そこで今回『kufura』では、20~60代の男女500人を対象に「キンモクセイの香り」に関するアンケート調査を実施。「キンモクセイ」にまつわる思い出やエピソードを教えてもらいました。
キンモクセイの香り、6割が「好き」と回答
nullまず、「キンモクセイの香り」が好きかを調査したところ、結果は以下のようになりました。
【あなたは、「キンモクセイの香り」は好きですか?】
好き・・・169人(33.8%)
どちらかといえば好き・・・131人(26.2%)
普通・・・155人(31.0%)
どちらかといえば嫌い・・・31人(6.2%)
嫌い・・・14人(2.8%)
「好き」「どちらかといえば好き」を合わせると、6割の人がキンモクセイの香りに好意的な印象を抱いていることがわかりました。一方で、「嫌い」「どちらかといえば嫌い」は1割弱という結果に。
「キンモクセイ」は、春の「ジンチョウゲ」、夏の「クチナシ」と並んで日本三大香木といわれます。特徴的な強い甘い香りは好みがわかれるのかもしれませんね。
キンモクセイの香りにまつわる思い出&エピソード
null続いて、「キンモクセイの香り」にまつわる思い出について聞きました。日常のふとした瞬間であったり、ノスタルジーを感じさせるものなど、たくさんのエピソードが寄せられました!
キンモクセイの香りが大好き
「秋になるとキンモクセイの香りがしてすごくいい気分になります。キンモクセイの香りが大好きなので香水も持っていますし、今は柔軟剤もキンモクセイの香りを使っています」(57歳女性/営業・販売)
「キンモクセイの香りが好きで、車の芳香剤や洗濯物やボディーソープまでキンモクセイで揃えてます」(25歳女性/主婦)
とにかくあの香りが好き!という声が多数ありました。少しオリエンタルな甘い香りに癒される人が多いようです。キンモクセイの香りが好きすぎて、香水やルームフレグランスを愛用しているという意見も。
近年、秋になるとキンモクセイの香りの新商品が多数登場しています。きっとこういったキンモクセイ好きが多いからなのかもしれませんね。
学生時代を思い出しセンチメンタルな気分に
「学生時代、夏休みの終了が近づき帰省先から戻ると、キンモクセイの香が漂っていて、一人暮らし再開の物寂しさを感じさせる香りだった」(61歳女性/その他)
「高校の中庭にキンモクセイが植えてあったので、開花した時には窓から香りが入ってきたのを思い出します」(32歳女性/技術職)
キンモクセイの香りとともに、懐かしい学生時代の思い出が蘇ってくるという人もいました。香りを嗅いだときに、過去の記憶や感情を思い出すことを“プルースト効果”というそうです。香りと記憶は密接につながっているんですね。
夏から秋へ、季節の移ろいを感じる
「家の前のキンモクセイが、涼しくなると急に香りだし、秋を感じる」(62歳男性/企画・マーケティング)
「キンモクセイの香る季節になると、秋の訪れを感じ、少し感傷的な気持ちになります」(52歳女性/主婦)
ふわっとしたキンモクセイの甘い香りが漂ってくると、秋の始まりを感じる人が多いようです。4~5日で散ってしまうキンモクセイと夏の終わりに、少々エモーショナルな気持ちになるという声もありました。
記念日はキンモクセイの香りとともに
「秋生まれです。キンモクセイの香りは誕生日の香りです」(42歳女性/主婦)
「結婚7周年に庭に植えた」(63歳男性/その他)
「子どもが生まれた時、市の木だというのでプレゼントされた。子どもが誕生した時のことを思い出す」(67歳女性/主婦)
大切な記念日とキンモクセイの香りとがセットになっているというエピソードも。記念樹やシンボルツリーとしても人気のキンモクセイ。庭に植えている人からは、「うちの庭にキンモクセイを植えています。うちの前の道路を通る人たちから、『いい香りですね』と言われると、とても嬉しくなります」(52歳女性/その他)といったコメントもありました。
花遊びをした幼いころの記憶が蘇る
「子どもの頃、庭にキンモクセイの木があり、子どもながらにあの香りが好きで、その木の下でよく遊んでいました」(64歳女性/その他)
「幼稚園生の時に園庭に大きなキンモクセイの木があり、その木の下でキンモクセイの花を拾って遊んでいた」(28歳女性/主婦)
「子どもの頃、友達や兄妹と地面に落ちたキンモクセイの花を集めて瓶に入れ、ポプリのようにして家で匂いを楽しんでました」(44歳女性/主婦)
開花期間の短いキンモクセイですが、その香りは多くの人の幼い頃の記憶にしっかりと残っているようです。キンモクセイの花でポプリや香水を作って遊んだという可愛らしいエピソードがたくさんありました。
キンモクセイの香り=大切な人との思い出
「実家の庭にキンモクセイが植えてあり、秋になりキンモクセイの香りを感じる季節は、母の面影を思い出し懐かしく思います」(47歳女性/主婦)
「犬の散歩をしていた時にいつも通る家の前にキンモクセイの木があり、よい香りを感じていた。犬は亡くなってもういないが、その家の前を通ると思い出す」(65歳女性/その他)
「今の家にもあるが、実家にもあった。花が咲き、それが落ちると祖母が『掃除しなさい』と言い、それが私の役目となった。その祖母はもういない」(65歳女性/主婦)
「恋人とドライブ中、窓を開けて走っている時にふんわりとキンモクセイが香り心地よかったです」(49歳男性/その他)
キンモクセイの香りが大切な人との思い出と結びついているという心温まるエピソードも。このほか、散歩や通勤の途中でキンモクセイが香ってくると季節を感じられて心が和むといった意見などもありました。
そして意外に多かったのは「トイレの香りのイメージ」というもの。キンモクセイの香りが嫌いと答えた人の多くは、香りの強さに次いでトイレの香りのイメージがあるから苦手であると回答していました。
多くの人の記憶と結びついているキンモクセイの香りですが、その開花はほんの数日で、雨や風にあたるとあっという間に散ってしまう儚い花。咲いている姿も可憐ですし、散ってオレンジ色の絨毯になっても美しく感じます。夏と秋の間の、ほんのわずかな期間だけの特別な香りを楽しみたいですね。
エディター/ライター。大学在学時からライターとして活動、気付けばもうすぐフリーライター歴20年。webサイトや書籍の編集・ライティングなどを担当。料理と暮らしまわりの手仕事が趣味。根っからのインドア派だが、3児の母となりアウトドアの楽しさにも目覚めたところ。