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暗い、うるさい「マンションの大規模修繕」、快適な生活のためとはいえストレス爆発寸前!? 

長年マンションなどの共同住宅に住んでいると、定期的にやってくる大規模修繕。一般的に大規模修繕は12〜15年の周期で行われることが多いようですが、使用されている建材や建築技術の方法により周期は多少変わってくるようです。では、実際にどれくらいの人が大規模修繕を体験したことがあるのでしょう? 今回は20代から60代の男女500名にアンケートを実施。大規模修繕の経験について尋ねてみました。本来なら生活の向上が期待できる大規模修繕ですが、実は不満の声が続出!? その体験談も聞いてみましょう。

大規模修繕経験者は2割程度

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大規模修繕を経験したことがある人は、今回の調査では約2割と意外と少ないことが判明。ちなみに「大規模修繕」とは、鉄部塗装工事、給水管取り替え、排水管取り替えなど、内容が大規模、工事費が高額、工期が長期間にわたるものを示すようです。経年劣化した建物や設備などを、応急処置的なレベルのものではなく、建物の建設当初の水準にまで戻し、マンションの質及び価値を長持ちさせていくのが目標なんだとか。ちょっとした修復程度なら、もっと経験者は多いかもしれませんね。

◾️あなたはマンションなどの共同住宅の「大規模修繕」を経験したことはありますか?
・ある……19.8%(99人)
・ない……80.2%(401人)

では実際に「大規模修繕」を経験した人に、どんなことが困ったか、その内容について聞いてみましょう。

活動制限、騒音、異臭……育児、仕事に影響があり

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最も多かったのは、「バルコニーやベランダの片付けが面倒だった」と言う意見。「大きな物を動かさなければならず大変だった」という意見や、「植物などを避難させなければいけなくて置き場に困った」という意見も多く挙がりました。また、汚れやニオイが気になるという理由で「洗濯物が干せなかった」と言う声も多くありました。

「バルコニーのエアコン室外機も外さなくてはいけなく大変だった」(44歳女性/主婦)

「観葉植物の撤去をしなければならなかった」(49歳女性/その他)

「洗濯物が干せない。シンナー臭い。ベランダの物を室内へ片づけなければならない」(50歳男性/デザイン関係)

「バルコニーに置いている植木鉢の一時仮置き場への移動が厄介でした。ただ、その経験から、今は可能な限り少なくしています」(59歳男性/その他)

「屋根の防水加工と外壁の防水加工で2週間足場を組まれて洗濯物が外に干せなかった」(61歳男性/営業・販売)

「ベランダの網戸の撤去が面倒で、部屋にしばらく保管が必要だったのが困った」(61歳男性/その他)

「騒音」や「ニオイ」といった不満を抱える人も4割程度いました。中でも「騒音」については、育児や仕事に支障をきたしたという人も。

「工事の音がうるさくてテレワークがしにくい」(45歳男性/金融関係)

「騒音が子どもの昼寝の妨げになった」(45歳女性/主婦)

「外壁塗装だったが、塗料のせいで部屋が臭くなる、養生シートで部屋が昼間でも暗い、ガス給湯器の排気口を塞いでくれたので給湯器が使えない日があった」(51歳女性/主婦)

家の中が「暗い」から気が滅入ってしまったという意見も。

「バルコニー部分に足場が長期あると陽射しが入らなくて困りました」(49歳男性/その他)

「網がかけられていたため家の中が暗い」(57歳女性/その他)

「日の光が入らず長い間、家の中で一日中、電灯を使っていた」(72歳女性/主婦)

駐車場や公共スペースなどの設備が使えずに苦労したという人も。工事車両の出入りが迷惑だったという話もありました。

「機械式立体駐車場の割合が多く、業者の車両等もあり、自由に車を出し入れ出来ない」(60歳男性/会社経営・役員)

「共有のスペースにたくさん物を置かれて歩きにくかったです。言えずにいてその期間とても困りました」(63歳女性/主婦)

「大規模修繕を終えるまで、駐車場が使えない為、近傍にある駐車場を一時的に割り当てられて使用していたけど、駐車場までの車の乗り降りや雨天時等の荷物等の出し入れ等が大変でした」(75歳男性/その他)

このような緑いっぱいのバルコニーの住人は、一体どう対応するのでしょう……?

プライバシー問題や防犯面での苦言も

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工事関係者の出入りが増え、セキュリティ面で不安があった人も少なくないようです。悪気がなくても生活が覗かれたり、他人が自分の敷地内を出入りすることはあまりいい気がしないのは納得ですね。

「修繕業者が部屋の中を覗き込むことが物理的に可能」(44歳男性/総務・人事・事務)

「外壁塗装をするときに足場を長期間設置されているので、治安上の不安が感じられた」(69歳男性/公務員)

そしてもちろん金銭面の不安を抱える人も。日頃から積立てをしているとはいえ、値上げされたり、追加徴収があったなど予想外の出費に頭を悩ませる人もいるようです。

「修繕積立金の引き上げが大変だった」(68歳男性/金融関係)

「蓄積された資金の額も多いのに加えて個々の負担金の額が大変だった」(75歳男性/その他)

外に作業の人がいると、在宅勤務はなかなか厳しい。

実は大規模修繕でちょっとした得をした人も

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困ったことがなかったという人は1割程度。またかなり少数意見でしたが、工事期間にちょっとしたメリットがあったという人もいました。ベランダや家の中を片付けるきっかけになったという意見も聞かれました。

「ベランダ用内鍵を進呈してもらった」(47歳男性/その他)

「バルコニーの植物などは修繕会社が持ち出して預かってくれたし一番困っていた洗濯物を干す竿を掛ける棒(足元が重いコンクリート製で一人では運べないもの)も修繕業者が持ち出して預かってくれたのでてこずる事はなかった」(74歳男性/その他)

工事後は快適な生活が待っているとはいえ、期間が長いと不便が多く精神的にも参ってしまう人も少なくないようです。ついつい我慢してしまいがちですが、工事関係者に要望を伝えられる時は相談をし、できるだけストレスにならないように過ごしたいですね。

大規模修繕中は暗くてうるさくて嫌だけど、きれいにしてもらえるなら結果オーライ?
ちえ
ちえ

エディター・ライター歴20年以上。女性誌やアウトドア雑誌、情報誌、スポーツ誌(自転車雑誌、水泳雑誌)などで執筆。2017年から主人の仕事に帯同しアメリカに移住。小学生の男児、中学生の女児とともに、異国の地での生活に奮闘しながら、執筆活動も継続中。現在はニュースや海外生活情報などを担当。アウトドアと旅行が大好き。趣味はパン作り。

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