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「大河ドラマ好き」に聞いた人気ベスト10!三谷幸喜脚本作品がすべてランクイン、その魅力は

NHKで日曜夜に放送される歴史ドラマシリーズ、“大河ドラマ”と呼ばれ、長年親しまれています。

大河ドラマは1963年から続く

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2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』は、「源氏物語」の作者として知られる紫式部が主人公の作品。紫式部の役を吉高由里子さんが演じました。地上波の人気だけでなく、配信サービス「NHKプラス」で歴代最高の平均視聴者数を記録し、大きな話題となりました。未だに「ロス」の声を聞くほどです。

2025年は1月5日から『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』が始まりました。18世紀後半が舞台の作品で、この時代が描かれるのは大河ドラマでは初のことだそう。主人公の蔦屋重三郎を横浜流星さんが演じています。初回放送終了時にはX(旧Twitter)「#大河べらぼう」がトレンド入り。冒頭語りを綾瀬はるかさんが担当していることでも話題になっていました。

大河ドラマは、1963年から放送されている歴史ドラマシリーズですが、みなさんの記憶に残る作品は、なんですか? 日曜日の20時からの放送ということで、社会人になってからはオンタイムで見られない方も多いかもしれません。かくいう筆者もその1人です。『光る君へ』も話題になっていると知りながら、見る機会を逃してしまいました……。

しかし子どもの頃に両親が見ていたのは覚えていて、とくに印象深いのは竹中直人さんが主演をされた『秀吉』です。ちょうど歴史の授業でも学んでいた頃だったと思うので、印象に残っているのだと思います。

今回は、20代〜60代の男女401人に大河ドラマについてアンケート。みなさんが好きな作品を伺いました。

大河ドラマを欠かさず見る人は15%

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まずは大河ドラマをどれくらいの方が見ているのか聞いてみました。

大河ドラマは見ていますか?

いつも見ている……14.2%
時々見ている……32.2%
見ない……51.6%
その他……2.0%

残念ながら、半数の人は「見ない」と回答。時間帯の問題でしょうか。オンタイムで見るかと聞かれたら、見ない人が多いのかもしれません。とはいえ、視聴している人が46.4%という数は現代のコンテンツ過剰時代においては立派なものと言えましょう。

また「歴史作品は難しそうだから」、「歴史を知っていないと楽しめないのでは」という理由から敬遠されている方も。

「いつも見ている」と答えた方は、ほとんどが50代以上。一部30代もいましたが、50、60代の方からの支持が圧倒的でした。

見る派の方は「歴史を学べるのでいい」と答えている方もいたので、主人公の歴史を知らなくてもドラマを見ていく中で一緒に学べる作品でもあるのだと思います。

歴代大河ドラマで人気作はあの有名脚本家作品

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見ている派の方にこれまで63作品(1963年〜2024年まで)の中で、1番好きだったものを聞きました。ランキング形式でご紹介します。

20〜60代の男女に聞いた「1番好きだった大河ドラマ」(kufura調べ)

1位……『鎌倉殿の13人』(2022年)23人
2位……『独眼竜政宗』(1987年)20人
3位……『光る君へ』(2024年)19人
4位……『真田丸』(2016年)17人
5位……『篤姫』(2008年)13人
6位……『新選組!』(2004年)10人
7位……『龍馬伝』(2010年)8人
8位……『どうする家康』(2023年)7人
9位……『八重の桜』(2013年)6人
9位……『秀吉』(1996年)6人

1位は、三谷幸喜さんが脚本を手掛けた『鎌倉殿の13人』でした。理由をいくつかご紹介します。

「好きな俳優ばかりが出ていたからです」(44歳男性/コンピューター関連技術職)

「13人の登場人物、1人1人がよかったです」(48歳女性/総務・人事・事務)

「登場人物を全員好きになりました」(36歳女性/主婦)

「三谷幸喜さんの脚本に笑わされました」(47歳女性/その他)

「近年の大河ドラマでは一番気に入っています。とくに小池栄子さんの北条政子がよかったです」(66歳男性/その他)

回答を見ると、若い世代の方からの支持が多数! コメディを得意とされる三谷幸喜さんが脚本ということで、広い層の人から注目をされたのかもしれません。三谷さんが脚本を手掛けた大河ドラマはこのほか2作(『新選組!』『真田丸』)あり、いずれもランクインしています。

2位の『独眼竜政宗』は、渡辺謙さんが主人公を演じた伊達政宗の作品です。1987年の作品が2位にランクインするというのは、驚きですよね。

「子どもの頃に見た作品です。歴史の中に入り込んだような感じがして印象に残っています」(48歳男性/その他)

