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「イケア」の秋は「カレー」と「ローストビーフ丼ぶり」!日本人の胃袋を狙う、フード戦略を聞きました

2006年に日本へ初上陸した『IKEA(イケア)』が、2026年に上陸20周年を迎えます。2026年に『イケア』が注力するテーマはズバリ「料理と食事」。9月11日には日本一号店の「IKEA Tokyo-Bay」(千葉県船橋市)にてプレスイベントが開催され、料理と食事が楽しくなる新アイテムの紹介や、この秋からレストランで楽しめる新メニューなどがお披露目されました。なぜ『イケア』がこのテーマに注力するのか? 今回はその全貌をご紹介します。

2024年11月より登場した“100円朝食”も話題に!

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『イケア』のスウェーデンレストランは人気があります。

『イケア』といえば住環境全般に関わる商品を提供する、世界有数のホームファニッシングカンパニーとして知られていますが、創業当初から“食”に関するこだわりは並々ならぬものがありました。筆者は自宅から近かったこともあって一号店が進出した2006年当初から足しげく通っていますが、2階の広大なショールームをぐるぐると歩いた先にたどり着く、広々としたスウェーデンレストランに圧倒されたことをよく覚えています。

そこで楽しめるのはこれまで食べたことがないスウェーデン仕込みのミートボールや色とりどりのケーキなど。特に日本ではまずお目にかかれないミートボールに添えれられたジャムに違和感を覚えつつ、「これが本場のスウェーデンの味!」と感動したものです。

モーニングAセット 100円(税込)

さらに近年話題となっているのは、開店から11時まで楽しめる『イケア』の朝食です。2024年より朝食メニューがリニューアルされ、大人気のシナモンロールとハッシュポテトのセットがなんと100円(税込)。さらに“IKEA Familyメンバー”に登録すればドリンクバーが無料で利用できるとあって、オープン前から朝食目当ての人々がつねに待機している状態なのです。

発想が面白すぎる「ミートボールプレート」が登場!

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イケア・ジャパンCountry Commercial Manager ニコラス・ジョンソン氏

そんな『イケア』が改めて2026年になぜ「料理と食事」に注力したのでしょうか? プレスイベントではイケア・ジャパンCountry Commercial Manager ニコラス・ジョンソン氏がこの狙いについて話しました。

「イケア・ジャパンが日本国内3,000人を対象に実施した調査では、81%が『料理や食事の時間は日常生活の大きな喜び』と答える一方、半数が現在のキッチンに満足していないことがわかりました。

また『イケア』のグローバル調査によると、『キッチンでの作業を楽しむ』と回答した世界平均が26%に対して、日本は8%。さらに『ゆっくりと料理を楽しむ』と回答した世界平均は25%に対して日本は13%となっており、日本人は料理を楽しみたい気持ちと実際の体験との間にギャップがあることが浮き彫りになっているのです。

そこで『イケア』ではさまざま料理と食事に関する課題を理解し、より手ごろでサステナブルな料理・食事のソリューションを提案します」(ニコラス・ジョンソン氏)

日本人は世界と比較すると、キッチンでの作業や料理を楽しめる人が少ない。そこで2026年より『イケア』が投入するのが、スウェーデン人デザイナーのグスタフ・ウェストマンが手掛ける遊び心満載のキッチンアイテム。それがこちらです。

(左上から)LEDキャンデラブラ 2,999円(税込)、花瓶 3,999円(税込)、キャンドルホルダー 各999円(税込)、プレート 各3,999円(税込)、ビラ―キャンドルホルダー各999円(税込)、サービングプレート各2,999円(税込)、カップ&ソーサー 各999円(税込)、ティーライトホルダー各999円(税込)。

一体どんなキッチンアイテムか分かりますか? ピンクがぐるぐる渦巻いているのは「花瓶」。ほかはキャンドルホルダーやLEDライト、プレート、カップ&ソーサーなどがあり、もっとも謎なのが左手前にあるブルーの「サービングプレート」ではないでしょうか?

