そこで『kufura』では、前編に引き続き、後編も白だしを製造販売する大手食品メーカーのキッコーマン食品株式会社 プロダクト・マネジャー室 つゆ・和風調味料グループの小長祐介さんに、白だしの上手な使い方や選び方について教えてもらいました。
白だし人気が高まってきたのはいつごろから?
null白だしは以前から販売されていましたが、全国的に人気が高まってきたのは、ここ10年くらいとのこと。多くの調味料メーカーが白だしを積極的に販売するようになったことで、テレビなどメディアでも頻繁に紹介されるようになり、多くの人に認知されるようになってきたようです。
「人気に一気に火がついたのは、やはりコロナ禍のタイミングですね。これは“ステイホーム”によって家にいる時間が増えたことで、多くの人が家で何か新しい料理に挑戦してみようと考え、SNSのレシピなどを参考に白だしを使い始めるようになったケースが多いのではないかと推測されます」(以下「」内、小長さん)
そして今現在も、特に20代〜40代の人が、まず試しに白だしを使ってみるということが増えていて、実際に使ってみたら、「これ1つで味が決まるなんて、すごく便利!」ということでリピートするなど、徐々に人気が高まってきているということもあるようです。
「白だしはこれ1つで味が決まるので、普段あまり料理をしない人にとっても、失敗が少なく、使いやすいのがいいところ。料理の味付けに使うと、だしが香る上品な味わいになることから、ちょっと料理が上手くなったような感じがするのも、料理初心者には刺さるポイントになっているのではないかと思います」
料理初心者はもちろん、普段あまり料理をしない人も、一度使ってみると使い勝手が良くて、白だしの魅力にハマるという人も少なくない様子。旦那さんがあまり料理が得意ではない場合など、白だしを勧めてみるのもいいかもしれません。また、白だしを料理に使うと、自分で調味する手間が省けて料理の時短にも繋がるので、忙しい朝のお弁当作りなどにもおすすめです。
白だしはどんな料理に適しているの?
null白だしの主な特徴は、(1)色がうすい、(2)甘味が少なくて味わいがすっきりしている、(3)だし感が強いといったところ。なので、関西風うどんの汁や、冷やかけうどん・そうめんなど、麺料理のかけつゆとして使うと美味しくいただくことができます。
「だし感が欲しいものの、あまり色を付けたくないような料理、例えば炊き込みごはんやお吸い物などに使うのもおすすめです。また、卵と相性がいいので、だし巻き卵や茶碗蒸しなどに使うと、見た目がきれいな美味しい料理を作ることができます。鍋料理や味噌汁、旬の素材を活かした料理、漬物などに使っても、上品な味わいに仕上がって美味しいですよ」
なお、白だしとよく比較される濃縮タイプのめんつゆは、白だしと比べると色が濃く、甘味とコクがあるのが特徴なので、色の濃い煮物や丼物、炒め物の味付け、冷奴などのつけかけなどに使うといいとのこと。もちろん、うどんやそうめんなどのつけつゆやかけつゆにもピッタリです。
いろいろな種類がある白だし。どうやって選べばいいの?
nullスーパーなどに行くと、さまざまなメーカーから、いろいろな白だしが販売されています。種類が多すぎて、どの白だしを買ったらいいのかわからないという人もいると思いますが、白だしは何を基準に選べばいいのでしょうか?
「白だし選びで迷ったときは、まずは原材料に注目してみてください。特に大きく違いが出るのが、白だしに使われているだしの種類。定番のかつお節や昆布のほか、地鶏やトビウオ(あご)など、一口に白だしといっても商品によっていろいろな種類のだしが使われています。白だしをどんな料理に使いたいのか、用途に合わせて選ぶようにするといいでしょう」
だしの種類が違えば、それに合う料理もおのずと変わってきます。白だしを製造販売する各社のホームページを見ると、各商品に合うメニューやおすすめのレシピなどが、たくさん掲載されています。それを参考にしながら、自分が作りたい料理に合わせて白だしを選ぶのもおすすめのようです。
前編と後編の2回に分けて、白だしの基本や使い方、選び方などを見てきましたが、いかがでしたか? ご紹介した白だしの基礎知識を参考に、便利な白だしを上手に活用して、ご自宅で手軽に美味しい料理を作ってみてください。
【取材協力】
フリーライター。2011年よりイギリス在住。