「渡辺謙さんの演技が圧倒的でした」(60歳男性/その他)

「昔の大河ドラマの重厚さを感じます。最近の作品は、ギャグを入れた脚本ばかりで……」(56歳男性/その他)

渡辺謙さんが演じた伊達政宗のかっこよさに感動したというコメントを多数いただきました。子どもの頃に見て、未だに印象に残っている方も。

3位は、昨年放送が終わったばかりの『光る君へ』でした。

「吉高由里子さんがかわいいです!」(49歳女性/総務・人事・事務)

「『光る君へ』は、時代考証がとても面白いです。役者も秀逸!」(61歳女性/主婦)

「小説を読むほど好きな『源氏物語』が題材。期待通りでした」(31歳女性/その他)

大河ドラマを見るかの回答で「時々見る」とした方は『光る君へ』を見ていた率が高かったです。武士や戦国時代が描かれることが多い大河ドラマで『源氏物語』という入りやすい題材は女性から支持を得たようでした。

三谷幸喜脚本が3本ランクイン

10作品の中で、『鎌倉殿の13人』、『真田丸』、『新選組!』の3本は、三谷幸喜さんが脚本を手掛けた作品です。三谷幸喜さんといえば、喜劇の天才とも言われています。それ故に入口が狭く感じる歴史作品においても「三谷幸喜ならば面白く見られるかも」と感じる人が多いのかもしれません。

俳優陣の新しい姿を見せてくれるのも三谷作品の特徴なので、いつもとは違った俳優陣の演技に面白さを感じた方も、多数いました。ご本人も大河ドラマ好きを公言しているので、まさに「三谷作品に外れなし」といった感じでしょうか。

女性を主人公に据えた作品も人気

大河ドラマというと、歴史上、資料が多く残されている男性偉人が主人公の場合が多くなります。63作品の中でも、女性主人公は『光る君へ』が15作目です。しかし、ランキングを見てみると、『光る君へ』、『篤姫』、『八重の桜』と3作品がランクイン。票数は少なかったですが、『おんな太閤記』(1981年)、『おんな城主 直虎』(2017年)を回答されている方もいました。女性が主人公なら歴史作品も見やすいと考えている方も多そうです。

大河ドラマは歴史を再認識できる

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大河ドラマの魅力についてのコメントもたくさんいただいています。

「子どもの頃に見た『草燃える』(1979)と『鎌倉殿の13人』を比較して、時代による感性や人間描写の変化について考えさせられることが多かったです」(66歳男性/その他)

「『新選組!』を見て、幕末に興味を持てたし、自主的に歴史の勉強もするようになりました。好きこそ物の上手なれってこういうことでしょうか」(35歳女性/その他)

「『真田丸』は、戦国時代で成長や築き上げていく中で、家族を思うたくさんの気持ちが描かれており、考えさせられました」(47歳女性/主婦)

「『鎌倉殿の13人』や『光る君へ』のように、もっとその時代のことを知りたいけど、どうしたらいいのかわからない時にこういう作品があるととても勉強になって嬉しいです」(29歳女性/その他)

歴史作品である大河ドラマは、その時代を生きた人たちのことを知り、学べることが魅力。俳優陣が豪華であったり、壮大なスケールで描かれていることも民放にはない魅力だとコメントされている方もいました。

その一方で「1年間見続けるのはしんどい」、「時代に合ってない作品が多い」、「歴史作品なのに、フィクション要素が多いのが許せない」などの辛辣な意見もチラホラ……。

2025年の大河は、昨年に続き「戦乱のない」作品です。これまで戦乱や抗争が多く描かれ、それが人気でもありました。『光る君へ』で新しい扉を開いた大河ドラマですが、果たして今年の『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』はどのような展開になるのでしょうか。1話では歴史ドラマなのに「スマホが登場する」というユーモアで、圧倒させてくれました。アイディアとキャラが魅力的な主人公・蔦屋重三郎の存在は、出版界隈でも話題になっているとか。横浜流星さんの演技も冴えていて、ますます大河ドラマから目が離せないですね。

イラスト/現代洋子

大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』
(NHK総合 夜8時)主人公・蔦屋重三郎を演じるのは横浜流星さん。
中山夏美
中山夏美

山形県出身在住。一児の母。出産を機に2020年に東京からUターン。アウトドアとエンタメを得意とするライター。雑誌やWEBメディアに携わる。

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