお寺へのお参りなら忌中でも可能です。

また、キリスト教には喪中の概念がないので例年通りの新年を過ごせます。

忌中・喪中の「年始はお墓参りをして静かに」過ごす

ただし忌中が過ぎた喪中でも、正月は出店が出るなど、寺社境内や周辺は華やかな雰囲気に包まれているので、にぎやかな場所へのお参りは積極的にはおすすめできません。

忌中や喪中の新年は、お墓参りをして家族で静かに過ごしてはいかがでしょうか。もしも厄祓いなどで参拝をしたいのであれば、松の内が明けた1月7日以降にするといいでしょう。

控えるべき? 喪中の正月飾りとおせち料理

「歳神様」にまつわる正月飾りはNG

お正月はもともと“歳神様(としがみさま)”を迎える神事のひとつです。よって喪中には、歳神様にまつわる慣習は避けるようにします。門松・しめ縄・鏡餅は、それぞれ歳神様を迎えるために用意されるものなので飾らないようにしましょう。

ただしお餅を食べること自体は、神様とはかかわりがないので問題ありません。

「おせち料理」はお祝い色を抑えるなどの工夫を

“おせち料理”は、お祝いの料理なので避けたほうがいいという考え方もあります。しかし一方で“正月は煮炊きをやめて家事を休む”という意味もあるので、とくに避けずにいただいても構わないという家もあります。

気になるのであれば、“なます”や“昆布巻き”などお祝いに由来する料理を外す方法も。最近は”喪中おせち”を販売している業者もあるようです。

喪中にあげる「お年玉」と子どもの「正月遊び」

「お年玉」は、文具代などと名目を変えれば渡してOK

“お年玉”は、もともと歳神様を迎えるための鏡餅を分け与えたことに由来するため、渡すことは控えたほうがいいとされています。
ただ実際はそこまで厳密にせずに、家庭の事情で決めることが多いもの。“お年玉”ではなく、“文具代”“おもちゃ代”“寸志”などとして渡す方法もあります。

子どもの成長を願う「正月遊び」は例年通りに

なお、凧あげ・コマ回し・羽根つき・かるたといった正月遊びは子どもの健やかな成長を願うものなので、神事とは関係ありません。例年通り楽しみましょう。

年末の恒例行事やクリスマス…「喪中の12月の過ごし方」

お祝い事ではない「年末行事はすべてOK」

正月だけでなく、大晦日にも年越しそばや除夜の鐘といった伝統行事がありますよね。これらはお祝い事ではなく“願掛け”なので、例年通り行えます。

「お歳暮」は受け取る相手を気遣い、四十九日以降に

またお歳暮も、普段お世話になっている人への感謝の気持ちを表したものなので送ってもいいでしょう。

ただ、受け取る相手によっては喪中の家からの贈り物を気にすることもあります。贈りたい場合は、四十九日が過ぎてから送るとベターです。

もともと日本の習俗ではない「クリスマス」はいつも通りに

クリスマスはイエス・キリストの生誕をお祝いするもの。
日本の習俗から生まれたものではないので、ハッピームードを強調するようなことをしなければ、ケーキやチキンを食べたり、クリスマスカードやプレゼントを贈ったりすることはいつも通りに行っていいでしょう。

出すor出さない? 喪中期間の「年賀状」

年賀状の受け取りはOK、出す・出さないは家庭で決めて

喪中期間は、年賀状を出すことを控える習慣があります。
一般的には一等親、二等親までを喪中の範囲と定めて年賀状を控える場合が多いですが、線引きに決まりはありません。年賀状のやりとりをどうするかは家族で話し合ってきめましょう。

年賀状を出さない場合は「喪中はがき」か「寒中見舞い」を

年賀状を出さないと決めた場合は、12月上旬ごろまでに新年のあいさつを控えることを伝える“喪中はがき(年賀欠礼状)”を送るのが一般的です。

喪中はがきを送ったのに、行き違いや手違いなどで年賀状が届くことがありますが、じつは喪中に年賀状を受け取ることは問題ではありません。お祝いムードを避けるのは、あくまで“喪に服している遺族側”なので、出した相手はマナー違反にはならないのです。

喪中を知らない人から年賀状が届いた場合は、松の内が明けた1月7日以降に“寒中見舞い”を送って服喪中であることを伝え、連絡が行き届かなかったことを詫びましょう。

 


 

【取材協力】

葬儀・お墓・終活ビジネスコンサルタント

吉川 美津子(きっかわ みつこ)

大手葬儀社、大手仏壇・墓石販売店勤務を経て、専門学校にて葬祭マネジメントコース運営に参画。現在は葬儀・お墓・終活ビジネスコンサルタントとしての活動に加え、医療・介護と葬送・供養の連携を視野に葬送・終活ソーシャルワーカー(社会福祉士)としても活動している。

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