ピッタリ10個収まっています!

なんとこちら『イケア』でもおなじみ、スウェーデンの定番家庭料理・ミートボールプレートなのです! ただし日本人にはあまりにもニッチすぎるので、プレスイベントに登場しデザイナーのグスタフ・ウェストマン氏曰く「お寿司にも使ってください」とのことでした。

スカンジナビアデザインを大胆な視点で取り入れるデザイナー・グスタフ・ウェストマン氏は、ふくよかな丸みを帯びたラインによる、遊び心あふれたアプローチで知られています、

日本ではあまりお目にかかれない攻めたデザインですが、価格は『イケア』ならではのお手頃プライス。ぜひ、年末に向けてのホームパーティーに取り入れてみてはいかがでしょうか?

11月から登場のカレーとローストビーフ丼も試食しました!

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イケア・ジャパン Country Food Manager 菊池武嗣氏

さらにプレスイベントでは、近年の朝食をはじめとする『イケア』のレストランでの試みについて、イケア・ジャパン Country Food Manager 菊池武嗣氏がこのように語りました。

「『イケア』ではメニューを開発する際にお手ごろな価格であることとサステナブルであることに加えて、日本のお客さまの好みに合わせて幅広い選択肢を考えています。同時に『イケア』の大切な要素であるスウェーデン文化を感じて、日本人の皆さんに楽しんでもらいたい。その一環として、202410月から100円の朝食提供を開始し、これまでに日本全体で39万人ものお客さまに『イケア』の朝食をお楽しみいただいています。

さらに今後『イケア』は、平日限定の夕食メニューとして『丼ぶりメニュー』をリリースします。全国の『イケア』店舗のスウェーデンレストランで 11 月から日本でのみ展開予定です。たまに家での料理を休んでみたくなった時などにはぜひ、『イケア』のスウェーデンレストランへお越しください!」(菊池武嗣氏)

イベントでは新たに提供される丼ぶりメニュー「プラントベース キーマカレー丼」と「ローストビーフ丼」が振舞われました。

新メニューの「プラントベース キーマカレー丼」と「ローストビーフ丼」。

「プラントベース キーマカレー丼」は2021年にオープンした「IKEA渋谷」のスウェーデンレストラン限定で提供されていた大人気メニュー「プラントベース キーマカレー」を丼にしたものです。その名の通りお肉ではなく大豆ミートが使用されていますが、正直大豆ミートだとまったく気が付かないくらい違和感がなく、美味しい!

「プラントベース キーマカレー」

そして「ローストビーフ丼」はスウェーデンレストランで大人気のローストビーフを丼にしたものです。ニュージーランドで育った放牧牛のフィレ肉を低温・真空調理したことで、やわらかな食感を実現。タレも日本人が大好きなガーリック風味のしょう油ベースで食欲をそそりました。

すっかりお腹も満たされたところで、イベントも終了。イベント内ではイケア・ジャパンの菊池さんが「『イケア』はホームファンシングの会社である一方、世界最大級のレストランチェーンの1つでもある」という話もされていましたが、改めてその言葉の意味をかみしめる機会となりました。

日ごろからよく足を運ぶ『イケア』ファンはもちろん、そうでもない人も、まずは食から『イケア』に触れてみるのもかなりオススメです。この秋機会があればぜひ、『イケア』のスウェーデンレストランへ足を運んでみてくださいね。

【取材協力】
イケア

高山恵
高山恵

東京都出身、千葉県在住。短大の春休みより某編集部のライター見習いになり、気が付いたら2022年にフリーライター歴25年を迎えていた。現在は雑誌『DIME』(小学館)、『LDK』(晋遊舎)などで取材・執筆を行うほか、『kufura』などWEB媒体にも携わる。

執筆ジャンルは、アウトドアや子育てなどさまざま。フードコーディネーターの資格も持つ。

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