手軽なメニューも華やかになる組み合わせ
null日本で初めて食器のスタイリング資格「テーブルウェアスタイリスト」を創設した二本柳さん。ご実家は和菓子店で、彼女の祖父は、茶道の先生からの依頼でうつわに合わせて手描きの図案を起こして和菓子を製作していたことがあったのだとか。
彼女も御用聞きで同行し、その時子どもながらうつわの魅力にひかれ、25歳からはうつわのスタイリングの仕事も始めるようになったそう。そんな二本柳さんは、「うつわの組み合わせはちょっとしたルールを守れば、自由に組み合わせを楽しんでいいもの。新旧のうつわのマッチングもお互いの新しい魅力を引き出してくれる方法ですよ」とうつわの可能性と奥深い魅力について語ってくれました。
ふた付きの漆器×スイーツ
お正月などのハレの日はもちろん、日常使いにも重宝する漆器のお椀。一見、骨董の漆器はお手入れが難しく見えますが、漆器は修復できるものなので、二本柳さんはしまい込まずにドンドン使うようにしているそうです。お椀は、汁物はもちろん、さまざまな料理やスイーツが楽しめます。
「ふた付きの漆器を出せば、“何が出てくるんだろう”とワクワクする相手の顔が楽しめますよ」(以下「」内、二本柳さん)
そば猪口×カラフル野菜
染付の侘びた趣のうつわに色鮮やかな野菜が映えること!
「夏には氷を底に敷き、野菜スティックを入れています。染付の藍と白の組み合わせはさわやかでありながら、手描きの絵付けにはあたたかさも感じられ、オールシーズン大活躍します」
スープ皿×フルーツとヨーグルト
アンティークのスープ皿を、スープ以外の食べもので活用。
「スープ皿は深さを生かして、フルーツやシリアルの朝食にも活躍しています。当初はアンティークのうつわをふだん使いにするのは家族には評判がよくありませんでした。
でも、できれば観賞用としてだけでなく、ふだんから使いたいですよね。そこで仰々しくならない組み合わせで出してみると予想以上に家族に好評で……それ以来、気軽に使うようになりました」
オーバルの絵皿×おつまみ
「スーパーで買ってきたお惣菜を、うつわのチカラを借りて素敵に見せるのは得意技。このオーバル形のフランスのアンティークのうつわは、使いやすくて絵になるので何種類も集めています。チーズからフルーツまで何をのせても特別な雰囲気にしてくれる気がしています」
花柄だけど食材の邪魔にならないところも、お気に入りポイントなのだそう。
座卓で食事をする古い家に育った二本柳さんは、上京してはじめて友人たちが使っている素敵な洋食器の生活に触れ、華やかな洋食器の世界を知ることに。そして『ウェッジウッド』とか『ロイヤルコペンハーゲン』といった有名どころを集める20代を経て、今は和と洋の組み合わせを自由に楽しむスタイルに。和も洋もどちらも代えがたい魅力があり、それがしみじみとわかるようになったそう。コツを知ればうつわを選ぶ自由が広がりそうですね。
二本柳さんが実践するリアルなインテリアのテクニックは、今回の「うつわの使い方」以外にも別の記事にて、「家事のテンションがあがるキッチン&ランドリールームの作り方」や、「無機質家電&生活感あり掃除グッズを素敵に魅せるテクニック」を紹介しているので、合わせてチェックしてみてくださいね。
また、著書の方にはもっと詳しい内容やここで扱えなかったテクニックも載っているので、ぜひ参考にしてみてください。
二本柳志津香
プロップスタイリスト。一般社団法人テーブルウェアスタイリスト連合会(TWSA)代表理事。株式会社空間スタイリング社代表取締役。CM・広告・カタログ・雑誌・書籍・空間からプロップまで手がけるスタイリストで、国家資格商品装飾展示技能士。日本で初めて食器のスタイリング資格・テーブルウェアスタイリストを創設。スタイリングやディスプレイ業のほか、食器の専門家としてイベント出演やテーブルウェアスタイリストの育成に取り組む。インスタグラム@nippon.shizuka
『スタイリストが実践!好きなものと上手につき合うインテリア』
(二本柳志津香/著 1980円・税込み 主婦と生活社)
3階建て、27.3坪の狭小住宅で好きなものに囲まれて暮らすスタイリスト二本柳志津香さんのリアルインテリアブック。どんな空間で、どんなものを選んでいるのか、彼女の暮らしをすみずみまで見ることができます。また、好きなものを選ぶ基準、どのように日々実用的に役立てているのか、全国にあるおすすめのショップなども満載。好きなものと暮らすヒントが詰まっています。(一般社団法人テーブルウェアスタイリスト連合会(TWSA)公式スタイルブック)
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