今回『kufura』が、20~30代の男女155人、40~60代の男女500人を対象にアンケート調査を実施したところ、「蛙化現象」という言葉を知っている人は、20~30代で62.6%、40~60代で32.6%となりました。
「蛙化現象」を知らない人に、イメージを聞いてみました
null若い世代には浸透しつつある「蛙化現象」というワードですが、知らないと回答した人に、どのような現象のことを指しているのか、想像で答えてもらいました。
【あなたが考える「蛙化現象」の意味を、想像で教えてください】
20~30代の回答がこちら。
(20~30代)
「さまざまな物が蛙に見える現象」(36歳男性/その他)
「老化現象のことだと思う」(35歳女性/主婦)
「子どもの頃と大人になったのと全然違う人になっている」(37歳女性/主婦)
「おたまじゃくしからカエルに成長するように、急成長すること?」(35歳女性/総務・人事・事務)
言葉の印象からストレートに意味を感じ取っている人が多く、「見た目が変わること」「何かしら変化する」などの予想が多数となりました。一方、40~60代ではユニークな予想がちらほら。少々ダジャレ要素を含む回答が多くみられました。
(40~60代)
「井の中の蛙のように、周りが見えなくなること」(41歳男性/技術職)
「語尾が必ずケロになる」(52歳男性/コンピュータ関連)
「カエルみたいな顔になる」(50歳男性/学生・フリーター)
「態度をケロッと変えること」(50歳男性/その他)
「皮膚がカエルのようにねっとりする」(62歳女性/主婦)
「無性に家に帰りたがる現象」(59歳男性/研究・開発)
「童心にかえって水遊びに夢中になってしまう」(68歳男性/会社経営・役員)
一体どんな現象!? と、クスッと笑える回答がたくさん寄せられました。
「蛙化現象」とは?
nullここで「蛙化現象」の解説を少し。「蛙化現象」とは、「好きな相手から好意を示されたとたんに嫌悪感を抱いてしまうこと」です。最近では、「好きな人の些細な言葉や行動などで気持ちが冷めてしまうこと」や「好きだった物事に対して急に興味がなくなる」という感覚としても使われています。
グリム童話の『カエルの王様』が名前の由来とされており、心理学の視点から分析された論文も存在します。
物語では、カエルは最終的に王子となりハッピーエンドを迎えますが、「蛙化現象」は好きな相手が蛙化する(嫌悪感を抱く対象になる)というもの。物語とは逆の現象ですが、“対象への気持ちが正反対に変化する”という点から、「蛙化現象」というネーミングになったと考えられています。
20~30代の4割、40~60代の5割が「蛙化現象」を経験
nullさて、そんな「蛙化現象」。実際に体験したことがある人はどのくらいいるのでしょうか?
【「蛙化現象」を体験したことはありますか?】
(20~30代)
ある・・・63人(40.6%)
ない・・・78人(50.3%)
わからない・・・14人(9.0%)
(40~60代)
ある・・・254人(50.8%)
ない・・・190人(38.0%)
わからない・・・56人(11.2%)
20~30代は4割、40~60代は5割の人が「蛙化現象」を経験していることが判明。「蛙化現象」に陥る時、どのようなことがきっかけとなるのでしょうか? 世代別に体験談をご紹介します。
「蛙化現象」に陥ったのはこんなとき!
null(20~30代)
「彼氏がお母さんのことを下の名前で◯◯ちゃんと呼んでいた時蛙化しました」(26歳女性/主婦)
「おじいちゃんがおやつに出してくれてた豚足が好きでずっと食べていたけど、毛が残って生えているものに出会って豚足が豚の足だと知って食べられなくなった」(39歳女性/主婦)
「制服の時はかっこいいと思って好きだったけど、私服がダサくて冷めた」(27歳女性/主婦)
「それまで関わりがなくてカッコイイなと思っていた人とLINE交換して、グイグイメッセージを送ってくる感じに引いて冷めた」(29歳女性/金融関係)
「それまで少しいいと思っていた人でも、告白されると、私なんかを好きなんてこの人はなんて女の趣味が悪いんだろうと冷めてしまう」(35歳女性/主婦)
(40~60代)
「綺麗で話し方などもしっかりしていたが、鼻からたばこの煙を出したのを見て冷めた」(51歳男性/その他)
「好意を抱いていた女性のお箸の使い方が下手なのを見て、愕然として好きという感情が消えた」(53歳男性/公務員)
「好意を寄せている人と車に乗ってお出かけしたが、運転が荒く冷めてしまった」(40歳女性/デザイン関係)
「素敵な人だったが、笑った時に鼻を鳴らすことに気づいてしまって幻滅」(54歳女性/その他)
「それまでずっと憧れていた研究職という職業が、自分がその職に就くことができた途端に冷めてしまって、研究が嫌いになり辞めたくなってしまった」(53歳男性/研究・開発)
「好きなアーティストのCDが欲しくて集めていて、全て揃ったら熱が冷めてしまったこと」(46歳男性/その他)
「釣りが好きだったが、交通費やらコストと時間を費やして釣った魚が、魚屋でびっくりする安さで売っていたのを見て釣り熱が冷めた」(59歳男性/その他)
20~30代、40~60代ともに、好意を抱いていた相手のふとした瞬間や言動に気持ちが冷めてしまったことが多いようです。なかには生理的に無理になった……という人も。恋愛に対して強いこだわりや理想を抱いている人は「蛙化現象」に陥りやすいとも言われています。理想と現実とのギャップに蛙化(=幻滅)してしまうのかもしれません。
今回のアンケートでは、「店員への横暴な態度」や「食べ方が汚い」、「性格が悪い」などの場面に遭遇した際、蛙化してしまったというエピソードが多数ありました。
また、対象が人ではなく、趣味や仕事などの場合は、ある程度まで極めたところで満足したり、自分なりのゴールを迎えたときに気持ちが冷めてしまう傾向があるようです。
「蛇化(へびか)現象」を知っていますか?
null最近では、新たに“蛇化(へびか)現象”という言葉も登場。アンケートで意味を知っていると答えた人は以下のようになりました。
【「蛇化現象」の意味を知っていますか?】
(20~30代)
知っている・・・6人(3.9%)
知らない・・・149人(96.1%)
(40~60代)
知っている・・・22人(4.4%)
知らない・・・478人(95.6%)
どちらの世代も「知らない」と回答した人がほとんどでした。
「蛇化現象」とは、好きな人のすることならば、どのような行動でも素敵に見えてしまうというもの。蛙を飲み込む蛇のごとく、相手のことを丸っと受け入れたくなる心理のことを指しています。一見、大きな愛に感じられますが、ネガティブな要素まですべて受け入れてしまう危険性も。“恋は盲目”という言葉もありますが、恋愛は適度な距離感とメリハリも大切です。
いかがでしたか? 蛙化は誰にでも起こる可能性がある現象です。寄せられたエピソードも、理解できるものもあれば、理不尽だと感じてしまうものもあったのではないでしょうか。せっかく自分に振り向いてくれた相手を「蛙化現象」で遠ざけてしまうのはもったいないですよね。相手の欠点が見えてきてしまったら、魅力的な部分を探すなど、一度冷静になってみることをおすすめします。
エディター/ライター。大学在学時からライターとして活動、気付けばもうすぐフリーライター歴20年。webサイトや書籍の編集・ライティングなどを担当。料理と暮らしまわりの手仕事が趣味。根っからのインドア派だが、3児の母となりアウトドアの楽しさにも目覚めたところ。